さて、給料日恒例の事務だよりを。07年12月号。
題して「開けてびっくり。」
明細書を見ろ!と例によってクドクド言わなくても、年に一回みなさんが必ず明細書を熟読するのが今月の給料。言うまでもなく、年末調整の結果が反映されているからです。でも手取りの部分だけ確認してそれで終わりって人も多そうだから念のために解説。
明細書の中段、「所得税」の欄が、先月までとは大幅に変わっているはず。ここがマイナス表示だと、中段は引き去りの欄だからマイナスがマイナスなので手取りがプラスに転じる道理。
どんな理屈か復習しましょう。みなさんが払う税金は、【年税額】として年単位で計算されます。でも、引き去りは毎月の給料やボーナスから例外なく行われている。これは、“まあこの人の年税額はだいたいこのぐらいだろうし、今月は○○円程度徴収しておこう”という大ざっぱな額。だから先月、扶養控除等申告書や保険料控除申告書などを提出して年末調整事務を終え、きちんとした年税額が算出されたので、その年に支払われる最後の給料→12月の給与で所得税を調節して年税額きっちりになるようにするのです。文字通り“年末”に“調整”が行われたわけ。
おれの所得税はマイナスになってないぞ!……“調整”だからそういうこともあるって。それに、先月の徴収額よりも少なかったら、プラスであってもやはり還付が行われているということなのです。
なかには運の悪い人もいて(扶養親族の異動などで)今月の徴収税額がグッと増えている人もいる。でもここは考えどころです。今月たくさん税金が返ってきたということは、要するに今まで税金をとられすぎていたわけ。だから本当は手取りが多い場合は怒らなきゃいけない。このあたりは【源泉徴収】+【年末調整】という日本だけのルールが生んだ悲喜劇かも。
さて、そうは言ってもたいがいの人は税金が返ってきている。それは、毎月さっ引かれる所得税は、先月申告書を書いてもらった保険料控除などを想定していない額でやっているから。だから年末調整といえばお金が返ってくるというイメージはあながち間違いではありません。そのため、小さい会社などでは事務がめんどうだから年末調整自体を行わないところがけっこうあり、還付したくないものだから税務署もそれを黙認しているという笑えない現実が日本にはあるのです。
ここからは事務部報を逸脱した話を。
サラリーマンであるみなさんの年税額はこれで確定しました。でも、税金についてこれでおしまいというわけではありません。税金を取り返すアクションがこれから始まるのです。
どんな人が該当するかというと……
1.住宅取得控除を受けた人
前にもお伝えしましたが、所得税から住民税へ税源移譲された結果、所得税だけではこの控除が完結しない人も出てきます(なにしろ他の控除は所得から控除されますが、この控除に限っては税額そのものから控除されるので影響がでかい)。こんな人は、市役所、町役場に行くと、来年の住民税が減免されます(該当者にはそーっと耳打ちをします)。
2.確定申告を行う人
もっともポピュラーなのが医療費控除でしょうか。今年実際に支払った(共済組合などから返ってきた給付金を差し引いた)医療費が10万円以上だった場合に控除が発生します。このあたりはプライバシーも関係するので事務職員はなかなか相談にのれませんが、「税金を取り返すぞ!」というやる気の問題でもあります。がんばってください。
画像は「PEACE BED」。ジョン・レノンが愛と平和の人でなどあるものか。狂気と絶望のロックンローラーである彼の、政治的側面を中心に描いたドキュメンタリー。財閥のお嬢様でもあるヨーコ・オノを、初めて美しいと思った。
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