散歩日記X

札幌を中心に活動しています。食べ歩き・飲み歩き・ギャラリー巡り・読書の記録など

なぜか北九州(10) 小倉の名店2

2015年09月18日 21時15分30秒 | 飲み歩き・道外(東京以外)
さて、2軒目はバーだなあ、とふらふら歩いているうちに、何ともディープな市場の入口にたどり着いてしまった。ちょっと様子を見てみるかと進入するが、当然、市場の店は開いていない。



しかし、事前に調べておいたバー「S」があるのを発見。見た感じバーというかスナックのようにも見えるため、かなり敷居が高かったのだが、酔っているので思い切って進入してみることにした。



先客は3名。「お、コイツ何もの?」という視線を浴びてしまうのはやむを得ないだろう。カウンターに座り、オーソドックスな店ならばということでジンフィズを注文。店のマダムはすんなりジンフィズを作ってくれた。



出て来たのは炭酸で爽やかというよりは、昔ながらのジンフィズである。ここで、隣のオヤジが「バーのカクテルといえば、昔はジンフィズ、マンハッタンとかなあ」と喋り出し、マダムが「あら、この人(私の事)ジンフィズ頼んだのよ」と言ったのでオヤジが焦り出した。

「いや、注文にけち付けようとしたんじゃなくて、懐かしいなあって…」とオヤジ。もちろん皮肉っている訳ではなく、私が何を頼んだか気がつかないで話し始めたような感じなので、「いやいや気にしないでください。私もクラシックなカクテルなので、いつも頼んでいる次第で…」と返事をしておいた。こんなきっかけから、マダムも焼き銀杏を出してくれて、私も徐々に店の雰囲気にもなじむことができた。



しばらくすると先客のオヤジは恐縮しつつ帰って行ったので、これはマンハッタンがいいなと注文してみることにした。登場したマンハッタンはバランタイン12年にベルモット多目、レモンジュース少々ということで、かなりイメージと違う味わいだ。



あまりウイスキーっぽすぎると、飲むのがつらい人が多かったのかな。これを飲んでいると、マダムがさらにぬか漬けを出してくれた。この旅で何度か食べたぬか漬けは非常に旨かったのだが、茗荷が入っているのがさらに嬉しい。



この店は創業56年になるらしい。本日はマダムが一人でやっていらっしゃるようだが、今調べてみるとマスターは昨年お亡くなりになったとのこと。お一人でやるならもっと小ぢんまりやられてもいいような気もするが、随分多くのフルーツを揃えて営業されているようだ。

最後にクラシックなカクテルならサイドカーかなと注文してみると、「あんた、結構強いでしょ。マティーニ飲みなさい」と強引にマティーニを出されてしまった。



常温のジンで作り、ライムピールを投入するという独自スタイルながら、このクラシックな味わいはかつての横浜「P」を思わせる味だった。私は3杯で定量となってしまったが、この店は素晴らしい店である。末長く営業を続けて欲しいと思うのであった。

帰りにコンビニで水などを購入。ホテルに戻り、大浴場でのんびり風呂に入り就寝。

なぜか北九州(9) 小倉の名店

2015年09月18日 19時45分46秒 | 飲み歩き・道外(東京以外)
小倉に戻って来て、まずはホテルにチェックイン。そこから早速居酒屋に出撃である。小倉には創業60年を越える、クラシックな居酒屋があるのだ。ごく普通の繁華街の角にその店はあった。



扉を開けるとカウンターは9割近い着席率。早く来た客だろうか、ちょうど帰る人がいたので何とか席に着くことができた。この店、2階の入れ込み座敷が素晴らしいと評判なのだが、様子を見ていると予約客しか座れないようであった。残念だ(某居酒屋探訪家があまりにも褒めるからだ!)。

今日も1杯目はビール。そして居酒屋の定番ポテトサラダ、小倉名物の鰯のじんだ煮を注文。ポテトサラダは玉子入りで手づくりの味。じんだ煮はいわゆるぬかみそ炊きのこと。酒のつまみにはもってこいだ。

 

ということで酒を福岡の九州菊に切り替え、季節の刺身盛り合わせを注文。





おお、この刺身が1000円だからね。入っているのはイカ、カンパチ?、イクラ、タコ、海老。カンパチ? と思われる魚の歯ごたえが恐ろしくいい。さらに私の好きな、少々甘い九州醤油が刺身にピッタリだ。



さらにあら炊きを注文。魚の骨の周りの肉は旨い。しばし無心で骨をしゃぶる。



最後はあらかぶの空揚げを注文。外側パリパリ、内側の白身ホクホクの味を楽しんだ。



この店のメニューは他にも鰻蒲焼、はもの湯引き、豚角煮など気になるものが満載である。周りの注文を聞いていると、今日の人気はタコ焼き、サンマ焼き(北海道の方が本場なので頼む気はしなかったが、見るからに旨そうだった)というところか。

値段も安いし、酒場の良い雰囲気に浸れる店、ぜひまた訪問したいものである(といいつつ、翌日再訪)。ちなみに翌日は2階の予約ができるかどうか聞いて見たのだが、連休開始ということもあり、無理なようであった。残念である。

なぜか北九州(8) 石と橋

2015年09月18日 16時33分43秒 | ART
さて、久留米まで来たならば、当然行かねばならないのが石橋美術館だ。美術館の一帯は石橋文化センターというエリアになっており、石橋財団の力が感じられる。

美術館の門を入ると公園のようになっており、ペリカン噴水というのがある。

 

今回の展示は「ちょっと気になる絵のまわり」と題して、ブリジストン美術館の作品を含めたコレクション展である。テーマは額縁や表装にスポットを当てたとのことである。

 

岡田三郎助「薔薇の少女」:ほの明るい画面の中に実に丁寧なタッチで少女が描かれている。
古賀春江「鳥籠」:古賀得意のいろいろなパーツを集めて構成したシュール作品。
野見山暁治「あしたの場所」:青と白の色彩を中心にした力作抽象画。

私にとってはブリジストン美術館所蔵の作品より違うものを見せて欲しいという気持ちもあるが、それはまた自分勝手というものであろう。解説に書いてある通り、ぐるっと一周してから第一室に戻ると、マティスの作品の額は実にバリエーションが豊かだ。額も観賞のポイントの一つと言えるのだろう。

熱い中、西鉄久留米駅に戻る。立ち飲み屋にも心ひかれるが、小倉までは結構時間がかかる。まずは小倉に急ごう。


なぜか北九州(7) トンコツの源流

2015年09月18日 13時20分13秒 | 食べ歩き
久留米に到着し、まずは「TH」ラーメンへ。店の前に10人ほど並んでおりちょっとがっかりしたが、まあ回転は速いだろう。と思っていたら、なかなか店内から客がでてこない。やっと出てくるのを見てうんざり。どうやら20人近くのグループが一気に入っていたみたいなのだ。それがダラダラ出てくるのだからたまらない。

ま、そこは店のせいではあるまい。その馬鹿どもが全員でてくると、俄然客の回転が良くなってきた。私も店内に入り、やっぱりこれを頼むんだろうなあと思っていた食べくらべセットを注文。一体どういうメニューかというと、一番ノーマルなラーメンと、屋台時代のこってり味、昔ラーメンのセットなのである。

 
→多分、黒い器がノーマル、白い方が昔ラーメン。

どちらも継ぎ足しながら作っている呼び戻しスープというものらしいが、昔ラーメンには豚脂を揚げたものが入っているのだとか。早速食べてみると、コッテリというよりは、むしろ食べやすいくらいの味わいである。素朴なチャーシューもいいし、少し硬めにとお願いした麺もいい。

量はハーフ&ハーフなのだが、無理すれば1杯ずつ2杯でも食べられそうな感じであった。これだと、店にもよるけどラードをたっぷり使っている北海道のラーメンの方がコッテリ(というか脂っぽい)感じがするよな。

トンコツラーメンの発祥の地は久留米と聞くが、これはなかなか満足な味わいであった。


なぜか北九州(6) そりゃ行くよ、太宰府

2015年09月18日 12時45分41秒 | ART
本日はホテルを変わるため、大きな荷物はコインロッカーに預け、西鉄天神を出発。この駅は終端ターミナル形式なので、何だか恰好がいい。電車もいろいろな種類があるが、レトロスタイルのものは落ち着く色彩だ。



私の乗る電車は少し新しい車両。最初のうちは先頭車両から前方の景色を撮影していたが、徐々に客が多くなってきたので、鉄オタ的振る舞いをやめて席に座る。

 

二日市駅で乗り換え、太宰府へ。観光地であるためそれなりに大きい駅と参道がある。私自身は神社の類にあまり興味が持てないのだが、国立博物館も近くにあるし、さすがにここには来るよね。



ぶらぶらと境内を歩く。まだ午前の早い時間とあって、それほど人はいないようである。

 



一応、記念におみくじは引いておいた。なお、太宰府にはやたらと牛の姿(臥牛)が多い。菅原道真由来らしいが、その中でもこれは200年を越える臥牛像である。



さて、次は太宰府天満宮宝物殿「天神さまへの献上品」展へ。

 

どちらかと言うと資料的価値の高いものが多いのかな。豊臣秀吉の朱印状、大内義隆の寄進状、黒田如水の書状などが展示されていた。オイオイと思ったのは、坂本龍馬所持のピストル(複製)。これって、資料的価値すらあるのかね?

さて次は九州国立博物館へ。私もついに4大国立博物館制覇である(東京、京都、奈良、九州)。

太宰府天満宮側の連絡入口は地味な感じ。「美の国日本」は次回展で、今回は常設展示のみなのである。



連絡通路はMOA美術館をほうふつとさせる、スペースファンタジーな感じ…。



そして博物館本体へ。突如山の中に現れたのは、現実感を失わせるかのような巨大博物館であった。内部も4階建てとあって、天井が高く、広い。

 

残念ながら国立博物館の常設展の割には撮影禁止であった。他の所は制限はあっても、大体撮影可能なんだけどなあ…。しょうがないので、入口の太宰府模型を載せておこう。



「伊都国王墓の鏡」:2~3世紀のもの。国宝。
宮地嶽神社「金銅製冠」:国宝。
同「緑色ガラス素材板」:国宝。昔のガラスは貴重だろう。

「観音菩薩立像」:顔美しく、姿も優美。重文。
「弥勒仏立像」:中国北魏時代の仏像。顔の形も、服の意匠も日本のものとは全く違う。重文。
国玉神社「銅製の法華経・経箱」:国宝。
来国光作「太刀」:こちらも国宝。

途中で修学旅行か見学旅行らしい小学生が大勢来たが、あまりにも博物館が広いので、少し賑やかでも誰かいてくれた方が良かったという感じだ。とは言え、展示物は充実しており、これで特別展をやっていたら、予定時間を大幅超過してしまう所だった。

博物館を出て駅に戻る途中、小腹がすいて、梅が枝餅を食べる。皮の焼けたところが非常に香ばしい。



太宰府駅に戻り、二日市を経由し、久留米へと移動。


なぜか北九州(5) 調子いい

2015年09月18日 08時31分08秒 | 食べ歩き
本日は5時過ぎに起床。6時から近所の散歩。少し涼しい感じがする位で気分がいい。結構昨日は飲んだような気がするが、丸4日以上、酒を抜いていたせいかいたって調子がいい。


→しかし、城下カレイも関さばも高いね。

部屋に戻るとサービスの新聞が届いていた。こういう時、ローカル紙だととてもうれしい。



ということで早速朝食。バイキングの朝食と和食堂で定食(但し300円加算)が食べられるということだったので、落ち着ける和食堂「M」に行くことにした。

朝定食はご飯、味噌汁(あさりに千切り生姜入り)、漬物、海苔、出汁巻き、あぶり明太子、カマス焼き、がめ煮、おきゅうと、お浸し、フルーツ。味噌汁の気の効いた作りと、じんわり辛いあぶり明太子が良かった。おきゅうとは味のしない寒天というか、きっと地元定番の食べ物なのだろう(とごまかす)。



それから、ちりめん山椒、自家製鰹のふりかけ、自家製塩昆布とこちらもそれぞれご飯1膳行けそう。



締めのコーヒーも美味かった。そういえば最初に出てきたリンゴビネガードリンクも予想外に旨かった。



ありがとう「NG」ホテル(No Goodの略ではない)。