事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

どうする家康 第46回「大坂の陣」~そして追悼山田太一

2023-12-03 | 大河ドラマ

第45回「二人のプリンス」はこちら

いよいよ、豊臣をどう潰すかの話になってくる。この時期、いちばん胃が痛かったのは調整役だった片桐且元だったに違いなく、そういえば「真田丸」では小林隆が絶妙に演じていたなと。彼のように、仕方なく豊臣から徳川に寝返る人間もいれば、逆のパターンだった石川数正(松重豊)のような人物もいる。で、この大河ではどちらも好人物として描かれている。

史実がどうだったかは別の次元の話で、確実なのはどう書いても「違うだろ!」と脚本家が批判されるのが大河ドラマの伝統だということだ。「どうする家康」も、瀬名(有村架純)を、平和を希求した人間だとしたことで古沢良太さんはそれはそれはもう批判された。

そんな事態を回避するためではなく、偉人伝を書くつもりはないとした脚本家もいる。亡くなった山田太一さんだ。

彼は「獅子の時代」を、これまでの大河とはまったく違うやり方でいいという条件で引き受けたらしい。なんか、わかりますね。敗者である会津藩士(菅原文太)と勝者である薩摩藩士(加藤剛)を対比して明治という世の中を描いて見せた。明治、という近代を描くことすら微妙だったころに。

山田さんは「ふぞろいの林檎たち」「岸辺のアルバム」で語られることが多いし、それはまっとうなことではあると思うけれども(わたしは狛江に住んでいたこともあって、岸辺のアルバムには思い入れがある)、学校を辞めていく学校事務職員をさりげなく描いた「教員室」や、わたしが最後まで戦中派である鶴田浩二への反発も捨てきれなかった「男たちの旅路」「シャツの店」、そして東京の暑さを活写した「沿線地図」を忘れて欲しくない。小説の「君を見上げて」もすばらしかったなあ。

第47回「乱世の亡霊」につづく

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「あなたの番です 劇場版」(2021 東宝)

2023-12-03 | 邦画

評判を呼んだあのドラマを映画化。第一話で、マンションの住民会に出たのが原田知世ではなくて田中圭だったら、という仮定でストーリーは進む。ドラマを見た人向けに、さまざまなサービスが用意されていてそれなりに楽しい。

ただね、この映画ははっきりと原田知世と横浜流星が主演です。田中圭はただナナちゃんナナちゃんと騒いでいるだけ(笑)。地元の米、雪若丸のCMでがんばっているので失礼だけれども。

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