事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

日本の警察 その81 「犬の掟」 佐々木譲著 新潮社

2016-02-08 | 日本の警察

その80「機龍警察 火宅」はこちら

たとえば「太陽にほえろ!」的な刑事ドラマなら、セリフなしの音楽だけで処理されそうな聞きこみの場面。この小説はまさにそこにこそ面白さがつまっている。

有能かつ一癖もふた癖もある刑事たちが、それぞれの職業的スキルを全開にして犯人を追う。実は途中で真犯人は想像がつくけれど、捜査の細部がていねいに描かれているものだから(タクシーの領収書でアリバイを確認するなど)、まったく退屈しない。

道警シリーズが活劇に走りすぎたことで生まれたのが「地層捜査」「代官山コールドケース」だと思う。その味わいを衝撃的な事件に当てはめるとこの作品になるわけだ。すばらしい。

その82「警視庁文書捜査官」につづく

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