事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

「食っちゃ寝て書いて」小野寺史宣著 角川書店

2021-04-19 | 本と雑誌

作家専業で生きている中年男。彼は編集者の言う通りに書き直した作品がボツを食らい、途方に暮れる。

書くことだけで食べていくことがどれだけ大変か。この、本が売れない世の中ではなおさら。

主人公と小野寺が二重写しになるように描いてあり、最後にはみごとな仕掛けも。

どんどん生活をシンプルにする主人公には、もう生きているのかすら聞こえてこない山本昌代(大傑作「緑色の濁ったお茶あるいは幸福の散歩道」の作者)が投影されているのかなとすら。

小野寺史宣は本屋大賞候補の常連になったことでもあり、食べるに困ることはもうないのでしょうが。

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