事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

どうする家康 第23回「瀬名、覚醒」

2023-06-18 | 大河ドラマ

第22回「設楽ヶ原の戦い」はこちら

いよいよ、築山殿と信康の不幸がスタート。どう考えても視聴者がどん引きするはずなので、そこをどうクリアするかが古沢脚本の正念場だ。

信長の娘であり、家康と瀬名(築山殿)の息子である信康の妻、五徳は父の命令で松平家を徹底的にさぐる。そして瀬名と武田家が通じていることを知った信長は……

一気にその話に行くと思ったら、前段があった。家康の叔父である水野信元(寺島進)が生け贄になる。実は武田側に兵糧をまわしていたことが糾弾される。でもそれ

「みんなやってることじゃないか」

と信元は逆ギレする。そうなんだ。

そのことも含めて、信長は把握している。で、おれはすべて知っているんだぞという意味で信元を家康に排除させる。お前の妻がなにか画策していることへの警告。

周到だなあ。

わたしは、信元が切腹を強いられたときに、介錯にリリー・フランキーを選んだことがうまいと思った。きっと介錯するときに、あいつは臆病者だから目をつぶるに違いないと判断し、そして……

昨日のスナックラジオで

「どの段階でセックスのときにコンドームをつけるか」

を大爆笑で語っていた男が、翌日に自分の妻であり、家康の母である松嶋菜々子に

「隠居する」

と語る振れ幅の大きさにしみじみ。つくづくいいですよねリリー・フランキー。

そして家康の新しい側室に広瀬アリス登場。この人はねえ、あまりにも艶めかしいものだから、米澤穂信原作の映画「氷菓」にでたときは違和感ありありでしたが(あんな高校生いるわけない)、今回の役柄は納得(笑)。わたし、気にならないです。

第24回「築山に集え!」につづく

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「トーキョー・キル」Tokyo Kill バリー・ランセット著 集英社

2023-06-17 | ミステリ

前作「ジャパンタウン」で、日本のある地方に暗殺者の村があるというとんでもない設定で笑わせていただいた私立探偵ジム・ブローディのシリーズ第2弾。今回は、第二次世界大戦中に中国でなにごとかを行った年寄りたちが次々に殺されていくというお話。

舞台が日本で、探偵がアメリカ人、そこに中国が關係してくるあたり、前作同様に楽しめる。ちょっとネタバレだけど、真犯人の邪悪さは比類がない。

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玉ねぎ

2023-06-16 | 日記・エッセイ・コラム

「アヤメだか菖蒲だか」はこちら

「みなさんご存じですか。玉ねぎはこうやって田舎では保存します」

「伍長、奥様との共同作業ごくろうさまでした」

「親父がしゃしゃり出てくる前にやんなきゃ」

「しゃしゃり出るって、てんとう虫のサンバ以来です」

……わたしは毎年思っている。なんで一気に玉ねぎを収穫するんだと。少しずつ穫ればいいんじゃないかと。

違うんだね。葉が倒れてから一週間後が適期なんだ。知らなかった。ごめんよ親父。

てんとう虫のサンバは今でも披露宴の定番なんだろうか。

“くーちづけせよとはやしたて”

と延々とリフレイン。仕方なく新郎新婦がキス……ないよね今は(笑)

すいません。告白します。チェリッシュのえっちゃん(松崎悦子)のことが、わたしは好きでした。

父の日篇につづく

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「魔の山」The Goodbye Man 「ファイナル・ツイスト」Final Twist ジェフリー・ディーヴァー著 文藝春秋

2023-06-16 | ミステリ

ネヴァー・ゲーム」につづく、懸賞金ハンター、コルター・ショウものの第2作と第3作。ここまでで第1期が完結。

1作目がわたしはどうも合わなかったのだが、どんどん面白くなっています。

行方不明の人間を探し出して懸賞金をうけとるという、ほんとにそんな商売が成り立つのかなと思いながらも、あらゆる手段を駆使して目的を達成するコルター。そして彼自身も、兄の行方を捜しているのだが……

常に確率を意識して行動する冷静さ、兄につらい思いをさせたのではないかと後悔する繊細さが同居するコルターにどんどんひきこまれていきます。読者の予想を常に裏切るディーヴァーの腕前はあいかわらず。

さて、つぎはリンカーン・ライムの新作にとりかかりましょうか。

「ハンティング・タイム」につづく

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神主はつらいよ その2

2023-06-15 | うんちく・小ネタ

034A 吉田拓郎&上岡龍太郎 「告白!あの時の僕は」

その1はこちら

大きな神社の宮司の収入は2000万円から3000万円、しかし小さな神社の宮司は200万円から300万円に過ぎない。

それでもいい方で、8割方は年収100万円以下。新井さんは13の神社の宮司を兼務しているから恵まれているようだが、とにかく忙しくてしんどいのだそうだ。

そういえば、うちの神社の宮司さんも、たくさん兼務しているものだから、お祭りの日など、30分単位で各社を移動している。まるで売れっ子アイドル並み。

収入が少ないものだから、忙しいのに他の職業と兼務している人が多いとか。そういえば、教員には神職や僧職である人がけっこう多い。あれも、食えないからだったのかなあ。

さて、神社のルールを、きちんと教わっていない人も多いと思う。わたしも知らなかったのは……

・神社の鳥居は玄関。だから必ずその下を通って社へ向かうこと

・参道の中央は歩かず、どちらかに寄ること

・神主さんのランクは、袴の色によって一目瞭然

・字が汚い神主さんにとって、御朱印は苦痛

・ぶきっちょな神主さんにとって、紙垂(しで……稲妻をイメージしているそう)を折るのも苦痛。

・天然の榊(さかき)の木は、病気がつきやすいなど管理がたいへん。

・賽銭とは、穢れを払う行為。だから賽銭泥棒とは穢れを一手に引き受けるということ。また、賽銭泥棒は少額の被害であることが多いので、警察に通報しないことが多い。むしろ賽銭箱を破壊されることのほうが痛手。

・お守りの効力は、せいぜい1年。

あー勉強になった。神主さんは確かにつらい職業のようだ。これからはもっと心をこめて二礼二拍手一礼することにしよう。

本日の1曲、というかこれほど面白いバラエティはないなという番組。吉田拓郎と上岡龍太郎の対談。お互いが信頼し合える相手だと理解できる過程がすばらしい。

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「神主はつらいよ」新井俊邦著 自由国民社

2023-06-14 | うんちく・小ネタ

一般の方々は、いったいどれだけ神社に赴くのだろう。お正月に初詣に行ったきり、という人が多いのではないだろうか。というのも、日本人の生活から神社はどんどん遠のいてしまっているのだ。

・地鎮祭

・神前結婚式

・七五三詣で

あなた、近ごろこれらを経験しました?

わたしは、自治会の役員だから否応なしに近所の稲荷神社で行われる

・春のお祭り

・御歳夜(おとしや……なんだそれ、と思ったでしょ)

・初午(はつうま……もっとなんだそれ、と思ったでしょ)

に参加しているので、関わりは深いほうではないかしら。神主さんとも顔なじみになっているし。しかし、その神主さんの生活がいったいどのようなものなのか、わたしはさっぱり知らないのでした。

そんな疑問に明快に答えてくれるのがこの「神主はつらいよ」だ。著者は会社員を辞めて家業である神主を継いだ人。お父さんが突然倒れてしまい、仕方なく継がざるをえなかったのだとか。自分も神主をやるとは考えていなかったし、奥さんも猛反対。

「14の神社の宮司になるんだから、1社の宮司よりも、14倍の年収だよ!」

奥さんを説得するために放った彼のことばだが、実は大嘘である。神主とは、何はともあれ“食えない”商売なのだった。以下次号

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明細書を見ろ!2023年6月児童手当号 異次元Ⅱ

2023-06-13 | 明細書を見ろ!(事務だより)

3:03 PM

2023年2月児童手当号「異次元」はこちら

ここにきて児童手当関係のネタがたいそう報道されています。その内容は

・所得制限を撤廃。

・第3子以降は月額3万円にする。

・支給対象を高校生まで広げる。

これらを2024年度中に実現することを政府はめざしているとか。少子化対策として十分かはともかく、現金給付という形の支援が日本は少ないので、朗報ではあります。

これまで何度も所得制限をもうけることに異議を申し立ててきましたが(どれだけムダな事務をさせられてきたか)、話はシンプルなのです。所得制限を超えるような富裕層からは、税金をたっぷりいただけばいいだけです。

ところが。

対象を高校生にまで広げる財源のひとつに、高校生を対象とした扶養控除を“見直す”という案が浮上しているようです。

これはいくらなんでも筋の悪い話ではないでしょうか。

現行制度では、16歳以上19歳未満の子どもを扶養する場合に所得額から「扶養控除」として1人につき38万円が控除されています。これをなくすということは、まさしく子育て真っ最中の層に、増税という形で負担を強いることになるわけです。

異次元の少子化対策という言葉が、ますます虚ろに聞こえてきます。ということで、本日のあなたへの支給額は0,000円です。

現実の事務だよりでは「熊」をあつかいましたが、ブログは本日の1曲でいきましょう。えーと、子どもがからむ曲かあ……思いつかないので生徒がお昼の放送で流していた曲を。

しゃろう。知らなかったなあ。そういえば大昔に「なんじゃこりゃあ!」とびっくりしたのがスピッツの「ロビンソン」でした。やるなあ各校の放送委員会。

2023年10月児童手当号「異次元Ⅲ」につづく

 

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どうする家康 第22回「設楽ヶ原の戦い」

2023-06-11 | 大河ドラマ

第21回「長篠を救え!」はこちら

したらがはら、って読むんですね。長篠の戦いの別名。実際に戦いがあったのは長篠より設楽ヶ原じゃないかという意味合いのタイトルなんだろうか。

古沢さんのこだわりはどうあれ、視聴者としては長篠の合戦として誰もがとらえる。武田家が滅びる象徴だから。

今回の大河ほど武田勝頼が実力者としてあつかわれた物語はなかったと思う。彼はこれまでの戦国武将としては抜きん出ていたと。だけれども、長篠の戦いからは、合戦の意味合いが違っていたというお話。それが彼の悲劇だった。

前にも言ったけれども、長篠の戦いでいちばん印象深いのは黒澤明の映画「影武者」だ。織田が繰り出す鉄砲によって騎馬軍団が次々に屠られていくスローモーションのシーンは忘れられない。黒澤が、とにかく馬を用意しろと主張した意味がよくわかる。

勝頼を演じたあの映画の萩原健一、そして平岳大、今回の眞栄田郷敦は有能な人間だったけれども、ゲームのルールがこの合戦から違ってしまったのは歴史が証明している。

勇壮なサムライはもういらない。統制のとれた鉄砲撃ちがいれば勝てるんだと。だからこそ信長は思う。自分にとっていちばんの脅威は誰かと。

立川談春は常識的に答える

「北条、上杉、伊達……」

無能な部下に信長は容赦ない。

「お前は誰だと思う」

秀吉(ムロツヨシ)は

「猿ごときには……」

家康のことをおそらく信長は本当に脅威だと思っていたはず。それはこの後の悲劇が証明している。

第23回「瀬名、覚醒」につづく

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もう一度「茶飲友達」

2023-06-10 | 邦画

その1はこちら

この映画は正解も正義も示さない。なにしろマナは、常に正しいことを求める母親に反駁してこの世界に飛び込んだようなものなのだ。その母親からの逃避が、ティーフレンドという組織を疑似家族にしているという設定。

だからマナは過剰なまでに“家族”を維持しようとする。けれども、どこか彼女の言葉は軽いし、嘘くさく響く。

この作品でただひとりメジャーな俳優である渡辺哲は、妻を亡くした孤独な老人の役。彼はティーフレンドの女性と関わることで生活に張りを取り戻していく

女性たちもまた、介護や、ギャンブル依存症などからほんの少し目を背けることができている。スタッフの若者たちもまた、中途半端な生き方であることを承知しながら、自堕落さからかろうじて逃れている……ように見える。セックスを介在させて、誰もがウインウインな状況にいる……ようにも見える。しかし。

顧問弁護士まで用意して、会員数1000人を突破するなど、ビジネスとして成功しているティーフレンド。これ、実話がもとになっているらしいけれども、現実には組織暴力関係が黙っていないだろうし、警察だってバカじゃない。もっとダークに描くこともできただろうが、この映画の主眼はそういうことでもない。売春を賞揚も批判もしないあたりが勘所なのだろう。

単館での公開だったのに毎回満員札止め。ということで徐々に拡大公開されたというのは、同じ会社がつくった「カメラを止めるな!」の展開に近い。ほぼ半分がファックシーンである映画に、高齢者たちが駆けつけたのもうなずける。年寄りたちだって、枯れてばかりいるわけではない。

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「茶飲友達」(2022 イーチタイム)

2023-06-08 | 邦画

雨の土曜日。ある理由で妻が留守なので、このままお布団のなかでグズグズしていようか……いやいやそんなことではいかん。動け、俺

実はまたしても「RRR」を見ようと思っていたけれど、どうにも時間が合わない。えーと今から鶴岡まちなかキネマに向かって都合がいいのは……

「茶飲友達」

まったく知らない映画です。内容をチェックすると、高齢者向け売春組織のお話なのだという。

「…………」急げ!俺

その売春組織のやり方はこうだ。メジャーな新聞に「茶飲友達募集」という広告を載せ、連絡をくれた客に「煎茶コース(デートだけ)」「玉露コース(セックスを提供)」を選択させるというもの。

ワゴン車での送迎、現金のやりとり、ランキング付けで競わせるマネジメントなど、オーソドックスな売春組織である。いや知らないけど。代表が若い女性であることと、顧客も売春婦たちも高齢であることをのぞけば。

その、若き代表であるマナ(岡本玲)は、スーパーで半額落ちのおむすびを万引きする女性、松子(磯西真喜)を見かける。マナは機転を利かせて店員の注意をそらす。

マナは言う。

「“うち”に来れば、変われる」

人生に絶望していた松子は、その組織「ティーフレンド」で頭角を現わしていく。以下次号

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