「ラストレター Last Letter」
岩井俊二監督作品。
もー最初っから書いちゃうけど、自分正直あんまり岩井作品得意じゃないんだよなー(滝汗)
でも今回自分イチオシの神木隆之介君出てるからやっぱスルーはあかんよなぁ…と思ってようやく鑑賞。^^;
あらすじ
姉・未咲の葬儀の際に未咲の一人娘・鮎美(広瀬すず)から姉宛に届いた高校の同窓会の通知を預かった岸辺野裕里(松たか子)は、未咲の死を知らせるべく同窓会の会場へやって来たものの、未咲の同級生達からすっかり未咲本人だと誤解されてしまい場の空気に呑まれて真実を言い出せなくなった裕里はそのまま未咲のフリを続けてしまう。
ところが同窓会の会場で裕里の初恋の人だった乙坂鏡史郎(福山雅治)と再会。未咲だと偽ったまま乙坂と連絡先を交換し、ひょんな誤解から文通をする事に…
岩井作品って独特の間があるというのか、何というのか…「昭和の中2男子のノスタルジック全部載せ」みたいな。←何書いてんだw
この監督さんって絶対的に少女を上手に撮るんですよね。少女、と言うか「少女から大人の女性へと移り行く儚げな美しさ」を撮るのが上手いと言うか。
かつて「花とアリス」という作品を観た時に「岩井監督ってロリコンと言うよりもご自身の脳みそが思春期真っ只中系の回路なんだなー」と思ったんですよね。
で、本作を観てやっぱり同じ印象を持った。
もう圧倒的に広瀬すずちゃんと森七菜ちゃんの2人が儚げで愛らしい。時は令和だというのにイマドキの女子高生があんなフワフワゆるゆるのサンドレス着るかー?^^;
あの衣装探す方が難儀だったろーよ。あんなん、もはや岩井監督の脳内にしか売ってねーだろーよw
で、まあ色々ツッコミ入れたい部分も沢山あるんですが…とにかくあり得ない展開を経て(苦笑)裕里と乙坂、そして更に鮎美と乙坂の奇妙な三角文通が始まる。
年賀状すら出さなくなってきている現代で、敢えての手書き文通ですよ。岩井ワールドだなぁ~^^
更に裕里と鮎美のそれぞれが未咲に成りすまして手紙を乙坂に送ってるんだから、話が噛み合わなくなって当然だろう?いやそれより筆跡…とかモヤモヤするんですがw
そーゆーの全部丸ごとぶっ飛ばして話は更にノスタルジックに溺れていくのです。スゴイです岩井監督の力技!
この作品、話が進むとどんどんメインが変わっていくんですよね。だから誰が主人公、とハッキリ決められない。
映画冒頭からしばらくは岸辺野裕里(松たか子さん)メインで話が進んでいる。回想シーンでは第三者的視点で俯瞰(やや神木君演じる高校生乙坂メイン寄り)
それがあるシーンから乙坂鏡史郎(福山雅治さん)がメインにバトンタッチ。更に進むと最後は鮎美(広瀬すずちゃん)メインで終わる。
本作に出演されている役者さんは誰も彼も一筋縄ではいかぬ芸達者揃いでしたが、中でもやはり松たか子さんは本当に凄いなあ~と思わされましたね。
「裕里」という役はとても難しい立ち位置のキャラだったと思うのですが、シリアスにも、ホームドラマにも、そしてちょっぴりコメディエンヌっぷりも発揮し自由自在に演じ切っていて流石の名門梨園の血だなぁ!と思わずにはいられませんでした。
後個人的に「うぉぉぉぉ」と思ったのは「Love Letterコンビ」、あの2人をまさかこの設定で登場させますかー。岩井監督なかなかやるなー!
豊川悦司さんの迫力もさることながら、中山美穂さんのあの場末感がリアル過ぎて怖い!(コラコラ
それから、内容的な事かな?なんだけど…
皆が「未咲」という一人の女性にある意味翻弄されて行く(されている)話なんだけど、当の未咲ご本人の像が自分の中でどうにもはっきりしなかった。
彼女は高校時代生徒会長をやっていて誰からも憧れられるマドンナ的な存在だった。
そんな彼女がどこをどうひねくり回すとDVクソ野郎と駆け落ちまでするのか、とかその後の彼女の人生もまるで回想シーンでの溌溂とした美少女とはかけ離れている。
未咲はあくまでも高校時代の回想シーンでしかその姿を見せず、葬儀の際の写真でさえも大学時代の写真が使われていて死の間際の彼女をうかがい知る事が出来ない。
全く実体がないのだ。だからこそ?なのか、乙坂がいつまでもいつまでも女神として崇める崇高な存在に昇華されていたのだろうか?ちょっとよく分からない。
ただ、ちょっとひねくれた考え方かもしれないけど…未咲はいわゆる「ダメンズメーカー」だったのではないかなと。
ダメンズばかりを選んで付き合ってしまう女を「ダメンズウォーカー」と言うのに対し、真っ当な男をダメンズに作り変えてしまうというのが「ダメンズメーカー」
そもそも駆け落ちをした相手の男(=後の豊川悦司さん役)だって最初から暴力ふるっていた訳ではないようだし、少なくとも今はある程度働いていて彼女もちゃんといる。
そして乙坂鏡史郎も…彼女を愛して付き合った事がきっかけで小説家を目指し(未咲から小説家になる事を勧められていた)、そして今のていたらく(滝汗)
彼女が関わった男がことごとく負け犬人生辿ってるってこれ如何に^^;
あー。ノスタルジックな岩井作品がヒネたBBAに掛かるとこんなヒドイ事言われちゃうんですよーう。
まあ、男の人(永遠の中2男子達)にはずっと1人の女性を思い続けるお伽話に感じるんでしょうなぁ。
でもねー、よく言うじゃん?「男の恋愛は【名前を付けて保存】、女の恋愛は【上書き保存】」ってさ。アレ本当だからねー。あははははー。
岩井俊二監督作品。
もー最初っから書いちゃうけど、自分正直あんまり岩井作品得意じゃないんだよなー(滝汗)
でも今回自分イチオシの神木隆之介君出てるからやっぱスルーはあかんよなぁ…と思ってようやく鑑賞。^^;
あらすじ
姉・未咲の葬儀の際に未咲の一人娘・鮎美(広瀬すず)から姉宛に届いた高校の同窓会の通知を預かった岸辺野裕里(松たか子)は、未咲の死を知らせるべく同窓会の会場へやって来たものの、未咲の同級生達からすっかり未咲本人だと誤解されてしまい場の空気に呑まれて真実を言い出せなくなった裕里はそのまま未咲のフリを続けてしまう。
ところが同窓会の会場で裕里の初恋の人だった乙坂鏡史郎(福山雅治)と再会。未咲だと偽ったまま乙坂と連絡先を交換し、ひょんな誤解から文通をする事に…
岩井作品って独特の間があるというのか、何というのか…「昭和の中2男子のノスタルジック全部載せ」みたいな。←何書いてんだw
この監督さんって絶対的に少女を上手に撮るんですよね。少女、と言うか「少女から大人の女性へと移り行く儚げな美しさ」を撮るのが上手いと言うか。
かつて「花とアリス」という作品を観た時に「岩井監督ってロリコンと言うよりもご自身の脳みそが思春期真っ只中系の回路なんだなー」と思ったんですよね。
で、本作を観てやっぱり同じ印象を持った。
もう圧倒的に広瀬すずちゃんと森七菜ちゃんの2人が儚げで愛らしい。時は令和だというのにイマドキの女子高生があんなフワフワゆるゆるのサンドレス着るかー?^^;
あの衣装探す方が難儀だったろーよ。あんなん、もはや岩井監督の脳内にしか売ってねーだろーよw
で、まあ色々ツッコミ入れたい部分も沢山あるんですが…とにかくあり得ない展開を経て(苦笑)裕里と乙坂、そして更に鮎美と乙坂の奇妙な三角文通が始まる。
年賀状すら出さなくなってきている現代で、敢えての手書き文通ですよ。岩井ワールドだなぁ~^^
更に裕里と鮎美のそれぞれが未咲に成りすまして手紙を乙坂に送ってるんだから、話が噛み合わなくなって当然だろう?いやそれより筆跡…とかモヤモヤするんですがw
そーゆーの全部丸ごとぶっ飛ばして話は更にノスタルジックに溺れていくのです。スゴイです岩井監督の力技!
この作品、話が進むとどんどんメインが変わっていくんですよね。だから誰が主人公、とハッキリ決められない。
映画冒頭からしばらくは岸辺野裕里(松たか子さん)メインで話が進んでいる。回想シーンでは第三者的視点で俯瞰(やや神木君演じる高校生乙坂メイン寄り)
それがあるシーンから乙坂鏡史郎(福山雅治さん)がメインにバトンタッチ。更に進むと最後は鮎美(広瀬すずちゃん)メインで終わる。
本作に出演されている役者さんは誰も彼も一筋縄ではいかぬ芸達者揃いでしたが、中でもやはり松たか子さんは本当に凄いなあ~と思わされましたね。
「裕里」という役はとても難しい立ち位置のキャラだったと思うのですが、シリアスにも、ホームドラマにも、そしてちょっぴりコメディエンヌっぷりも発揮し自由自在に演じ切っていて流石の名門梨園の血だなぁ!と思わずにはいられませんでした。
後個人的に「うぉぉぉぉ」と思ったのは「Love Letterコンビ」、あの2人をまさかこの設定で登場させますかー。岩井監督なかなかやるなー!
豊川悦司さんの迫力もさることながら、中山美穂さんのあの場末感がリアル過ぎて怖い!(コラコラ
それから、内容的な事かな?なんだけど…
皆が「未咲」という一人の女性にある意味翻弄されて行く(されている)話なんだけど、当の未咲ご本人の像が自分の中でどうにもはっきりしなかった。
彼女は高校時代生徒会長をやっていて誰からも憧れられるマドンナ的な存在だった。
そんな彼女がどこをどうひねくり回すとDVクソ野郎と駆け落ちまでするのか、とかその後の彼女の人生もまるで回想シーンでの溌溂とした美少女とはかけ離れている。
未咲はあくまでも高校時代の回想シーンでしかその姿を見せず、葬儀の際の写真でさえも大学時代の写真が使われていて死の間際の彼女をうかがい知る事が出来ない。
全く実体がないのだ。だからこそ?なのか、乙坂がいつまでもいつまでも女神として崇める崇高な存在に昇華されていたのだろうか?ちょっとよく分からない。
ただ、ちょっとひねくれた考え方かもしれないけど…未咲はいわゆる「ダメンズメーカー」だったのではないかなと。
ダメンズばかりを選んで付き合ってしまう女を「ダメンズウォーカー」と言うのに対し、真っ当な男をダメンズに作り変えてしまうというのが「ダメンズメーカー」
そもそも駆け落ちをした相手の男(=後の豊川悦司さん役)だって最初から暴力ふるっていた訳ではないようだし、少なくとも今はある程度働いていて彼女もちゃんといる。
そして乙坂鏡史郎も…彼女を愛して付き合った事がきっかけで小説家を目指し(未咲から小説家になる事を勧められていた)、そして今のていたらく(滝汗)
彼女が関わった男がことごとく負け犬人生辿ってるってこれ如何に^^;
あー。ノスタルジックな岩井作品がヒネたBBAに掛かるとこんなヒドイ事言われちゃうんですよーう。
まあ、男の人(永遠の中2男子達)にはずっと1人の女性を思い続けるお伽話に感じるんでしょうなぁ。
でもねー、よく言うじゃん?「男の恋愛は【名前を付けて保存】、女の恋愛は【上書き保存】」ってさ。アレ本当だからねー。あははははー。
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