……PART5はこちら。
三國連太郎が老人ホームに入っていることが報じられて、わたしのブログの、そのページへのアクセスがなぜか増えています。察するに「三國連太郎 介護」などで検索した人が多いんでしょう。ホームに入っているのは有馬稲子の方だったんだけど。
さて、彼はあの巨匠についてこう語っている。
・小津安二郎
-三國さんは小津さんの作品に出られたことは……。
三國:ないです。
-でも名声は鳴り響いていましたよね。
三國:小津さんの演出というのは、非常に行儀のいい演出だったですからね。僕たちのように独立プロ系の仕事をする人間とは、どこか肌合いが……。
-違っていた。
三國:ええ、合わなかったんじゃないでしょうか。
-小津さんの作風は端正というか、スクエアですからね。
三國:佐田くんみたいな人が……。
-ああ、佐田啓二のような人が……。
三國:好まれたんじゃないでしょうか。
……役者にアドリブを許さず、そのイントネーションまで完全に管理した小津安二郎と、奔放な三國が合うわけはない。でも、杉村春子のような不確定要素のおかげで小津の作品が豊潤になったことも確かなので、主演とは言わないが渋い脇で起用してくれても面白かったろう。
日本間の畳に近い位置にフィックスされたカメラのなかで、三國連太郎がどのような……あああやっぱり想像できない(笑)
PART7~告白的女優論につづく。
怪優伝――三國連太郎・死ぬまで演じつづけること 価格:¥ 1,785(税込) 発売日:2011-11-16 |