散歩日記X

札幌を中心に活動しています。食べ歩き・飲み歩き・ギャラリー巡り・読書の記録など

なぜか北九州(4) 屋台敗北

2015年09月17日 23時16分13秒 | 飲み歩き・道外(東京以外)
博多に来たのだから屋台行けよ、という話は当然あるだろうが、普通の屋台よりも行きたいのは屋台バーなのであった。そう思って1軒目は焼鳥屋さんに行き、いよいよである。



し、しかしだな、店が見つからないのだ。場所は間違いないはずなので、夕方結構降った雨のせいだったのだろうか(今、検索してみると悪天候時は休みらしい。それほどの悪天候でもなかったが…)。

ま、無いものはないのだからしょうがない。切り替えて博多の老舗バー「N」へ。こちらも創業50年をはるかに越える、クラシックなバーである。



最初はのどが渇き何となくモスコミュールから。バーテンダーの方と少し話をするうちに、「やはり飲んでみますか」ということで、ニッカの博多(限定発売)を注文。ヴァッテッドモルトということなので、余市と宮城峡のヴァッテッドなのだろうが、余市の重々しさよりはもう少し華やかに、宮城峡の軽さ(私の好みでは軽い)よりは味わい深くと、いいとこどりに仕上がっているような気がした。おそらく、黙って出されたら「サントリーでしょ」と私は言ったに違いない。



3杯目はバランタイン12年+ベルモット+ピコン+マラスキーノの実に私好みのカクテル。遠目にボトルを見て「最後に入れたのはマラスキーノですか」と言ったら当たったので、ちょっと通っぽかったかも。



初日だし、この位の酒量で良いのではなかろうか。この店で特筆すべきは年配の夫婦客が多いことであった。さすがに家族経営の老舗とあって、安心してくることができる店なのだろう。

外はちょうど良い気温の中、ぶらぶらと歩いて帰る。途中の櫛田神社で山笠を見て、おみくじを引く。

  

おみくじなど金輪際信じていないのだが、来訪記念というところか。

コンビニで夜食を購入。久留米のローカルアイス「おいももなか」はさつまいもアイスにさつまいも餡入り。結構旨い。

 



チーチクに黒霧島水割り。少々飲み過ぎて就寝。


なぜか北九州(3) 博多の焼鳥

2015年09月17日 19時05分34秒 | 飲み歩き・道外(東京以外)
博多に来たのだから屋台という考え方もあったが、別の狙いもあったため、博多の焼鳥を食べられる「N」本店へ。創業50年を越える、大衆焼鳥店というところか。

席に座り久しぶりのビール。ちょっと発熱していたせいもあり、114時間ぶり(くらい)に飲む酒は実に旨い。通しは鶏皮ポン酢とキャベツ。このキャベツに酢タレをかけてつまむのが定番なのだとか。



一体どう注文していいのか分からないので、素直に店の人に聞くと、寿司ネタのように置いてある串をさしつつ「これとか、これとか」と人気の品を教えてくれた。



その流れで「どこから来たの」と言われ「札幌です」というと、「いやーよく来たね」と社長らしき人に握手されてしまった。隣のご夫婦も東京から来たらしかったが、こういうときの北海道人気は絶大なのである。そうこうしているうちに、注文したやきとりが到着し始めた。

まずはレバ、豚バラ、皮。味付けは基本が塩の模様(レバはタレでお願いした)。それをキャベツの皿に乗せて出してくれる。やきとりと言っても、品ぞろえは鶏以外の方が多いくらい。串で肉の間に入っているのは玉ねぎなので、北海道人の私にも違和感がない。

 

続いて砂ずり(砂肝のこと)、鳥ミンチボール。普段歯ごたえのみが特徴に思える砂ずりだが、肉汁の出てくるいい焼き加減。ソフトなミンチボールもいい。

 

ここでぬか漬けで一休み。こちらは漬物と言うとぬか漬けが多かったような気がする。しかも、実に旨い。



さらにしし唐のバラ巻、白モツ(大腸と直腸があり、これは大腸の方)と変化を交えつつ、手羽先でフィニッシュ。ちなみに手羽先はあらかじめ骨が抜いてあり、食べやすいのだが拍子抜けという気もする。

 

活気のある大衆店、旨い焼鳥。そして途中には社長の手品も飛び出し、3回ほど握手もされたかな。実に感じのいい店であった。ここ、札幌にあったらすかさずまた行くだろうな~。


なぜか北九州(2) 福岡市美術館

2015年09月17日 17時13分28秒 | ART
大濠公園の横を通り、今回の主目的、福岡市美術館「肉筆浮世絵の世界」展へ。来年から大改修か建て替えに入るらしい、クラシックな美術館に入る。



まずは「肉筆浮世絵の世界」展だ。



さて早速見るぞと思ったのだが、この展覧会、出品目録(紙)が用意されていないんだよなあ。最近、こういう展覧会が多いような気がするが、何とかならないものなのか。出品目録は展覧会サイトにはアップされており、コスト削減は分からないでもないが、世のネットアクセス率兼プリンタ所持率をどう思っているのだろうか。特に今回の展覧会に来ていた年齢層だと、この率はそう高いとは言えないと思う。ということで、メモが適当になってしまった。

懐川堂派と言われる人々の作品が何点かあったが、いずれもファッションショーのようなスタイルで描かれていて、非常に興味深い。鈴木春信の肉筆画も珍しいように思うが、色彩の濃密度と余白の対比が非常に優れているように思った。

喜多川歌麿「雪兎図」:雪の白さと南天の赤の対比が素晴らしい。
河鍋暁斎「新富座妖怪引幕」:幅17m×高さ4mの何とも迫力のある大幕。またこれとは別に非常に丁寧な肉筆画もあり、改めて暁斎の素晴らしさを感じた。

この他、最近流行りかもしれない春画展示室がこの展覧会にもあった。作品30点(約180図)ということで、私もこれまで見たことがないような規模の展示室である。この広い空間で大の大人がしかつめらしい顔をして春画を見ているのを見ると、何となく笑えてくるのであった。

全体に誇張が極端なのでエロいというよりは面白いと思えるのだが、中で鳥文斎栄之の作品はなぜかエロかった。また春信の作品はあの特有の顔立ちのため、中性ロリというか何と言うか、そういうジャンルに思える。作者不詳の「小柴垣草子」は画がシャープなのと、途中に挟まれている花鳥画が妙に上手いのが印象的であった。

続いて常設展へ。

ラファエル・コラン「海辺にて」:作品サイズ約1000号、大きすぎて門外不出という作品だが、これは私が今回見た中でも素晴らしい作品の一つだと思う。淡い色彩で描かれた象徴主義的作品。これはいい。
藤野一友「抽象的な籠」:遠くからみても「ああ、見たことある」と思ったのだが、サンリオ文庫版のディック「ヴァリス」の表紙カバーに使われていた作品。仰向けで頭と顔をこちらに向けた女性の体がかご状になり、その空間にいろいろな人がいるという図。この人の作品は他にもあるようだが、実に見たい。
ダリ「ポルト・リガロの聖母」:見上げるような巨大作品でありながら、ダリらしさ(ち密さ)も十分にある作品。5億6千万円で購入したらしいが、北海道立近代美術館も見習えないものか。

その他、この画家の作品がここで見られるとは! と思ったのは以下。リキテンスタイン、フォートリエ、デュビュフェ、ミロ(2億9千万円で購入)、ステラ、ロスコ、イブ・クライン、ウォーホル、ケーテ・コルヴィッツ。

「吉田博展」
吉田博「渓流」:初期、具象の名作。
吉田博「神楽坂通 雨後の月」:夜の東京の水辺を描いた、実に上手い作品。

さらに仏像展示室では東光院の十二神将(平安時代9体、江戸時代3体)があり、また野々村仁清「色絵吉野山図茶壷」は形の丸みがとても良く、立派な作品であった。

ちなみにこの美術館、レストランが併設されているのだが、メニューに「おつまみセット」というのがあるのだ。大人のための美術館というか、飲んだくれのためのというか。



思った以上に時間を費やしてしまい、福岡アジア美術館に行く予定だったのだが時間切れとなってしまった。夕方、雨が降り出したが、それもあがり、地下鉄で中洲川端に移動。


なぜか北九州(1) 福岡入り

2015年09月17日 14時52分08秒 | 食べ歩き
2015年、今年の夏の旅行は北九州エリアである。また超巨編になってしまうと思うが、お付き合いいただきたい(なぜか、超巨編の旅ブログを書くたびにアクセス数が減少するのである)。

9月17日(木)から休みを取り、いきなりその朝から旅に出発。JR琴似駅に到着。少々涼しいが、実に天気がいい。



まだ通勤ラッシュ前だったようで、札幌駅からは座って移動。予定通りに新千歳空港に到着。普段は全日空のユーザーなのだが、今回は予約の関係もあり日本航空に久しぶりに乗ることとなった。



朝食は食べて来たものの、移動に6時間以上かかる。札幌→東京、東京→博多と乗り継いだ所で軽食。お茶と日高昆布佃煮のおにぎりだ。何しろ空港の食べ物は軒並み高い。



ということで、全体的には北九州市(小倉)付近に滞在したのだが、行きはまず福岡空港に到着。何度来てもこの空港は地下鉄で博多まで2駅という驚愕の立地条件が素晴らしい。地下鉄に乗ろうとすると、不安なポスターを発見。



といっても、今回、九州でも比較的治安の良くないエリアとも言われる(言われた?)場所にも行ったが、一切危険を感じるようなことはなかった。

地下鉄で天神まで行き、「NG」ホテルへチェックイン。今日はまだ混雑していない模様で、若干広めの部屋に入れて頂いた。荷物を置くのも早々に、腹が減ってホテルを出発。地下鉄半駅分ほど歩いて、赤坂の近くのうどん工房「M」へ。時間も中途半端なので、博多名物のうどんならば軽めに行けるだろうという判断だ。

店に入りメニューを見る。博多であればごぼう天か丸天か、はたまた肉うどんというのもあるだろうと考えながら、なぜかきつねうどんを注文。味おにぎりというのも旨そうだが、14時過ぎとあって自粛。



きつねとネギを乗せたうどんが到着。思ったより麺が細い。食感はというと、もう少しふわふわの柔らかめなのかと思ったが、そこまではいかない柔らかさ。当然、讃岐うどんや見た目の似ている稲庭うどんよりは柔らかいが、それでいてブツブツ切れる訳ではないなめらかさがある。

出汁はそりゃ申し分ないだろう。塩気が少ないということはないと思うが、なによりも出汁の風味を感じ、ついつい飲み進めてしまう味だ(きつねは甘めでイメージ通り)。

近くに住んでいれば、冷たいうどんやぶっかけも試してみたいものだと思いつつ、店を出た。



この先、急がねばなるまい。