このミステリーがすごい!篇はこちら。
さて、それではマイベスト2021、まずはミステリ篇から。
1 「壊れた世界の者たちよ」ドン・ウィンズロウ ハーパーBOOKS
2 「テスカトリポカ」佐藤究 KADOKAWA
3 「死亡通知書 暗黒者」周浩暉 ハヤカワ・ミステリ
4 「黒牢城」 米澤穂信 KADOKAWA
5 「硝子の塔の殺人」 知念実希人 実業之日本社
6 「ヨルガオ殺人事件」アンソニー・ホロヴィッツ 創元推理文庫
7 「兇人邸の殺人」今村昌弘 東京創元社
8 「見習い警官殺し」レイフ・GW・ペーション 創元推理文庫
9 「指差す標識の事例」イーアン・ペアーズ 創元推理文庫
10 「特捜部Q アサドの祈り」ユッシ・エーズラ・オールスン ハヤカワ・ミステリ
ドン・ウィンズロウと佐藤究は圧倒的だった。ウィンズロウを長いこと読んできて、ついにここまで来たのかと感慨。テスカトリポカの暴力描写は、むしろ主人公の少年の無垢さを引き立てている。おそれいりました。
「死亡通知書」は、娯楽小説の楽しさとはこれだと思い知らせてくれた。華文ミステリおそるべしである。続篇を早く訳してくださいね。
「黒牢城」の直木賞受賞はめでたい。でもニュースでは今村翔吾のことばかり騒いでいてちょっと不満。まあ、非ミステリ篇にはその今村も登場するんですけど。
ホロヴィッツはこのミス四連覇中。要するに彼の時代だということなんでしょう。今村昌弘もデビューからランキングの常連になっているのはすばらしい。年に一冊、これだけのものを提供してくれるのだからもう新人扱いは不要かも。
「見習い警官殺し」は紹介してなかったですよね。北欧ミステリのなかでも有名なシリーズ。そしてこれが最終作なんですって。おいおい。
「指差す標識の事例」は、なにより訳者がオールスターズだったのにびっくり。
特捜部Qはあと2作書くつもりらしい。しばらく死ねない。
非ミステリ篇につづく。