2部 頭を元気にするキーワード
ふつふつと思いが湧いてくる
楽しい思い出 あかるい未来 空想の世界に遊ぶ
時間を忘れる どんどんうまくなる
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
あ
あるがまま 8-4
い
いいかげん 8-8
お
オープンマインド8-13
おもしろさ 8-18
か
改善マインド 8-23
回想 8-26
き
希望 9-1
逆境 9-9
く
クイズ9-14
空想
クリティカル・シンキング 9-20
け
計画PDCA 9-24
元気づけ本 9-28
け
研究心 10-3
こ
向学心10-9
好奇心10-14
根気10-17
し
資格10-30
思考習慣 11-6
思考転換 11-11
自己主張11-17
質問11-21
使命感
常識12-5
上達12-9
趣味12-11
賞 12-15
真善美12-18
信念12-20
新聞12-27
す
素直1-4
そ
創造1-10
た
大局観
大局観「頭を元気に
「森も木もみる」
● 正しいことばかりしていたら大変なことに
公私にわたり、私たちは、毎日毎日、忙しく働いています。そして、その時その場で解決しなければならない問題を処理しています。だからこそ、即断即決が一つの有能さの証として評価されます。
ところが、その一つ一つの解決処理がその時その場で妥当なものであっても、もっと大きな観点からみると、実は、誤っていた、失敗だったということが時にはあります。局所最適化と呼ばれています。たとえば、
・社員全員が一生懸命働いていてそれぞれの目標を達成してい「たが、ある日、突然、資金ぐりがつかなくなって倒産
・受験には一度も失敗しなかったが、世の中にでたら使い物にならなかった
・それぞれのポジションには一流の選手をそろえたが、優勝できなかった
あのドラッカーの言説にこんなものがあります。
「組織が成長するほど、特に成長するほど、組織に働く者の関心、努力、能力は組織の中のことで占領され、外の世界における本来の任務と成果を忘れていく」
●思考における広さと深さのトレードオフ
思考には、考える領域を狭くして深く考える場合(ミクロ思考)と、考える領域を広くして浅く考える場合(マクロ思考)とがあります。「場合」だけではなく、「人」によって、どちらかのほうをいつもしがち、ということもあります。
大局観は、言うまでもなく、マクロ思考になりますが、これには、さらに、歴史観と使命感も含まれます。
企業などの組織のトップや政治家に求められる最も大事な資質です。
マクロ思考に、歴史観や使命感を追加したのは、マクロ思考だけですと、いわば、その場限りの大雑把で詰め不足で破綻となりがちだからです。
●頭を元気するための大局観の持ち方のコツ
①現実処理の成功におぼれない
現実は雑然としていてしかも巻き込む力が極めて強いのが普通です。誰もが現実の中で時にはアップアップしながら、時にはからだをはってがんばります。
その結果として、日々、それなりの達成感を味わいながら生きていきます。
しかし、それがどれほどうまくいっていても、それはあくまで限定された現実の処理がうまくいったに過ぎません。やはり、その成功がもっと大きなものとどこかでつながっているということがないと、いつか、現実処理でも破綻をきたすことになります。
現実のなかにあって現実におぼれない、その気持ちが大事です。
②もう一つの大局観が必要
「観」には、あれもあるこれもある、という物知り的なものは不要です。というより、むしろ害があります。
「観」は、所詮、あなたが選んだもの、あなたが信じるに値するものでなくてはなりません。したがって、レパートリーを増やすといっても、ごく限定的です。それだけに、一つひとつは重いものがあります。
あえて、もう一つの大局観としたのは、唯一の大局観を金科玉条のものとして現実をとらえてしまうと、思い込みエラーのリスクが高まるからです。現実が変わったのにそれが見えないということになりがちだからです。
抽象的な言い方になりますが、大事なのは、歴史観と使命感がうまくクロスしたところにあるような大局観ではないでしょうか。
③現実を遠くから見る習慣が必要
どんな時でも、たとえ現実に巻き込まれていても、そこから自分を切り離して現実をみる習慣が必要です。場合によっては、物理的に自分を現実から一時的に隔離することもあってよいと思います。
現実を厳しく認識し処理をしながらも、現実を突き放してみる時間、場面も必要です。
へたをすると、冷めているという評価につながるかもしれませんが、それでいいのです。とりわけ、意思決定にかかわる人にとっては、この習慣は必須です。