まさかこんなことになるとは思わなかったなあ。
3月下旬に妻と「ナイブズアウト」を鶴岡まちなかキネマで見て以来、およそ三カ月半ものあいだ、映画館に行かなかったのである。あろうことか鶴岡まちなかキネマ自体も閉館してしまった(上映施設としての存続を求める署名運動のサイトはこちら↓)。
原因はもちろん新型コロナウイルス感染症。三川イオンシネマは上映を再開したけれど、わたしも学校に勤務する人間として、やはり臆病にはなっている。感染したらしゃれにならない……ということでこの映画好きがこんなに長いこと映画館から遠ざかってしまった。
そこへ、妻が
「7月の12日に三川イオンシネマに行かない?」
と誘ってくる。彼女と、ドキュメンタリー映画上映に熱心なわたしの同級生の姉が友人で、監督の舞台挨拶付きの回が12日にあって、客が入らなかったら格好がつかないということらしい。
「行こう」
そんなきっかけでもなければ腰を上げることもなかったかもしれない。しかも、その映画のタイトルは
「島にて」。
あの、わたしが兼務発令をうけてリモート勤務(笑)していた飛島のお話なのだ。おまけにすでに退職した“飛島の血を受け継ぐ男”である元上司はもう見ていて
「冷静に見てられないんだよ。とにかく親戚がいっぱい出てて」
と電話までかけてきた。おーし、行くぞ三川イオンシネマ。待ってろ飛島。以下次号。