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さて、通勤距離の測定には3つの方法があります。
①クルマのトリップメーターによる実測。
②地図上をキルビメーターとよばれる機器をころがして計測する地味なやり方(教育事務所はこの方法をとっていました)。
③電子地図ソフトによるバーチャルな計測。
先月お伝えしたように、山形県は職員が計測した①をもとに②で確認して手当を支給してきました。ここに登場したのが③です。全国的にみると、次第に地図ソフトで得られた数字を重視する方向にすすんでいます。
ところが。
先月行われた県監査委員事務局監査において監査委員はこう指摘しています。
【通勤手当について、届出距離と認定の距離がマップファンの距離と同じであることが不自然である。】
なんだそりゃ。ネットで出た数字と届の距離が乖離していることを指摘してきたこれまでは何だったんだ。
……つまりこういうことでしょう。いかにネット計測の精度が上がったとしても、山形県はやはり「自己申告による距離を認定権者(今は学校)が確認をする」このルールは変えるつもりはないと。電子地図ソフトはあくまで最短距離を計測する補助にすぎないと監査委員は考えているわけです。
※もっとも、某教育事務所では、職員の同意があればネット計測で出た距離をそのまま認定してもかまわないと解釈しています。県内でも判断はわかれているのです。
それに、実は地図ソフトを利用して公的な作業を行うのは著作権法上問題があり、ライセンス料を支払わないで使用するのはいかがなものかという論議もあります。
さて、問題は「はたして正しい距離とは何か」。7月の給料日を待て。