事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

軍師官兵衛~第十四話「引き裂かれた姉妹」

2014-04-06 | テレビ番組

Takaokasakiimg01 第十三話「小寺はまだか」はこちら

前回の視聴率は12.9%と急降下。官兵衛のテンションと視聴率は相反する数字となっております。

さて、実は今回もかなり官兵衛はハイテンションで先が思いやられる。「播磨一の戦上手」と何度もくり返されるけれども、そんな描写ありましたっけ?視聴者向けに悲劇を強調したいものだから、トップの悲哀だけがくっきりと縁取られている……

筋立ては血なまぐさい。織田軍の強さを認識した宇喜多直家(陣内孝則)のサジェストによって、毛利についた官兵衛の義兄は部下によって文字どおり首を斬られる。しかも織田信長はそんな部下は信頼できないからと皆殺し。

登場したのは尼子一族を再興したい山中鹿之介。日本史に暗いものだから、名前は知っていても何をした人なのかさっぱり。

「願わくば、我に七難八苦を与えたまえ」

はこの人のセリフだったのか。確かにこれからこのマゾい人には七難八苦が訪れるであろう。演じているのは別所哲也。朝のFMのパーソナリティとしていい感じなのだけれど、あのもみあげはどうもなあ。しかも、これだけの名言を臆面もなく紹介するというのは、わたしみたいな視聴者にはありがたいにしろ、「火宅の人」で中原中也(真田広之)が登場していきなり

「汚れちまった哀しみは

と語るのに似てちょっと恥ずかし。

毛利元就への悪口雑言がバリバリ出てくるんですけど、あの大河ドラマを観ていた人たちはどう思ったのかな。いっしょに観ていた妻は酒井若菜と中谷美紀を見て

「このメイクは(T_T)」

と絶句。あまりにも現代風ではないかと。まあ、それ言っちゃったら大河ドラマ原理主義にすぎるというものでしょうが。

しかしドラマとしてやはりちょっとしんどい。軍師として有能であるはずの官兵衛が、今回ある程度の才を見せるのは、敵方と縁戚であるからこそ先陣を切らなければならないと秀吉と竹中半兵衛の前で主張する場面のみ。相変わらずの絶叫芝居がつづくのだ。うーん。

ということで今回の視聴率はさらに下降して12%台前半と読みました。あ、わたしが哀しいのは、このドラマで最も光り輝いていた高岡早紀にも死亡フラグが立ったことです!まさかこの人が年齢を重ねてからうまくなるとは。残る楽しみは未だに秘密にされている徳川家康のキャスティングだけですか……

第十五話「播磨分断」につづく

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軍師官兵衛~第十三話「小寺はまだか」

2014-04-06 | テレビ番組

Abudekaimg01 第十二話「人質松寿丸」はこちら

前回の視聴率は15.8%と予想を少し下回った。その、官兵衛が息子を人質にさしだすことで強引に大人になり、絶叫芝居の終焉か、と思ったらむしろ官兵衛、最初からテンションあがりまくり。

“恋する”秀吉がついに播磨に進軍してくれたことに、あろうことか姫路城をそのまま進呈するというとてつもない策に出る。その礼に義兄弟の誓詞を受け取った官兵衛はますますハイテンション。その姿に妻や家来は不安を……

実はアップがこんなに遅くなったのは、例によって日曜午後8時に気を失っていたからです。起きたらもう9時をすぎてました。ということでまたもや土曜の再放送のご厄介に。でも土曜は勤務日だ、どうしよう……さーすが不良学校事務職員。昼休みもなくずーっと勤務しつづけ、午後1時05分から1時50分まで休憩休息(笑)

官兵衛がまだまだ未熟である分、竹中半兵衛の冷静さが際立つ回だった。まあ、それがテーマだったんだろうが。

「なにを、なさっておる」

城門に立つ半兵衛に下から職隆(柴田恭兵)がたずねる。

「この城を、どうやれば落とせるかと考えておりました」

ちから押しではむずかしく、調略で落とすしかないと。しかし黒田家の結束も固いのでそれもむずかしいのであろうと。喜んだ職隆が

「ところで、そなたはどなたでござる」

いいですな、この感じ。「あぶ刑事」での鷹山&大下のかけあいに近い。

同様に、谷原章介扮する竹中半兵衛の、秀吉にもらった誓詞を燃やすあたりのクールさもいい。目を覚ませ後輩、目を覚ませ軍師よ、というわけだ。

石山本願寺を攻めあぐむ荒木村重と高山右近。信長は鉄甲船に大砲をのせて銀星会、じゃなかった毛利水軍を蹴散らし、本願寺を兵糧攻めにせよと命ずる。奇策であると同時に門徒を根絶やしにしろという激しさに村重は息をのむ。

毛利水軍を鉄甲船で打ち破る発想はすばらしいけれど、なにを言ってるんです。当時からあのあたりには潜水艦まであったんですよ!あ、これは島田荘司(広島県人)の「星籠の海」のネタでした。

一方、長浜城で人質となっている松寿丸は、身体の大きな少年たちと剣術のお稽古。加藤清正と福島正則。なんか、大物続々登場です。

いきなり咳き込み、手のひらに喀血という、わかりやすすぎる死亡フラグが立った半兵衛のアドバイスをもとに、秀吉と会うことを渋る政職に、ある奸計を使って対面させる官兵衛。こういう展開に最初からもってってくれたら。

もうこの回の視聴率は出ております。官兵衛のテンションと視聴率は反比例するという法則を発見。

第十四話「引き裂かれる姉妹」につづく

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ガリレオを全部観る 06 夢想る(ゆめみる)

2014-04-04 | ミステリ

4393c928s 05「絞殺る」はこちら

かなり複雑な回だ。ある若い男が

「会いに来て……部屋の窓を開けておくわ」

という“声”に導かれ、ある屋敷の二階によじ登る。部屋に寝ていたのはその家の一人娘。確かに窓の鍵は開いていた。ベッドで眠る娘に近づく男。そこへ娘の母が現れ、男を銃で撃つ。負傷した男は窓から逃げ去っていく……

若者、坂木を演じるのは新井浩文。娘はなんと堀北真希。発砲したのは手塚理美という豪華版。坂木は内海刑事の幼なじみであり、職業はなんと占い師。水瓶を使った彼の占いは相当にうさんくさい。

というか「こんなのホントなわけないだろ」と占い師自身がネタを割っちゃってます。彼の店の名前は「モリサキレミの占いの館」。堀北の名前も森崎礼美。しかも若者は小学校の卒業文集に幼い字で「ぼくの夢はモリサキレミと結婚すること」と書いている。その当時、森崎礼美は生まれてもいないのに。

冒頭の「会いに来て」は、占い用の水瓶に浮かんだ文字だった。なぜ水の上に字が浮かぶのかの謎は、思いのほかあっさりと解決。炭水化物の上に油で描く、つまりオブラートに油性ペンで書くという単純なもの。確かに、シンプルなトリックでなければ犯人像と背反してしまう。

「三角おやねがありました しゅろの木にょきにょき生えてきて 二匹のかいじゅうガオーガオー」

幼いときに内海と坂木がある人物に教えられた歌にヒントはあった(東野はマザーグースを意識したはず)。犯人の動機や、その昔にどんなドラマがあったかを想像させる結末はなかなかいい。計算式を湯川が書き殴るのは水滴のついたパトカーの窓。「バルカン超特急」です(笑)

「科学者は決して人間嫌いではない。ニュートンがそうであるように。ガリレオがそうであるように」

世慣れない、人間嫌いに見える科学者の方が、人の心の邪悪さを理解していた結末。でもたったひとつ、閉じ込められた船底から携帯を放り投げてメールを送ろうとがんばるシーンは、味はあったけれども(変人ガリレオの献身だ)、それどういうことなのかさっぱり。これでもわたしスマホ使ってますけど。

07「予知る」につづく

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ガリレオを全部観る 05 「絞殺る(しめる)」

2014-04-03 | ミステリ

Oogoandfukuyamaimg01 04 「壊死る」はこちら

密室殺人である。本格である。ミステリファンとしては気合いが入るのである。

ミステリにおいて密室が特別な意味を持つのは、推理作家にとって、一種の宿題のようなものだから。共通の課題でどれだけ自分の色が出せるか、創作意欲をかきたてられるのだろう。ただし、密室殺人はとても微妙な問題をはらんでいる。それは

「なぜ殺人が密室で行われなければならないか」

の理由づけがむずかしいのだ。そりゃそうでしょう?現代の警察が、完全な密室であることで特定の容疑者を除外するとはとても思えない。

今回のケースはしかしちょっと変わっている。

・舞台は古いホテル(オートロックではないことが重要)

・窓ははめ込み

・被害者がいた部屋の前で電気工事が行われており、被害者以外に出入りがなかったと複数の人間が証言している

・向かいのビルから、事件が起こったと思われる時間に“火の玉”が見えた

・容疑者である被害者の妻(水野美紀)は、その時刻に移動に3時間はかかる場所で買い物をしていた

……さあ湯川はこの謎をどう解くか。絞殺された被害者の首に擦過傷があったこと、火の玉の存在、そして被害者がアーチェリーをやっていたことからある仮説をたてる。この密室“殺人”において、“犯人”は必ずしも密室を意図していたわけではないことがわかる。

犯人の動機はおよそ納得できないものだが、ひとりの登場人物によってこのドラマは違った展開を見せる。ぜんそくのために転地療養している被害者の娘はこう語る。

「お前のため、お前のため、って言われて育った子どもは、あたしみたいにひねくれる」

湯川はこう返す

「貧乏な家庭に育ったからといってひねくれて育つとはかぎらない。ぼくがいい例だ」

反証とはとても思えないあんたが言うか(笑)。しかしひねくれものたちの連帯にグッとくる。家族とは、結婚とはなにかを問う回。ささえたのは、娘役を演じた大後寿々花でした。さーすがセクシーボイス!

06「夢想る」につづく

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ガリレオを全部観る 04 「壊死る(くさる)」

2014-04-02 | ミステリ

Aoisoraimg01 03「騒霊ぐ」はこちら

豪邸にある室内プールで、若く美しい女性(現役AV女優の蒼井そら)が泳いでいる。そこへ黒服の長身の男が現れ、ある道具を水に入れる……

翌朝、女性は死体で発見される。水泳中の心臓麻痺と思われた。

「うちにプールなんかなかったら……うちは貧乏でよかった」

と内海。

「貧乏人は風呂で溺れるんだよ」

と先輩刑事の品川佑。そりゃまあ、あんたは山野愛子の孫だから豪邸やプールには慣れっこでしょうが。

しかしその死体は皮膚の一部だけが壊死していた。それはなぜか。黒服の男はなんと香取慎吾。彼も物理学を志す大学院生であり、湯川の講演に感激し、湯川も有能な院生の存在を頼もしく思う。

だが、その青年の心には邪悪なものが潜んでいた。まるで壊死しているかのように。

「湯川先生は、海外で研究をするつもりはないんですか」

と質問。

「日本は、科学者が正当な評価をうけていないと思うんです」

だから軍事産業に就き、誰も想像さえしたことのない武器をつくりたいと。冒頭の道具は、そのプレゼン用であり、殺人もまたプレゼンテーションだったのである。人間は計算式のようには美しくないとする科学者の傲慢さ。

「ひとり殺せば犯罪者。十万人殺す兵器を考えれば英雄です

「殺人狂時代」におけるチャップリンの引用。このツールは超音波発射装置で、水中で発射すると気泡が発生する。その気泡が消滅する際に身体が壊死すると湯川は喝破する。しかし単に真相を究明するだけでなく、わずかな期間でそれ以上の兵器を設計してみせる。

「ぼくなら痣も残さない」

ヒューマニズムではなく、殺人者としても優秀なところを見せ、後進を圧倒するガリレオ。この結末はなかなか。

なぜかこのエピソードだけは再放送されない模様。理由は……さっぱりわからない。

05「絞殺る」につづく

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今月の名言2014年3月号~肝機能

2014-04-01 | 健康・病気

Hayashibanaokoimg01_2 2014年2月号「本当に酷うございました」はこちら

「もともと酒好きだったけど、不倫してから、バーボンのボトルを大量に飲むようになったんです。1日1本飲めば、楽に死ねるんじゃないかなって思って…」

「私、あの頃は肝機能数値の『γ-GTP』が1200を超えてたんです(成人女性の正常値は10~30)。でも全然つらくなかった。」

……林葉直子の発言。46才の彼女は現在末期の肝硬変だという。遺書に該当するような著書を刊行する宣伝だと思われるあたりがこの人の“生きるのがヘタ”なところ。当時の不倫相手の

「突撃しまーす」

は希代の名言だった。将棋の世界はよくわからん。にしても、γ-GTPが1200って……毎年自分の健康診断の結果を公開しているわたしだけど、マジでおそれいりました。そしてつくづく思う。あの数値が1200でも生きていられるんじゃん。わたしの68なんて子どもみたいなもんだ。突撃しまーす!

「楽観はしないが、悲観することもない。日中の絆は意外に深い」

中国において爆発的な人気を誇った山口百恵の赤いシリーズで、父親役を演じていた宇津井健の死は、役名である大島茂の死去という形で中国で大きく報じられたという。北京の(あの)読売の記者は、知日派の友人の発言をこう伝えた。冷静な報道はこの会社でもまだ生きている。

近ごろのオヤジ向け週刊誌の広告はすごいですよ。韓国と中国がいまにも攻めてきそうだと煽っている。特に、韓国の朴槿恵大統領の扱いはとてつもない。各誌がいうように、彼女は無能で反日むき出しでとんでもない政治家なのかもしれない。しかしそんな報道(なのか)の結果として残るのは、ハードライナーとしての舌足らずな自国の首相を下支えしている事実だ。世間の気分とは、このように醸成されるのだと納得。他国が悪いと思えば、自国の空虚さに目をつぶっていられるものな。

2014年4月号~球春到来につづく

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