「狼よさらば」特集はこちら。
作り手たちは否定しているけれども、もちろんこの「デス・ウィッシュ」は「狼よさらば」のリメイク。ただ、オリジナルと比べて徹底的に違う点がある。それは、妻と娘を暴行する男たちの存在。
「狼よさらば」では、ジェフ・ゴールドブラムたち3人に、ブロンソンは二度と会うことはない。彼は街の悪を、特定の個人ではなく、ただ悪というだけで屠っていく。
ところが「デス・ウィッシュ」において、主演ブルース・ウィリスはわざわざ3人を追いつめて殺していくのだ。これは、自警ではなくて明確に復讐であり、ハリウッド映画としてはむしろ普通。印象として陰惨さが払しょくされ、というか漂白されている。だからおよそ“問題作”にはなりえない。
じゃあつまらなかったのかといえばそんなことはなくて、ブロンソン同様にとても理性的には見えないウィリス(ジョン・マクレーン刑事だった人ですから)がアクション映画に復帰してくれたのがまずうれしい。
映画としての面白さは明らかにこちらが上。しかし、やはりビジランテキラーという特異な存在を描いた意味で、オリジナルは歴史に残るがこちらは……
ブロンソンの住む70年代のニューヨークには世界貿易センタービルが健在で、究極の暴力とはいったいなんだろうと思わせてもくれた。
あ、もうひとつリメイク版にはうれしいことが。奥さん役がごひいきエリザベス・シューなんですっ!このあたりは完全にリメイクの勝ち!(笑)
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