天網恢恢疎にして漏らさず

映画レビューを中心に(基本ネタバレバレです)スキーやグルメ他、日々どうでもいいような事をダラダラと綴っています。

「成田-パリ間」機内で見た映画・PART1

2011年01月11日 | 映画感想
今回、JAL-エアフランスの共同就航便(成田-パリ直行)でした。
そして行きがJALの機体、帰りがエアフラの機体。
だから見れる映画が違ってた。ある意味ラッキー、ある意味アンラッキー(←ん?)

まあぶっちゃけで言うけど、エアフラは日本語で見れる映画の数が少ないんだわ。
それに上映してる映画も微妙~に古い。ただ日本で今後公開するか微妙~な単館系映画が見れたのはラッキー♪
やっぱりね、腐っても(いや腐ってねーけど)ナショナルフラッグを自認するだけはありますJALさん。
日本語の機内上映映画の充実度は間違いなく世界一でしょ。
これから日本公開の話題作もバンバン既に日本語上映してるのでバッチリ鑑賞させて頂きました♪

まーそんな訳で、PART1は「行きのJAL機内で見た映画」のレビューを簡単に。
(以下、鑑賞順でレビュー書いて行きます)

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「ザ・タウン」

2011年2月5日~日本公開予定。
我が愛しのベンベン(ベン・アフレック)が監督、共同脚本、そして主演という出しゃばり企画。
これで音楽まで手掛けたら「第二のチャップリン」と呼ばれる事間違いなし。
まあ今の段階では「第二のクリント・イーストウッド」と呼ばれるのがお似合いでしょうか。

映画の舞台はボストン北東部のチャールズ・タウン。
物凄く治安の悪い地域で、主人公のダグは何とかこの街を抜け出して真っ当な人生を送りたいと願いつつも
今日も仲間と共にある銀行を襲撃(強盗)する計画を着々と遂行していた。
まあ、要するに主人公のダグ(ベンベン)は強盗団のリーダーなんですね。仲間は機動力はあるけど頭がパー。
その点クレバーで冷静に物事を判断出来るダグは、この強盗団にとってなくてはならない存在。
ちゃんとコイツらが銀行強盗して稼いだ金の上前をはねるゴロツキジジイも街にはびこっていて、
そのジジイ達はダグの親父さんからの付き合いだから、ダグ自身もなかなか邪険に出来ない様子。

そんなこんなである日襲った銀行でちょっとしたミスが起こり、事の成り行き上(逃走する為に)
その銀行の女支店長(お約束通り美人♪)を人質として一緒に連れ出す事になってしまった。
逃げ切った後で人質は解放したものの、人質女性の身元を調べてみたら偶然にも同じ「タウン」の住人だったと判明。
顔を見られてはいないハズだけど、ご近所さんだけに何か悟られてたらヤバいな・・・と思って、偵察するつもりで
人質だった女性にさりげなく近付いたダグは、これまたお約束通りその人質女性と恋に落ちてしまう、という話。

コレね、面白かった!
ハラハラドキドキ感、ラブ~♪な要素、スリリングなアクションシーン、「これからどうなっちゃうの~!?」的な
先の見えないサスペンスな部分、どれもこれもいい分量・いい配分でソツがなくて見せ方も上手い。
ベンベンはもしかしたら本当にご自身も「第二のクリント・イーストウッド」の座を狙ってるのかもしれない。
と言うか・・・うん、彼が今一番その椅子に近い場所にいる人なのかもしれない!?と本作を見て思ってしまった。

彼女と蜜月状態の時に語ったり行ったりした様々な「どうでもよさそーなエピソード」が後にちゃんと拾われている。
サスペンス要素だけでなく、主人公の背負っている背景や歴史、切り離せない人間関係の網の目を丁寧に見せているし
人間ドラマとしてもサスペンスとしてもかなり練られた脚本だったと思います。
語り過ぎていない(見る側に考えさせる)余白を残した作りも好感触。個人的にかなり好きな作品。

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「ウォール・ストリート」

2011年2月4日~日本公開予定
巨匠オリバー・ストーン監督、マイケル・ダグラス×シャイア・ラブーフ@スピルバーグの秘蔵っ子のダブル主演
本作は1987年に公開された「ウォール街」の続編という位置付けのようです。自分は87年の作品は見ていません。

要するに「リーマン・ブラザーズ破綻ネタ」を絡めながら見せるコンゲーム・サスペンス・・・と見せかけて人情物(はぁ?)
まあウォール街には魔物が棲んでいますからね。有象無象を飲み込んで平らげて騙し騙されかっぽれかっぽれ(謎)

マイケル・ダグラス演じる「ゴードン・ゲッコー(87年制作作品から引き続き)」は経済犯として8年間刑務所暮らしをして
この度ようやく娑婆に出て来た。
その間にウォール街は随分様変わりしていた。この街で若くして成功したジェイコブは勤めていた投資銀行がある日突然破綻、
自分は無職になった上に親代わりのような存在だった経営者はこの件で失意の内に自殺してしまう。
この一連の事件がライバル銀行の顔役による陰謀だったと知ったジェイコブは、復讐を誓いその足掛かりとして先頃出所した
ゴードン・ゲッコーに近付いて行く。
ところでジェイコブの婚約者はゴードンの実娘(どーやって知り合ったんだよ!)なんだが、娘っ子はゴードンパパの事を
「家庭を顧みない嘘つきクズ親父」と毛嫌いして避けている状態。ゴードンは「ムチュメちゃんラブー♪」で仲直りしたいらしいので
ジェイコブは娘っ子とゴードンの仲を取り持つのを餌に復讐するべく情報を引き出そうとするのだが・・・

うん。コレもなかなか見どころが多くて面白い!
ところでもしかしたら本作は基本的な経済用語だったり「リーマン兄弟ネタ」の流れの一連を理解していないと
見ていてちょこっとだけ難しく感じてしまうのかもしれない。
「そーいや数年前に【サブプライムローン問題】とかって言葉をよく聞いたけど・・・ところでサムプライムローンって何?^^;」
みたいな事を実は今でも思ってまーす♪という人には少しだけ難しい映画なのかもしれないなー?んーどうなんだろう?

少なくとも、決して経済ネタに明るくなくても本作は楽しめる(理解出来る)ようには作ってあると思います!
ただネタの中心が「ウォール街」なので、どうしても小難しい経済用語も登場してしまうから拒絶反応は出さないでネ♪てな感じかな。

まあ何て言うかね・・・マイケル・ダグラス演じる「ゴードン・ゲッコー」の食えないオヤジっぷりが何とも可愛いじゃないか!(笑)
ヤベェ。87年作の方も今からでも見てみたい。両方見たらきっともっと楽しめるだろーなーって思う。
コンゲーム、という程でも実際はないんだけど、ゴードン親父の真意が最後の最後まで見えなくてなかなかドキドキさせてくれる♪

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「武士の家計簿」

2010月12月4日~(現在公開中)
実はスルーするつもりでいた作品なんだけど、機内上映でタダで見れるならラッキーかな♪と思って鑑賞してみた。

幕末に実在した加賀藩の御算用者(経理係)だった下級武士「猪山直之」の行った「猪山家借金返済計画」と彼の半生を
彼の息子(後に明治政府に仕える)の視点と語り中心で描いた作品。
タイトル通り、猪山直之氏が実際に付けていた「家計簿」が実在するそうで、それが本作の下敷きになっているらしい。

有る事件がきっかけで藩の財政を洗い直してみた猪山直之は、大掛かりな藩の横流し不正を見つけてしまう。
実直過ぎる性格が災いして藩の上層部から煙たがられた猪山は一度は閑職に追いやられそうになるものの、
ギリギリのタイミングで御上の知る事となり、悪玉上司達は一掃されて目出度く猪山は大出世する事になった。
ところで当時の武家というのはとかく見栄っ張りで借財が多く、我が家の家計状況の実態を知った猪山は相変わらずの
実直な性格のままに「猪山家超緊縮財政宣言」を発令&始動、一家総出の「節約生活」が始まるのだが・・・という話。

本作非常にウケがいいそうですね。堺雅人さんも仲間由紀恵さんも超人気役者さんだもんなぁ~。そりゃ人気出るわなぁ。
・・・って、物凄く他人事みたいな書き方してるんですが(いや実際私は堺さんとも仲間さんとも親族じゃねーしな。笑)
決して「つまらない」訳じゃないんだけど、でもだからといって「面白かった?」って聞かれると・・・うーん^^;

ちょっと眠たくなって来てたからウトウトしながら見てた部分もあるしさ、だからあんまり派手にあーだこーだ言えないんだけど
まあ邦画らしいゆるい映画だよね。でもこの「ゆるさ」ってハリウッドB級系のゆるさとは質が全く違うんだよな。
本作の語り部である猪山の嫡男は、どうやら幼い頃の父親との記憶というのは厳しく算術と躾けを言われた事位しかないらしいんだが
それじゃーおやっさんも浮かばれねーぞ?みたいな事をブツブツ説教したくなるような、そんな「近所のおいちゃん・おばちゃん」仕様で
楽しむのが本作の正しい鑑賞法なんだろうと推察。

んー。まあ、機内上映で見られてよかった。うん。^^:
コメント (3)
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