第18回「一橋の懐」はこちら。
今回から本格的に経済の話に移る。一橋家、薩摩藩、そして幕府の財政を上向かせようと考えた人間たちのお話……と素直にはいかない。
篤太夫が考えた紙幣の発行(わたしはいつも「はじめ人間ギャートルズ」の巨石の貨幣でものごとを考えてしまいます)は新参の勘定組頭の意欲と慶喜の“信用”だけでうまくいくはずはないし、徳川幕府の内情はもうにっちもさっちもいかないところまで。
だけど薩摩は違う。ディーン・フジオカに、じゃなくて五代才助にその才覚を発揮させる余裕があり、それって薩摩が危ない商売にも手を出していたからじゃなかった?
商売(それは兵站でもある)にあまり興味のなかった慶喜が、そっち方面に意欲を示す栄一に
「やってみよ」
なのはいかにもありそうな話。そんな彼が、根腐れした農本主義の象徴のような幕府を背負うことになるわけだ。
ま、そういう小難しい話はともかく、ドラマとしてプロデューサーが朝ドラの「あさが来た」からディーン・フジオカ、玉木宏、山内圭哉、木村佳乃、そして脚本の大森美香さんを引っぱった意図はよくわかる。
大河ドラマの視聴率は近年、つねに朝ドラより5~10%(それ以上の場合もあった)下回っているわけだし、そちらの視聴者を自然に流入させようというのは当然の話。だったらいっそあのドラマの立役者だった三宅弘城、渋沢栄一だった三宅裕司、福沢諭吉の武田鉄矢を呼んだらどうなんだ……うわあ、ほんとにやりそう。
そしてわたしは提案します。このドラマのキャストのトメに、そろそろ草彅剛をもってきたらどうですか。彼の表情の陰影には、それだけの値打ちがありそう。すげー役者になったなあ。
第20回「篤太夫、青天の霹靂」につづく。
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