エニグマという第二次世界大戦期のドイツの暗号システムは、戦記物などでおなじみ。邦題にまで使われているし。この、難攻不落とまで言われたエニグマに、果たして連合国側は、どう対応したか。
クロスワードパズルが得意な、尊大な大学教授を中心に、およそ軍事的成果を見込めないような変人たちをかき集めたのである。そして、それは奏功した。しかし……
人間関係をうまく構築できない数学者、アラン・チューリングを演じたのはベネディクト・カンバーバッチ。生意気なシャーロック・ホームズを切れ味鋭く演じた「シャーロック」からのイメージキャストだろうが、もう彼しか思い浮かばないほどの演技。
彼とのちに“婚約”するジョーン・クラークはキーラ・ナイトレイ。新聞にチューリングが載せた超難解なパズルを解き、試験ではチューリング以上の速さで完成する。
ほかに、チャールズ・ダンスやマーク・ストロングなど、わたし好みの役者がいい味を出しています。
チューリングが作成した巨大なマシーンは、現代ではすっかりおなじみになった存在に近い。となれば現代社会の基礎を築いた人間としてアラン・チューリングはもっと賞賛されるべき人間なのに、なぜ知られていないのか。この「秘密」こそが映画の中心。なるほど、コンピュータにはこんな黒歴史が(あ、言っちゃった)。
それにねえ、配給したワインスタイン・カンパニーは、ご存じのようにハーヴェイ・ワインスタインのセクハラ騒ぎでえらいことになっており、なんかそっちも黒歴史なのでした。
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