娘を高校に送り、その足で向かった山形のソラリスで鑑賞。霞城セントラルには、はしご車まで出動していてびっくり。
「なんか、あったんですか?」
「訓練です訓練。」
あ、そうですか。
いくつか出来に文句もあるけれど、娘が小さいころに連れて行ったら狂喜したろうな、としみじみ。
オープニング。アメリカの田舎者一家(バックにはレイナード・スキナードの「スイートホーム・アラバマ」が流れますっ!)がピラミッド見物に訪れる。小憎たらしいガキは、母親の制止をふりきっていかにもあやうい足場にのぼり、予想どおりピラミッドに真っ逆さまに落下……結果はお楽しみに。CGアニメだからこそ観客がだまされるトリックがしこんであります。
ストーリーは、悪漢がいたいけな孤児姉妹に心をひらいて“いい人”に変わっていくという、いわばオーソドックスなもの。「クリスマス・キャロル」のスクルージよね。名前ももじったのかも。
その悪漢グルー(どこをどう聴いても吹替の笑福亭鶴瓶が頭からはなれません)が泥棒になった理由には、ほとんど自分に愛情をそそぐことのなかった母親(実はそうでもなかったあたりのオチもあり)が影響しているんだけどいまひとつ。
それに、グルーと孤児たちがどの時点で心が通い合ったか、という“スイッチ”の部分がうまく効いていないので、ラストの叙情がしみてこないのだった。おまけに“縮ませ光線”なるドラえもんもびっくりの道具を研究している場所が北海道。ジョディ・フォスターの「コンタクト」でもそうだったけど、北海道東部にはいろんな秘密基地があるんだなあ。
でも、そんなのは些末なことかも。人気を集めるのはグルーの手下?であるミニオンたち。このバナナ小僧たちのやんちゃぶりには「くそ。こんなあざといキャラに負けてたまるか」と思ってもノックアウトされてしまいました。フィギュア買うぞ。
親の世代にとっては(ひょっとしたら祖父母の世代かもしれない)70年代のヒット曲(レイナード・スキナードだけじゃなく、「コパカバーナ」をミニオンたちが踊り、最後はビージーズの「ユー・シュッド・ビー・ダンシング」何年ぶりに聴いたかなー)を使ってくれる目配りがうれしい。
ステージのPAのかたすみに『グルーレイ』(ブルーレイじゃなくて)のマークが入っているなどのサービスも満載。子どもといっしょにぜひどうぞ。