Vol.39「コロナとマナー」はこちら。
60代後半の女性。元書道教師です。10歳年下の彼との仲を娘に邪魔されました。
テニスコートで巡り合った時、お互い結婚していました。18年以上、週2回ほど会うのが楽しみで、数年前に夫が亡くなった後は、一人暮らしの私の家でホームデートをしています。
ある日、結婚して家を出た次女がいきなり、私たちがくつろいでいる部屋に入ってきたのです。高級車がとまっていたら家に入らないでと言っておいたのに、なぜ来たのか。嫌なやつ。次女はあいさつもせず、不機嫌な顔で帰りました。
彼はショックだったようで、それからメールもあまりくれず、娘さんのために別れようとさえ言うのです。彼には家庭がありますが、私たちは約束していました。どちらかが天国に行くまでずっと、つきあっていこうって……。
もう生きる気力が湧きません。どのような気持ちで生きていけばよいでしょうか。(愛知・R子)
えーと、とりあえずわたしは
「これ、ネタじゃないの?」
と疑ってしまいました。書道教師とくればどうしたって渡辺淳一の「失楽園」のヒロイン凛子を連想するし(あ、読売もわかっているんですね。R子にしていますもの)、出会ったのがテニスコート、不倫相手は高級車に乗っていて、ずぶずぶの不倫を演じていながら天国に行くことを確信している……いますかこんな人(笑)。
ん。でも60代後半かあ。きっとこの人は80年代に毎年ユーミンのアルバムを買っていたに違いないし、そのころの感性のままいまの年齢まで来てしまったのかもしれない。きっと美人なのだとは想像できます。その美人の特典をこれまで享受してきたわけだ。
にしても単に男をひっぱりこんでいるだけなのに「ホームデート」は言い過ぎでしょ(笑)。
さて、18年間にわたって週2回のデート(というか寝てたんでしょ)を繰り返し、双方の配偶者に気づかれなかったのが本当だとすれば、これはよほど周到だったか、あるいはまわりが気づいていることに気づいていなかったかのどちらかですね。
世間というものは、定期的に未亡人の家に駐車する高級車の持ち主をいつまでも見て見ぬふりをしてくれるほど甘くはありません。あなたの夢の生活はとっくに終わっていたんですよ。そう、あなたが気づかなかっただけで。
Vol.41「コロナの怒り」につづく。