散歩日記X

札幌を中心に活動しています。食べ歩き・飲み歩き・ギャラリー巡り・読書の記録など

春の東京(12) 月1の名物

2016年03月25日 23時24分52秒 | 食べ歩き
さて、最後に何か食べていこう。今日は3月の最終金曜日。となると、一度伺ったことがあるのだが、神田のビストロ「T」のローストビーフの日なのである。早速店に入ると、予約が入っているようではあるが、今のところ先客無し。

まずは赤ワインを注文し、おつまみとともにいただく。



前回もローストビーフは食べているので、できればもう一品と思うのだが、ご飯ものやしっかりした料理だと量が多すぎる。カニクリームコロッケが1個からの値段で書いてあるので、「1個でもいいですか?」と頼むとOKが出た。



うむ、期待通りの味だ。クリームはトロトロ、そして目立つくらいに蟹がたっぷり入っている。

そしてメインのローストビーフ登場。おそらくは今日焼き上げて、肉汁がいったん落ち着いたくらいであろう。ほんのりと温かいローストビーフはやはりいいものだ。マッシュポテトも合わせて食べ、これで十分満腹となった。





今回は金曜日の夜に札幌に帰宅することにした。土日もいようと思えばいられるのだが、疲労を蓄積すると、先に影響が出そうで怖い。ということで、神田から羽田空港に移動する。

以上で終わり、というところなのだが、羽田空港で千歳線が全線不通のニュースが飛び込んできた。気がもめながらも、飛行機に乗って千歳空港着。到着ロビーに出てみると、JRは復旧したものの、次の電車が動くのは30分くらい先のようだ。

判断に迷ったが、バスの切符購入の列に並び(100人は並んでいたと思う)、大谷地行きの切符を購入し(もうそれしかなかった)、バスに乗り込んだ。幸い、私が乗ってから5分後くらいにバスは発車し、予定通りの40分ほどで大谷地に到着。そこから地下鉄と徒歩で無事に帰宅することができた。

切符購入時に一人一人ずいぶん手間取っているようで、何やっているんだと思ったのだが、よく考えると北海道の人間以外には「大谷地」というのがどこなのかよく分からないから仕方がないのだな。大谷地から地下鉄があり、20分くらいで札幌市の中心部に到着できるという説明書きをバス会社が用意すれば良いのではなかろうか。大変不親切な気がする。あー、疲れた。

春の東京(11) バー再訪

2016年03月25日 17時35分10秒 | 飲み歩き・東京
六本木から銀座、そこから神田に移動し、昨日と同じくバー「H」へ。何より16時から開いているのが嬉しい。

1杯目は今日も爽やかにジンソニック。展覧会4連発の疲れをいやす。



次にミントリキュールのカクテルを注文すると、「昨日思いついたのがあって、けれどもベースを何にするかが決まってなく…」ということで、GET27+抹茶+レモンにウォッカ、ラム、テキーラの3種類をベースにした3杯が出来上がってしまった。



味見をした結果、テキーラが一番面白くなりそうなので、それを頂く(さすがに3杯は飲めない)。ちなみに抹茶はリキュールではなく、粉末を溶いたもの。そのため甘味が増さずに、しっかりした抹茶の風味がするのである。

最後はこれも昨日話題になった、カルヴァドスベースのアレキサンダー風カクテル。全体的にかなり甘口のカクテルだが、ベースのカルヴァドスの味が顔をのぞかせ、いい感じになった。



結構酔っぱらって、次の客も来たところで、おいとましますか。


春の東京(10) 宮川香山

2016年03月25日 15時52分36秒 | ART
サントリー美術館「没後100年 宮川香山」展へ。

「高浮彫牡丹ニ眠猫覚醒蓋付水指」:猫の耳の中まで細やかに表現されている。
「瑠璃釉高浮彫猫花瓶」:猫が金ぴかのカマキリを食べている。
「高浮彫親子熊花瓶」:花瓶にくぼみを作り、そこに親子の熊を造形。冬眠のイメージだろうか。

「黒釉高浮彫粟ニ鶉花瓶」:花瓶からウズラが実体化しようとしている。
「高浮彫桜ニ鳩飾皿」:もはや皿というより、シャドーボックス化したような作品。
「高浮彫蔦ニ扇花瓶」:花瓶の表面に扇と枯れ葉が表現されている。

「高浮彫枯蓮ニ雀花瓶」:花瓶のどてっ腹に蓮の花があり、「ベムスターかよ!」と突っ込んでしまいそう。
「釉裏紅赤雲龍文花瓶」:色彩が絶妙。私が初めて宮川香山を見たとき、立体造形というよりもフォルムと絵付けの美しさに感動したのを思い出す。
「釉裏紅暗花柳図花瓶」:釉薬の下に潜ませた柳がかすかに見える作品。

「青磁菊花紅象嵌釉花瓶」:青磁に下から「ミヨヨーン」と紅の色彩が伸び、現代アートの雰囲気。
「緑花紅花瓶」:血か花びらのように赤の色彩が舞う。これも現代アートのようだ。
「仁清意少女立像」:右足のかかとを浮かせてあるという、絶妙な少女像。

「白磁十一面観音立像」:モデルの仏像があるらしいが、素晴らしい造形力、再現力である。
「高取釉高浮彫蟹花瓶」:有名な2匹の蟹が張り付いている作品。これが展示会場の冒頭にあり、否が応でも盛り上がる。
「高浮彫桜ニ群鳩三連壺」:リクエストが強かったのか、一部作品が撮影可能なのだ。





最近は香山と言えば、花瓶に蟹がついていたりするビックリするような造形が話題になりがちだが、そもそも素晴らしい色彩と形の作品を作る人だということも、忘れていない展示で良かった。見に来た人たちは、その辺もわかってくれたかな。


春の東京(9) 勝川春章

2016年03月25日 13時54分49秒 | ART
歩いて出光美術館「勝川春章と肉筆美人画」へ。全点肉筆とあって、なかなか見ごたえがあった。

勝川春章「美人鑑賞図」:美人たちが絵画を鑑賞している構図。素晴らしい色彩と優美な雰囲気。
菱川師宣「秋草美人図」:確かに「見返り美人」の雰囲気あり。
宮川長春「四季遊楽図巻」:これは実に細やかな巻物。

稲垣つる女「人形遣図」:女性が虚無僧の人形(それがまた人間っぽい)を操るという、これまで見たこともないような不思議な画。
勝川春章「立姿美人図」:いわゆる「シュッとした」美人図。これはいい。
勝川春章「雪中傘持美人図」:着物の黒と雪の対比がいい。

勝川春章「遊女と達磨図」:ワイルドな達磨に対して、これまた美人さんだ。
勝川春章「婦人風俗十二か月 正月」:いろいろなものを描き込んで、力量がよくわかる。
喜多川歌麿「更衣美人図」:近代日本画に通じるところのある、色っぽい女性像。

正統派美人図を描く勝川春章の力量はなかなかのものであると思った。



最近、この話ばかりするが、展示のガラスケースに触ってはいけないことと、日本の絵巻物は原則的に右から見ることをわきまえてほしいものだ。小学校の美術で必ず教えるべきではなかろうか?(クソ下らない道徳なんかは置いといて)

近くの第一生命ギャラリーでは「VOCA所蔵作品展」が開催されており、なかなかいい作品が展示されていた。以下の写真は展示会場ではなく、ビルのロビーに展示されていた、鈴木星亜「絵が見る世界 11_03」。

 

もう疲れてきたが、ここで日比谷から六本木へ移動。

春の東京(8) インターメディアテク

2016年03月25日 13時22分42秒 | ART
東京駅丸の内口から南方面へ。そういえば、JPタワーに博物館があるんじゃなかったっけ。



ということで中に入ると、2・3階に「インターメディアテク JPタワー芸術文化総合ミュージアム」というのを発見した。



日本郵便株式会社と東京大学総合研究博物館が協働で運営しているとのことで、予想をはるかに上回るスケールの展示であった。写真撮影禁止なのが無念であるが、エジプト神像・ミイラの木棺、動物の骨(イルカ、カエル、魚類、鳥類、鯨、キリン、馬、マチカネワニ)、鳥類はく製、パプアニューギニアの木彫像、各種鉱石などがあり、素人目にも楽しめるが、心ある人が見るとスゴイ展示なのではなかろうか。

北海道大学の博物館を見たことがある人には、少なくともその数倍のスケールであると言っておこう。無料だし、東京駅の近くだし、時間つぶしにもってこいだが、簡単な気持ちで行ったら、とても見切れないと思う。

春の東京(7) モヤモヤモランディ

2016年03月25日 13時09分54秒 | ART
東京ステーションギャラリーの「ジョルジョ・モランディ終わりなき変奏」へ。

「静物」:ほとんどの作品が「静物」というタイトルなので、実際どれのことか分かりにくいが、最初の方にあった油彩の大きめの作品。地味だなあと思ったのだが、後の作品に比べると色彩がクッキリしているということが分かった。
「コーヒーポットのある大きな静物」:物体の表面をすべて線描の濃淡で表現している。
「静物」:三岸好太郎の「コンポジション」(青系統の色彩のやつ)を思い浮かべる。

「5つの器のある静物」:またやけに細かく描いた線描表現の版画。油彩作品との関係性がわからない。
「風景」:急に風景と建物のモチーフが登場。
「フォンダッツァ通りの中庭」:建物の上部と屋根と空。この構図はよくわかる。

「花」:そして突然花のモチーフに変わる。

全体としては、怒られるかもしれないが誰にでも描けそうな絵画という感じがする。また、非常に地味で、テーブルの上のものを描いた具象作品というよりは、形のエキスだけを抽出した抽象画と言ってもいいように思える。ずっと見ていくと、新しい形や新しい色が登場して、熱心なファンであれば微妙な変化を楽しめるのかもしれないが、初めて見る人間にとっては、相当モヤモヤした画風である。誤解が生じそうだが、「ものすごく地味な笠井誠一」というか、そんな風にも感じた。

ステーションギャラリーの階段室。

 

美術館を出ると、駅構内が見渡せる場所にでる。




春の東京(6) ザッツ雑

2016年03月25日 11時05分11秒 | 食べ歩き
6時半に軽い朝食だったので、すでに腹が減ってきた。上野から東京駅に移動し、何か食べる場所を探すが、11時前とあってままならない。八重洲方面に出てしまえば、たくさん店はあるような気もするが、何とか駅につながっている飲食店街で、店を発見。

冷たいそばにポークカレー丼(小)を合わせたセットにした。



ご飯の盛り方がちょっと雑だな。しかもこれで620円だから、駅そばというカテゴリーとしては少し寂しい気分だ。幸い、蕎麦湯はポットに入っていたが、熱々であった。


春の東京(5) カラヴァッジョ展

2016年03月25日 10時32分27秒 | ART
北海道の人間にとっては「今日は何か特別なイベントがあるのでしょうか?」と聞きたくなるような混雑の京浜東北線に乗り、上野に移動。ちなみに、品川以降はそれほどの混雑ではなかった。

上野駅構内でチケットを購入し、国立西洋美術館「カラヴァッジョ展」の行列に並ぶ。開場15分前で、そうだなあ、50番目くらいかな。天気が良く、日差しがきつくなってきたので、少し暑い。それから上野公園内は花見客なのかな、平日の朝の割には人が多い。



9時半開場し、そのまま展覧会場へ。結論から言っておくと、平日のせいか、大きめの画が多いせいもあってか、非常にスムーズに見ることができた。そして、カラヴァッジョ展の名に偽りなく、11点の作品が来ていたので満足である。



カラヴァッジョ「トカゲに噛まれる少年」:少年の顔は痛みに歪んでいるだけではなく、左右の目に段差がついており、また指も不自然な曲がり方をしている。何か病的な感じも受ける作品だ。
カラヴァッジョ「ナルキッソス」:光と闇の表現が少し見て取れる。ナルキッソスがうつる水面の方が暗く描かれている。
バルトロメオ・マンフレーディの追随者「ブドウを食べるファウヌス」:体に光が当たり、顔が暗く描かれているせいで、狂気の香りがする。

カラヴァッジョ「果物籠を持つ少年」:果物のみずみずしいリアルな描き方に対し、意図的に少年を控えめに描いた作品。
カラヴァッジョ「バッカス」:今回の白眉か。ブドウの房が髪飾りのように頭に乗ったバッカス。日本髪の女性のようでもあり、全体的に中性的で、かつなまめかしさが漂っている。赤のワイングラスをこちらに差し出す構図が、何かを訴えているかのよう。左下のデキャンタグラスの精密な描写も素晴らしい。
作者不詳「カラヴァッジョの肖像」:この肖像画は結構有名な作品かな。ワイルド、職人、チョイ悪などの言葉が思い浮かぶ顔だ。

ラ・トゥール「煙草を吸う男」:富士美術館の作品で、札幌にも来たことがあるので久しぶりに見るな。カラヴァッジョとその影響を受けた人たちが、どちらかというとドラマティック・神秘的な描き方なのに比べ、これは同じ光と影を使いながら、現実感のある作品。
カラヴァッジョ「メドゥーサ」:盾にキャンバスを貼り、そこにメドゥーサの生首を描いたという悪趣味作品。しかし、これは良いね。欲しい。
オラツィオ・ボルジャンニ「ダヴィデとゴリアテ」:体の大きさの違いと、ゴリアテの力感を表現した作品。ダヴィデの顔が必死すぎて歪んでいるのだが、ちょっとやりすぎでは。

マッシモ・スタンツィオーネ「アレクサンドリアの聖カタリナの頭部」:白く血の気のない女性の首を描いたもの。耽美というか、こういう方向の作品のはしりのように思える。
カラヴァッジョ「洗礼者聖ヨハネ」:ごく普通の青年、ヨハネである。
カラヴァッジョ「法悦のマグダラのマリア」:2014年に発見され、カラヴァッジョの真筆として認められ、展覧会では世界初公開作品なんだとか。法悦というより、顔色が悪く死の淵にいるという感じもする。背景の黒、顔の白、ひざ掛けの赤と色彩の対比がスゴイ。

タンツィオ・ダ・ヴァラッロ「長崎におけるフランシスコ会福者たちの殉教」:登場人物の顔(特に悪役)がちゃんと日本人っぽい。
カラヴァッジョ「エッケ・ホモ」:静かな人間イエスを描いた作品。ただし、左の眉がぐいっと持ち上がっているところは、行き場のない思いがあるということだろうか。

カラヴァッジョの描く聖人は、どちらかというと神秘的というよりは、一人の人間という感じに見える。「バッカス」のように謎めいた雰囲気を描くのも、あくまで神秘というよりは、それぞれの人間の複雑さを表現したものという感じがする。ある程度の作品数を見たので、人間カラヴァッジョに少しでも触れることができた思いがした。


→ブサイクな人は顔ハメ禁止。

春の東京(4) 自由時間

2016年03月25日 08時19分21秒 | 旅日記
さて、今日は仕事を休んで自由な日である。もちろん、昨日、帰ろうと思えば余裕で帰れる状況だったので、宿泊費は自費なのである。4時半に目覚め、しばしうとうと、ついに限界がきて6時起床。老人の朝である。

着替えをして、ロビー階に降りる。今回は仕事+1日なので、スーツ姿のため朝は少々面倒である。サービスの新聞を入手して、朝食会場へ。あまり混雑しているようなら、外に食べに行こうかと思ったのだが(蒲田は朝食をやっているチェーン店などがとても多い)、それほどでもなかった。

パン2個、ゆで卵、コンソメスープ、オレンジジュース、コーヒーという簡単な朝食。ま、こんなもんだろう。



食べ終わって部屋に戻り、新聞を読んだり身支度をしたり。このままいくと眠くなりそうだが、何とか8時半に出発。

 

天気もいいし、気温も東京としては低いらしいが、私には何の問題もない。