成績に対するプレッシャーで人格まで変わったのでは
ないかと不安です
不動産業界に勤めています。 仕事は投資用マンションの勧誘。
昔ながらというか、とにかく電話をかけてアポを取り、一つでも多く契約を獲得していくという体を張ったスタイルです。 朝から電話、合間があれば電話、外出から戻ってもとにかく電話をかけ続け、アポを取って商談に出かけます。
もちろん簡単に話を聞いてくれる人は少なく、不動産業界自体も厳しい状況にあるので、結果を出し続けていくのは大変です。 しかしそれ以上に、最近は自分のメンタルにも余裕がなくなってきている気がするのです。 同僚を出し抜くために一本でも多く電話をしようとか、顧客を奪われそうな気分になって電話内容を聞かれないように隠れたりとか、くだらない競争心の方が強く働き、自分がひどく狭量な人物ではないかという気分になります。
成績を出したいという気持ちもありますが、こういう心持ちで仕事をしていて、本当に顧客満足を与えられているのか不安があります。 最近学生時代の友人に久しぶりに会い、「なんだか顔つきや物言いがきつくなった」と言われ、ショックでした。 しかし「営業とは積極性や時には強気な態度も大事、どんどん(顧客を)押していけ」という上司を前にすると、自分の感情が単なる弱音のような気もしてしまい、混乱しています。
不動産営業/25歳/男性
ココロ全体
の悩み
A
この相談には海保博之カウンセラーがズバリ答えます!
うーん、厳しいですね。乗り越えられれば、もう一段上のビジネスマンになれるかも。でも、そのためには、使命感と自分が作れている(向上していること)の確信が必要。
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お答えします。
●うーん、厳しいですね
ノルマ達成と競争へのプレッシャーが強すぎるのだと思いますが、それにしても大変な職場ですね。 努力が報われればそのプレッシャーからも解放されるのだと思いますが、推察するところ、ほとんどが報われない努力。 しかし、その努力をひたすら強要される職場なのでしょうね。
多かれ少なかれ、ノルマや競争は、どんな職場にもあります。
しかし、それでもノルマや競争が過度にならないように常識的、法規的な歯止めや、チームとしての協同体制が組み込まれているのが普通です。 それがないと、結局は、全員が疲弊して会社としての業績も上がらないことになるからです。
●仕事のつらさを克服させる外的・内的要因
仕事には厳しさがつきもの。 あなたのつらさがその厳しさからくるものと考えてみたとき、そのつらさを克服するには、一般には、外的、内的に分けて次のようなものが必要だと思います。
「外的には」
・努力に見合う――「成果にではなく」――報酬がもらえること
・雇用保証と将来性(昇進可能性)が見えること
・世間的にそれなりの評価があること
・つらさは限りなく続くわけではないことがわかっている(締め切りがある)
・チーム(会社)の一員という連帯意識があること
「内的には」
・その仕事が社会のため、人のために役立っているという使命感があること
・自分作りの場になっている実感があること
いかがでしょうか。
あなたはご自分で、使命感(たとえば、顧客満足)と自分作りの点で、不安と疑念を感じているようですね。 それに気づかれたのは、あなたの心がまっとうに働いていることの証拠だと思います。 それは救いです。
●さて、どうする
まずは、「内的なもの」が変えられるかです。
これはあなたの認識の問題ですから、自分で認識を変えることさえできれば、つらさ克服のきっかけになります。 簡単なようですが、かなりきつい作業になります。 今一度、自分と仕事を冷静に見つめ直して自問自答を繰り返してみてください。
もう一つ「外的なもの」が問題になります。
もしそれらが十分に満足のいくものであれば、「内的なもの」が多少不安でも、まだ踏ん張れるはずです。 しかし、それが満たされていないなら、あなたはすでに「内的なもの」に不安を感じているのですから、もはや職場に留まることは無理かもしれません。 即刻、転職をおすすめします。