4時限目はこちら。
始まりは現業部の忘年会だった(前任校で、わたしは調理員や技能士の飲みには絶対に参加していた)。会場の寿司屋に、先発隊として一人訪れる。カウンター10席だけの店、喰道楽(くいどうらく)。主人とお互いファンであるハーバーラジオの話なんかをしているうちに、キャスター(旧姓)荒生由子の結婚ネタでもりあがる。すると主人(30代後半)は、「結婚祝を届けたいなあ」と言い出す。
「お祝いって?」
「ウチでほら、寿司ケーキっての作ってるんですよ」
寿司ケーキ。それはご想像になるようなチラシ寿司にローソクがさしてあるようなものではなく(笑)、にぎり鮨を、えーと……そう、フグ刺しみたいに並べたそれはそれは豪勢なしろもの。この店の馴染みしか口にできず、わたしも写真でしか見たことはない。
「いいねえ」
「でしょ?ほら、Iさんもこの前来てくれたし、連絡とってくださいよ。」
主人は本気である。Iさんとはご存知ハーバーラジオの人気番組「庄内弁講座」に出演中のウチの学校に勤務する講師。荒生とともにレギュラーなのだ。
「そうだね。じゃあIに荒生が確実に出演する週をきいて、それで前日あたりに電話入れますよ。」
休み明けにIにその話をすると、彼はさっそくメインキャスターであり、Iの中学高校、そして大学の同級生である佐藤智也(庄内弁講座は正確には「佐藤の庄内弁講座」なのである)にメールを入れる。
佐藤キャスターからレスが返ってきたのが翌日。Iとわたしが忘年会の宴会前に湯野浜のホテルの部屋でだべっているときだった。
「今度の土曜日、荒生は来るそうですよ」
「よーし、じゃあさっそく準備すっか」
担当はこう。実行委員長は主人から任命されたわたし。
寿司屋に連絡して当日出前をするのが同姓の技能士。わたしをそのまま小さくしたルックスなので「小さいホリ」と呼ばれている。
主人はわざわざ朝イチからケーキを作り、ワインにオリジナルステッカーまで貼って小さいホリに渡す。
Iは出前されたケーキを受け取り、荒生だけには内緒にしておいて、番組内で盛り上げる……さあどうなったか。
補講2限目につづく。
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