ストーブリーグの記事を熟読していると、今年の巨人の問題点が見えてくる。クルーン、エドガー、イ・ソンヨプは退団。グライシンガーも残留の線はなさそう。オビスポは日ハムに移ったので、外人の一軍枠で残るのはラミレスとゴンザレスのみ。
そうかガイジンが悪かったのか!とは当然なりはしない。なぜ彼らと契約し続けたのかの方が不思議なのだ。クルーンを最後にもってくることのリスクはプロ野球人なら誰でも感じていたはずだし、なぜ有望な日本人内野手が多いのにエドガーを獲得するかも理解できなかった。ゴンザレスはいい年と悪い年が交互にくる選手だから来年は期待できるのかな(甘いか)。
もっと不思議なのは、山口、松本、長野(そしてとれなかったけれども坂本)と、三年連続で新人王を連続受賞している球団なのに、その成果が見えてこない。つまりスカウティングと育成がうまくいっているのに、結果がついてこないのだ。
それにもまして、今年の巨人はピッチャーがいなかった。んもう本当にいなかった。不調だとか言う以前に、物理的に先発ピッチャーがいなかったのだからひどい。
山口の先発転向に失敗したのは仕方がないとしよう。しかし東野と内海以外は、藤井と朝井という緊急移籍組しか柱が存在しなかったあたり、チーム構想はどうなっていたのだろう。クライマックスシリーズの回でもふれたように、久保の復調がなかったらどうなっていたか。
うーん、遠回しな言い方になってるかな。要するに今年の巨人の最大のネックは、投手陣の整備が近視眼的になっていたことにつきる。もっとはっきり指摘すれば、尾花ピッチングコーチが退団したと同時にこんなていたらく。これが偶然でないとすれば現在のピッチングコーチに責任はあるだろう。
ところが、このオフに行われた人事では、伊原がフロント、篠塚が退団したものの、“あの”コーチは留任である。もちろん投手総合コーチとして川口が来たわけだから発言力は小さくはなるだろう。でもね、肝心要のところで甘い人事になるあたり、どうも来年もきつい争いになりそうなのであった。