黒人、ユダヤ人、メキシカン、不良、そして女の子まで参加する寄せ集め少年(少女)野球チーム。プールの清掃人として酒に溺れる中年男は、マイナーリーグにいた過去を買われて監督に雇われる……
ほぼ四十年ぶりに再見。最初に見たときも、子どもたちの物語であると同時に中年の再生物語であることはもちろん気づいていたけれども、ここまで周到な話だったとは。
監督を演じたのはウォルター・マッソー。運転席でバドワイザーを開けるのはもちろん、そこに強い酒を加えるあたりの小技がうれしい。だから彼はバターメイカーという名なのに、昔の彼女の娘であるテイタム・オニールからボイラーメイカー(ビールとウィスキーのカクテル)と呼ばれたりする。
選手を徹底的にしごき上げるライバルチームのコーチはヴィック・モロー。今ではジェニファー・ジェイソン・リーのお父さんと言った方が通りがよさそう。そんなモローとゆるいマッソーを対比して……という単純な図式ではなく、マッソーもまた勝つことに執着するようになるあたりがうまい。おれはルーザーじゃないぞという意地。しかし子どもたちの顔を見て……
テイタム・オニールが例によって妙になまめかしいのがおかしい。
「もうすぐブラをつける年ごろなのよ!」
あははは。
監督はロバート・レッドフォードと組んで「白銀のレーサー」「候補者ビル・マッケイ」を撮ったマイケル・リッチー。そして脚本はビル・ランカスター。なんとバート・ランカスターの次男です。
1976年の作品。小さな役の女性キャストが、露骨にノーブラであるあたり、70年代だなあとしみじみ。あれ?おれはなんで今回はブラジャーにこだわっているんだろう。
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