事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

給与振込再考~最高?

2007-10-15 | 情宣「さかた」裏版

Sayuri 酒田支部情宣シリーズは続きます。今回は給与振込。 

前支部長から引き継ぎをうけたとき、“専門部の課題と痛み”がわかる運営にしてほしいという申し入れがありました。特に少数職種と呼ばれる養護教員部、栄養職員部、事務職員部については、その課題があまり全体の討議になって来なかったきらいがあるし、事務職員部員である私に支部長のお鉢がまわってきたのは、その意味も込められていたと思っています。とても感謝しています。ホントです。

で、その出身母体である事務職員部のことを真っ先に採りあげるのは申し訳ありませんが、実は締め切りが迫っているので、給与の口座振込制度についてまず語らせてください。
 
1988年、酒田市内の小学校で起きた現金強奪未遂事件のことは、もう知らない世代の方々も増えているのかもしれません。給与受領後、学校に帰ってきた時点で強盗に襲われた事務職員が頭部を負傷した経緯もあり、山形県も全国的にはかなり遅くはなりましたが(しかしおかげでかなりスマートな形になってはいる)給与口座振込制度が導入されました。でも実情をみると、所属によってその振込の割合にはかなりの格差があり、特に庄内はなかなか進んでいないのが現実のようです。

「そんな事件があったのなら、当の酒田地区支部がもっとリードして浸透させたらいいじゃないか」と言われそうですが、話はそう簡単ではありません。実はこの制度、組合費を天引きさせないために考案されたという不幸な出自があり、ためにこの問題を労働組合が語ることはタブーに近い雰囲気があったのです。第一、“受けとる側→事務職員以外”にとっては現金はやはり便利だし、なにより充実感(笑)があることはよくわかります。結果として県教組および県教組事務職員部は、

①端数
②寒冷地手当(導入当時は8月10日支給で、わざわざ夏季休業中に会議を組んでいたりした学校もあった)
③差額(これを振込にしていないと、年末に事務職員だけでなく、受けとる職員も出勤して来なければならない。県議会は、自民党の若手議員を中心に公務員給与に厳しい目を向けるようになっており、一時期のように12月の給与と同時期に支給されるようなパターンは望み薄)
を振込にしていく取り組みをすすめる、という一種及び腰な対応となってしまいました。そして……
【次号繰越】

Sayuri2 ※天引きさせない。
この、気の遠くなるような姑息な発想は福岡で生まれた。ここの当時の教育長がリクルート事件の旧文部省ルートで逮捕された高石某であったことは、まことにわかりやすい話。

画像は「SAYURI」 Memoirs of a Geisha(’05 米)

 いったい誰が主役の芸者役を演ずるかで、一時期日本の芸能界は騒然としていたけれど、「ラストサムライ」のキャスティングも担当した奈良橋陽子はチャン・ツィイーを選択した。

 でも、中国人が昭和初期の芸者を演ずることには意外なくらい違和感がなかった。考えてみれば、芸者、置屋、身請け、水揚げなんて世界に、今の日本でなじんでいる人間などほんの一握り。この世界全体が違和感の固まりなのだし。そんななか、置屋のおかみを演じた日本の核弾頭(笑)桃井かおりはひときわ炸裂しています。

それにしても、男性が庇護することを確約し、女性がうっとりとその胸に抱かれる……昔ならよくあるハッピーエンドだけれど、現代ではここまでの仕掛けをかまさないと成立しないわけだ。なるほどねえ。

日本~中国~マレーシアのキャストにヨー・ヨー・マの音楽。アジアオールスター映画☆☆☆★★★

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リフレッシュ特休 ~ 模倣犯

2007-10-15 | 情宣「さかた」裏版

2006_01_02_01 クミアイの支部情宣シリーズ。今回はリフレッシュ特休篇。
発行日は2002年4月12日でした。

裏版の第2号です。せっかく(笑)事務職員が支部長をやっているのですから、これから私たちの権利や賃金に関して、機会あるごとにこの裏版で特集していきます。で、今回はリフレッシュ特休篇。

前号表版でお伝えしたリフレッシュ特休については、色々と考えるところがあります。この権利は、田川の組合員が支部の定期大会で「民間会社にはリフレッシュ休暇の制度が定着してきているのに、どうして公務員にはないのか」と発言したことが契機になっています。県教組の大会でこの件が提案された時のことは、私は絶対に忘れないと思います。なぜなら、“そんなことが絶対に実現するはずがない”とばかりに場内に笑い(!)が起こったからです。

県教組という労働組合の代議員たちにして、こんな認識でした。多忙を嘆く教職員自身が、そのことを常識化して考えすぎていたのではないか、とリフレッシュ年休→リフレッシュ特休として制度化された現在、つくづくと思うのです。

また、10年に一度、職場を離れ、心身をリフレッシュしてまた職務に励むことが出来るようにしようという趣旨を考えたとき、休暇が連続していなかったり、長期休業中に取得するのでは、その意義が理解されていないと考えざるをえません。

Mohouhan5 組合にとっては、この特別休暇は【取得率】という形で完全に数値化できる珍しい権利でもあり、支部としてその状況を精査し、交渉等に役立てていきたいと考えています。私が跳ねっ返りだった頃、本部に「市町村ごとに取得率をランキングしたらどうなんだ」と提案したら「さすがにそこまでは勘弁してくれ」と、また笑いが起こってしまったのですが。 

※リフレッシュ。
音楽やスポーツをやる人なら実感できると思います。常に張りつめられたや筋肉が、いかに脆くなってしまうものなのかと。

……そしてこの号から例によって例のごとく「この1冊」を開始。読者は事務職員だけじゃないから題して
組合員へのこの1冊。
模倣犯」(上・下)宮部みゆき著 小学館刊

 これも新企画(もっとも、事務職員部長時代にやっていたことの二番煎じ)。編集方針は「なるべく学校とは関係ないところに目を向けよう」です。私は目を向けすぎですが。もっとも「1冊」と名乗るくせに、映画や音楽をとりあげることの方が多くなるはず。

Mohouhan  一発目は「模倣犯」。昨年のベストやら賞ものを総取りしたこの感動巨編をいまさら薦められても、とお思いでしょうが、その“感動”に隠れて、ミステリとしての宮部の企みがいまひとつ評価されていないような気がするのです。

 確かに感動はします。ラスト近く、退職した校長の「いい子だった。(あの子は)優しくて、いい子だったんだよ」というつぶやきは哀切だし、年老いた豆腐屋が探偵役を演ずることになる動機は史上最も説得力があります。

……ここからはネタバレになるので未読の方はご遠慮を……

しかし、一番最初の殺人の背景を全く語らずに幕をひく、というアクロバットを成功させている点で、主人公を最終章まで登場させなかった「火車」に匹敵する力作だと感服。上下巻税別各1900円はかなり痛いのですが、それだけの価値はありました。文化センターの図書館では三ヶ月待ちまでいったから、こりゃ買うしかなかったんだけれど。

コメント (2)
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「ゴジラ×メガギラス G消滅作戦」 ‘00 東宝

2007-10-15 | 邦画

Godzilla 今日もまた、7年も前のネタです。シネコンではなく、街の映画館での想い出を。今では歴史的資料みたいだけど。

「ゴジラ×メガギラス G消滅作戦」 ‘00 東宝
田中美里、谷原章介主演 手塚昌明監督

 酒田港座の駐車場は満杯。まあここは10台程度しかキャパがないのでそれは珍しいことではないのだが、封切り2日目の日曜日とはいえ、1回目の上映が始まる10分前に映画館前を全力で走る親子連れを見た時に不審に思うべきだった。

 200mほど離れた別の映画館の駐車場に車をとめ(「お父さん間に合うの?」「大丈夫だって。どうせ空いてるし」)、小3の息子と港座に入り、割引券とシネクラブの会員証を提示して計2,000円也を支払い、ドアを開けて……たまげた。超満員だったのである。んもう昭和三十年代の映画館かここは、と思うくらい。いくら映画がゴジラとはいえなぁ。

 学校に勤めている人間として何が自分の弱点なのかというと、職業人としてではなく、素の顔を生徒に晒す時にちょっと照れてしまうこと。なにしろ相手はこっちの照れなど忖度するような連中ではないのである。要するに子どもなんだから。

Miri  今までは中学校に勤めていたのだから子連れの時に自分の学校の生徒と会うことはまず無いので映画館は気楽……なわけがなくて、エッチな映画を観ているときに(もちろん一人で)、後ろの方で卒業生が小声で「あれ、堀でね~?こんだ映画も観んなんのー」と語り合っているのを聴いた時には「他人のことが言えるか!あーこれはもう2時間振り返れないんだなー」と覚悟を決めたりして肩が凝ったこともあった。

 今回は物理的に振り返ることが出来なかった。何しろ一番後ろで完全立ち見状態。今つとめている小学校の生徒(やっぱりいた)や息子は椅子と椅子の間から覗き見状態。家庭人を優先して私は息子にだけそぉ~っと最後のパイプ椅子を借りてしまった。職業人失格。生徒諸君すまん、せっかく礼儀正しく挨拶してくれたのに。

 で、ゴジラ。賭けてもいい、復活以降の作品の中ではダントツに面白かった。昆虫好きの少年が出てきた時には「あ・またガキが余計なことをして世間が大騒ぎになるいつものパターンかぁ?」と警戒したが(俺、ホントに学校に勤務してるんだろうか、子ども嫌いか?)、そいつはあっさりフェイドアウトしてくれて、田中美里扮する自衛官を中心としたプロ対プロ(ゴジラは怪獣のプロ)のドラマに集約していく構成がいい。

 その構成もそうだが、平成ガメラ3部作を経過しているくせにどうしてゴジラはこんなにつまんないんだ!との不満を多少は払拭してくれる特撮の出来。水没した渋谷の描写もなかなか。完全にミスキャストかと思っていた田中美里がちゃんと自衛官に見えるのは彼女自身の努力もあるのだろうが、時代劇や西部劇を意識した怪獣同士の対決も胸躍り、演出がかなりがんばったのだと思う。次作も楽しみだ。

「面白かったな、これ。」
「うん、20世紀最後の映画が面白くてよかったねぇ、お父さん。」
……私はジジイとでも観に来たのだろうか。

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