とてもていねいにつくられた作品であることがうれしい。上級国民と下級国民の対比、というような単純な代物ではなかった。
東京に生まれ、何不自由なく育ってきた華子(門脇麦)にもそれなりの屈託はある。
富山で必死に勉強し、慶応に入った美紀(水原希子)は、しかし学費が続かずに退学を余儀なくされる。エスカレーター式にあがってきた内部生との差はいかんともしがたい。
キャスティングがみごとだと思いました。このふたりを逆に配することだってありえたはず。水原希子はゴージャスなルックスだし、門脇麦は被害者の顔をしている。でも、このパターンじゃなきゃいけなかったんだよね。完璧なラストとは言えないけれども、納得できるエンディングはやはりこの二人が、この二人の役でなければいけなかったんでしょう。
すんごくわっるーい男を(本人はそうは思っていない)高良健吾が絶妙に。わたしは大好きな篠原ゆき子が出ていたのでそれだけで満足。だけでなく、いい映画でした。