本稿では、リンスとシャンプーを表示だけで識別させるには、どのような表示上の趣向が最適かを、高齢者を使ったユーザビリティテストで検討した結果を報告する。
ISO13407対応のためもあって、コンピュータのインタフェース関連の業界においては、ユーザビリティテストがかなり普及してきた(黒須ら、1999)。しかし、ユーザビリティテストはこの業界限定ではない。消費者主権の昨今、どの業界においても、それぞれの業界にふさわしい形でのユーザビリティテストがおこなわれるべきである。
その意味で、ここで報告するユーザビリティテストは、商品パッケージの表示の最適化という限定的な課題ではあるが、一つの定型的なユーザビリティテストの方式を提案したものとして意義がある。
ここで採用したユーザビリティテストは、2種類ある。
一つは、表示に基ずく商品の識別実験である。商品の使用場面を想定して、「できるだけ早く正確に」識別させたときの識別反応時間と正解率とを計測する実験である。
もう一つは、実験終了後に、実験に使ったすべての表示対を「区別しやすさ」の観点から順位づけしてもらい、その理由を報告してもらう課題である。これは、商品購入段階を想定したものである。 この2種類のユーザビリティテストを使った理由の一つには、ユーザ(消費者)と商品との接点が、購入時と使用時の2ケース想定されたことがある。
2つには、表示の評価に限らないが、ユーザを使った評価では、ユーザの意識的な介入をできるだけ排除したパフォーマンス評価と、逆に、意識的な介入を積極的に求めた主観的評価とを使うことで、より豊富な情報がえられることが期待できるからである。
さらに、ここでは高齢者を被験者に使ってみた。その理由も、2つある。
一つは、商品の将来のターゲット購入層として高齢者が想定されたことがある。
もう一つは、加齢に伴う認知・行動機能の低下に対応できる表示上のバリアーフリーを考えるための基盤データを得たかったからである。
ISO13407対応のためもあって、コンピュータのインタフェース関連の業界においては、ユーザビリティテストがかなり普及してきた(黒須ら、1999)。しかし、ユーザビリティテストはこの業界限定ではない。消費者主権の昨今、どの業界においても、それぞれの業界にふさわしい形でのユーザビリティテストがおこなわれるべきである。
その意味で、ここで報告するユーザビリティテストは、商品パッケージの表示の最適化という限定的な課題ではあるが、一つの定型的なユーザビリティテストの方式を提案したものとして意義がある。
ここで採用したユーザビリティテストは、2種類ある。
一つは、表示に基ずく商品の識別実験である。商品の使用場面を想定して、「できるだけ早く正確に」識別させたときの識別反応時間と正解率とを計測する実験である。
もう一つは、実験終了後に、実験に使ったすべての表示対を「区別しやすさ」の観点から順位づけしてもらい、その理由を報告してもらう課題である。これは、商品購入段階を想定したものである。 この2種類のユーザビリティテストを使った理由の一つには、ユーザ(消費者)と商品との接点が、購入時と使用時の2ケース想定されたことがある。
2つには、表示の評価に限らないが、ユーザを使った評価では、ユーザの意識的な介入をできるだけ排除したパフォーマンス評価と、逆に、意識的な介入を積極的に求めた主観的評価とを使うことで、より豊富な情報がえられることが期待できるからである。
さらに、ここでは高齢者を被験者に使ってみた。その理由も、2つある。
一つは、商品の将来のターゲット購入層として高齢者が想定されたことがある。
もう一つは、加齢に伴う認知・行動機能の低下に対応できる表示上のバリアーフリーを考えるための基盤データを得たかったからである。