おそらく監督の宮藤官九郎にとって不本意であろうけれども、これって脚本をそのまま読んだ方が面白いんじゃないか?
峯田和伸(銀杏BOYZ)や遠藤ミチロウ(スターリン)など、山形県人としてはうれしいキャスティングありつつ(どんだけパンクな県なんだ)、佐藤浩市と宮崎あおいという、日本でこれ以上うまい役者はいないふたりを使いながら、どうももう一歩。
しかしセリフの面白さは例によって超一流だし、往年のパンクバンドをよみがえらせるのが、宮崎あおいの“ある行動”であるあたりのしかけもおみごと。でももう一歩。
この脚本で傑作にもっていくためには、もっとゆるやかな展開、もっと静かな瞬間を用意するべきだったと思う。それだとパンクにならない?そりゃそうだけどさあ。