つばくろ越え 価格:¥ 1,785(税込) 発売日:2009-08-22 |
幕末、経済の変容によって“特別の品”を請け負うことを生業とする飛脚が登場。伝達することなく、緊急に、通しで顧客の元へ(Amazonのお急ぎ便みたいなもの?)。
となればその品はゲンナマであることが多く、だとすれば高度な職業倫理と、身を守る技、そしてなによりも健脚をもっていなければならない……
もちろん大嘘の設定だとは思う。でも、職業柄わけありな飛脚たちが登場し、シミタツらしいクールな筆致もあって泣かせるエンディングまで突っ走る。
そうなの。この飛脚たちにしても、「青に候」と同様に卑しい街を行く孤高の騎士、私立探偵の時代劇版なのだ。やせ我慢のしかたなど、にくい。
なにより、運ばれた品を受け取った客の“それからの人生”が、飛脚たちに影響を与えずにいられないあたり、うなった。
続編を、すぐに本屋に発注しました。Amazonじゃないけど。