私たちが悩むのは、「仕事のしかた」「人間関係」「将来設計」の3つに関することが多いのではないでしょうか。もちろん仕事日記には、これらを解決してくれる効果があります。
①仕事のしかた
仕事についての考え方や進め方には、一人ひとりクセがあります。しかし、自分では意外なほどそれを自覚していません。
たとえば、「締め切り厳守」タイプは、出来が今ひとつでも今日が締め切りだからと提出してしまい、能力不足とみなされてしまうことが多いでしょう。「内容重視」タイプなら、高いレベルを追求するあまり、締め切りに遅れて迷惑をかけることになります。
記録をつけていくことで、自分がどんなクセや傾向をもっているか、自覚することができれば、こんなに心強いことはありません。
それぞれのコビトが
締め切り厳守タイプには「もう少し内容を詰めなきゃ。まだ締め切りまでに2時間あるでしょ?」
内容重視タイプには「今回は、概要を知らせるのが目的だから、そこまで詳しい内容はかえって邪魔になるよ」
と、ささやいてくれるようになるのです。
②人間関係
仕事での人間関係は、自分ではどうにもならない側面が大きいものです。人を選ぶことはできませんし、どうしても合う・合わないという相性もあります。「何でそういう言い方をするかな!?」と納得のいかないことも多々あるでしょう。
とはいえ、それはすべて「あなたの側」から見た景色でしかありません。
仕事日記を見直し、そこに記された出来事や感情を通して、私たちは新しい発見やそれまでとは異なる視点を得ることができます。
「ムカついた」「信じられない」「ありえない」と、自分の感情を文字にすることは、「感情の知性化」につながるからです。
感情の知性化とは、自分の感情を言葉で意識的に整理することです。感情の嵐に巻き込まれているときは、なかなか事態を冷静に見つめることはできません。
しかし、感情を言葉にしていくと
「そうはいっても、悪気はなかったのかもしれない。思ったことを口にしただけかな」
「あのときは腹が立ったけど、立場上、しかたがなかったのかもしれない」
と、感情の世界を冷静に見つめることができるようになります。
もちろん、これはメタ認知力のアップにも大きく貢献します。避けては通れない相手とどう付き合っていけばいいのか。その手がかりをコビトが教えてくれるようになるのです。
③将来設計
年齢を問わず、将来について
「このまま、今の仕事を続けていっていいのだろうか」
「どうキャリアアップしていくべきか」
「結婚・出産したら、どうしようか」
「いまの仕事は向いていないから、別の仕事がしたい。でも、それが何かわからない」
と、思い悩む人は多いでしょう。
仕事日記には「現在」や「過去」だけでなく、「未来」を深く見つめる役割もあります。それにより、メタ認知力が高まり
「こういう方向に挑戦してみれば?」
「こっちのほうが将来に役立つよ」
と、どう頭を働かせるか、どう行動したほうがよいか、コビトが導いてくれるようになるのです。