第40回「君を置きて」はこちら。
怒涛の日曜日。朝から総合防災訓練。自治会のみなさんのご機嫌をうかがい、その後は廃校となったわたしが卒業した小学校跡地で、バケツリレーや土嚢づくり。午後からは……それだけではない。
ワールドシリーズでは山本が勝ち、それはいいのだけれど大谷が負傷。衆院選はご存じのとおりの結果で、放映時間が変更になった大河ドラマの真裏では日本シリーズ。やれやれ。
ここは気合いで大河でしょ。あと何回もないわけだし。
こちらも衆院選以上に熾烈な権力争い。三条天皇と道長が主導権をどちらが握るかで駆け引きがつづく。三条天皇の気持ちもわからないではない。なにしろ一条天皇の在位が25年も続いたので、自分が天皇になったのは36歳にもなってからなのだ。まあ、平成天皇と今上を考えれば若いわけですけど。
彼はやりたいこともたくさんあったろう。それを左大臣である道長に牽制されたくはない。
女性たちの方もたいしたものだ。一条天皇が亡くなったことを嘆く彰子のために、紫式部は和歌の会を開くことを提案。しかしそこには招かれざる客である清少納言がやってきて痛切なセリフを。しかも喪服を着て。
「ここはわたしが歌を詠みたくなるような場ではございませぬ」
これにはさすがの紫式部もぶち切れて、紫式部日記に
「清少納言こそ、したり顔にいみじうはべりける人」と記す。
要するに偉そうなふるまいがすぎると。対立は決定的なものになる。
先週紹介した「火口のふたり」の柄本佑と瀧内公美が、なんであたしの子を優遇してくれないのよ!ともめるあたり、しみじみとする。みなさんあの映画は傑作ですやっぱり。あ、成人映画であることはお忘れなく。
画像は古川日出男による現代語訳「紫式部日記」そんなの出てたの!?
第42回「川辺の誓い」につづく。