散歩日記X

札幌を中心に活動しています。食べ歩き・飲み歩き・ギャラリー巡り・読書の記録など

20170826最近読んだ本

2017年08月26日 23時12分30秒 | 読書
■「キャスターという仕事」国谷裕子

■「逃北」能町みね子
なぜか北へ旅したく(逃避したく)なってしまうというエッセイ。

■「世紀末ザコ伝説」武論尊、原哲夫
「北斗の拳」に登場するザコ共にスポットライトを当てた本。渋いザコとしては、シャチの父親、双胴の鯱を上げたい。カイオウに一杯食わすほどの、なかなかの男である。ダメザコとしては、登場時の期待の高さと、負けた時の落差が激しすぎる男、アミバ様を上げておこう。

■「HO 2017年10月号」
特集は小樽、ニセコ、岩内。

■「マンガ酒」
酒にまつわるマンガエッセイを集めた本なのだが、こういう時、えてして飲めない人が入っているというのはどうなんだろう。

■「花野に眠る」森谷明子

■「カツ丼わしづかみ食いの法則」椎名誠

■「繁栄の昭和」筒井康隆

■「ワカコ酒9」新久千映
今回1つ目の鉄火巻で飲むというのは、私も賛同したい。私の場合はつまみというよりは、締めの感じが強いけれども。

恵庭

2017年08月26日 19時47分33秒 | 飲み歩き・北海道内
苫小牧から恵庭に到着。早速、私が恵庭で愛用している店に行ってみるが、何と予約で一杯なのだとか。店が流行っているのは良いが、予約が必要になるくらいだったとは…。これまで、店が開いている限りは入れないことは無かったので、想定外だった。

しかし、そこはそれほど慌てず、もう一軒行ってみたいと思っていた居酒屋「K」へ。

扉を開けてみると、外から想像できないくらいに席があり、こちらは問題なくカウンター席を確保することができた。まずは今日の天気の中を歩いてきたのだ、ビールを注文し(ジョッキ冷え冷えだった)、通しは豚肉とキャベツの味噌味冷製、糸唐辛子乗せだ。



まずは刺身を注文。盛り合わせでとお願いすると、サーモン、アカハタ、鯛、キンメ、マグロ、タコ、ツブと豪華なのがやってきた。一番食べてみたかったので、頼んで入れてもらったアカハタは非常にいい歯ごたえ。鯛は逆に寝かせたのだろうか、しっとりした歯ざわりだ。キンメはそのちょうど間といった感じで、脂の乗りがいい。



サーモン、マグロ、タコはまあ普通だろうが、ツブのさっぱりした味を久しぶりに食べられたのは良かった。刺身には酒だろうと、名前は聞いたことがあるが、飲んだことのない紀土を注文。



落ち着いたところで、肉系統に切り替えて、豚角煮を注文。おお、汗をかいたせいか、少しコッテリした味がたまらない。肉は実に柔らかいが、味が抜けてスカスカになった感じはどこにも無く、手が止まらない美味さだ。これはご飯を頼みたいなというのも、少し頭に浮かんだことは否定できない。



次はハーフ注文が可能ということで、店名を冠した「K」ザンギ。なるほど、最初からタレがかかっているんだな。



食べてみると、「ザクッ、ジュワー」という擬音がこれだけ合うザンギもなかなか無いだろう。さっぱりと酸味のあるタレ、肉汁を蓄えた鶏、実に素晴らしいのだが、ハーフで大ザンギ3個、ちょっと多いがサービス品だと思うことにするか。

つい酒も進んでしまい、羽根屋という富山の酒を頼み、後は酒盗クリームチーズと食事代わりのコーンバターで締めることにした。





うむ、ここに来るのは予定外だったが、なかなかの店だった。



恵庭にもバーがあるのだが、日本酒2杯が効いてきた。今日は大人しく帰ることにしよう。

苫小牧

2017年08月26日 16時00分47秒 | ART
小樽から苫小牧へ移動。途中、眠くてたまらなくなるところを、千歳で乗り換えが必要なので必死で我慢。何とか無事に苫小牧に到着した。



苫小牧は快晴。もう雨は降らないだろう。

■苫小牧市美術博物館「水から未来を紡いで」。トヨタ自動車北海道株式会社創業25周年記念事業だそうだ。
アメデオ・モディリアニ「青い背景の娘」:背景が青一色ではなく、緑がちょっと入っているところにアクセントがある。
藤田嗣治「収穫(二人の人物のいる風景)」:これは藤田には珍しい画風ではないだろうか。女性の目はモディリアニに似ているところもあるし、全体としての印象は中国、またはエジプトの感じがある。
藤田嗣治「フォークを持つ少女」:よくデパート等でも見かける、少女を描いた作品。しかし、この線を一発で描く藤田はやはりすごいと思う。

ジョゼフ・マロード・ウィリアム・ターナー「風景」:ターナーの描く、自然と幻想風味が入り混じった小品。
ギュスターヴ・ロワゾー「アダム島の川岸」:グレーと青が入り混じった空が美しい。
ラウル・デュフィ「風景(ドービルの港)」:隣のユトリロの画の深刻さに比べ、案とも気楽で軽やかな印象。

アルフレッド・ド・ブリアンスキー「朝の渓流」:私好みの写実作品。
モーリス・ブリアンション「牧場の馬」:緑の背景に緑色で馬を描くという、大胆かつ不思議な作品。決して見づらくはならず、心落ち着く一体感のある作品になっている。
ベルナール・ビュッフェ「ブレア島」:丁寧な力作。ビュッフェ特有の筆遣いも程々で、やり過ぎていない作品だ。


→まぶしいくらいのハレーション。

展覧会は私が入ったときはそこそこの込み具合だったが、出る時には入場制限(といっても10分待ちくらい)がかかっていた。最終日の今日はもっと混雑するだろうなあ。

かなり暑い苫小牧、駅へと戻り、恵庭に向かう。


小樽(3)

2017年08月26日 13時12分23秒 | ART
次に乗る列車まで時間があるため、駅近くの紀伊国屋へ。本を選んでいるうちに雲行きが怪しくなり、雨が降ってくる。座るところのある長崎屋に移動し、読書で時間つぶしをする。

すると、店内にいる人が思わず外を見てしまうくらいの大雨の音がするのだ。こりゃまいったね。多分、一時的な雨だとは思うのだが…



そろそろ駅に行こうかなと思ったが、相当な雨だ。思わず横で雨宿りしているおばさんに、「これは凄いですね」と私から話しかけてしまうほどなのだ。駅まで1分くらいのところにいたので、何とかなるだろうと飛び出したところ、急に雨が小降りになった。焦る必要もなかったか。



小樽駅では4番ホームで石原裕次郎のメモリアル展示が行われている。普段は入れないメモリアルルームに入り、さらには駅長室まで公開されているので拝見させてもらった。

 

私の石原裕次郎のイメージは、これ「太陽にほえろ」と「松竹梅」だな。



彼の(多分)等身大パネルも展示されている。あれ、あまり大きな人ではないなと思ったら、実は身長は178cmなんだとか。いや、イメージだと185cmくらいはあるよね。このパネル、かなり若い時のものだと思うが、「アニキ」と呼んでしまいそうな貫禄がある。実は今の私は石原裕次郎が死んだ年と同じなのだが、貫禄が違いすぎる…。



それでは小樽を出発することにしよう。


小樽(2)

2017年08月26日 12時25分10秒 | 食べ歩き
今日はイベントのためなのか、開いていない飲食店が目に入る。そんな中、一度行ってみようと思っていた「YB」へ。何となくラーメンもある蕎麦屋さんというイメージを持っていたのだが、メニューを見る限り、ラーメン主体の食堂という感じだろうか。



店に入るとちょうど昼時なのだが、他の客がいない。ちょっと「シマッタ!」感を感じながら席に座り、メニュートップにある塩ラーメンを注文。店には年配のご夫婦らしき人がいるが、母さんの方がラーメンを作り出した。

父さんはしばらくテレビを見ていたが、やおら「どこの人」と話しかけてきたので、札幌から美術館に行くために来たという話をする。どうも、そういう話をすると「すかした野郎だぜ」と思われるような気がしてならないのだが、幸いなことに「今の展覧会、良いんだってね」という反応が返ってきた。

その後、父さんは責任を果たしたのか、カウンターに横倒しになってテレビを見る態勢に入った。体の調子は大丈夫なのか? やがて母さんが昔ながらの塩ラーメンを運んでくる。



具材は割と大きめのチャーシュー、なると、ゆで卵(これでいいのだ)、メンマ、麩(昭和だ)、海苔、ネギとまさに伝統の品ぞろえ。麺は少し柔らかい方だろうが、十分許容範囲で、あっさりとシンプルな塩スープがいい。これで500円、十分満足だ。

メニューの中では、カレーラーメン、カツカレーライス(なにしろカレー+100円の値段だ)あたりも試してみたいところだろう。


小樽(1)

2017年08月26日 11時59分45秒 | ART
今日は2か所行きたいところがあるので、恒例の一日散歩切符を購入し、琴似駅からスタート。8時49分、小樽へと向かう。



駅に向かう途中の温度計がすでに28度の表示になっており、今日は暑い予感。日中に雨の予報も出ているため、一応傘は持ってきたものの、これだけの快晴なのだからどうなるものやら。

JRの混雑はさほどではなく、座ったまま小樽に到着。早速、駅前通りを海の方に向かい、1番目の目的地は小樽市総合博物館運河館へ。



「榎本武揚-小樽に賭けたテクノクラート」という展示と合わせ「小樽進駐軍の映像」という1945年のビデオ映像が公開されているのだ。



消防犬「文公」のお姿を見ながら、展示室の奥へと向かう。

 

「小樽進駐軍の映像」:7分33秒の映像で、前半は米軍機が編隊を組んで飛んでいる様子。地上から撮影しているため、かろうじて飛行機の形に見えるくらいであまりパッとしないが、あれだけの飛行機が空を飛んでいるのを見れば「これは負けだな」と絶望感を感じずにはいられないだろう。後半は住吉神社の映像などがかなり綺麗なカラーで残っているので、あまり期待せずに一目見るとよいであろう。

その横に、オタモイ遊園地・竜宮閣などのパンフレットが展示されており、珍しいものなので非常に面白かった。

続いて、市立小樽文学館、美術館の方に向かうと、小樽芸術村がかなり整備されてきたところに出会った。次は旧三井銀行小樽支店の建物。建物の前にはズバリ「小樽芸術村」というバス停がある。

 

建物の横には小公園が整備されており、予想以上に力が入っている感じだ。できれば、ここに彫刻を何点か置いてほしいものだが。



さらに東方向に進むと、旧北海道拓殖銀行小樽支店の前に出た。こちらも9月1日グランドオープンとあって、先が楽しみだ。



■市立小樽美術館「甦る炭鉱の記憶」。
大黒孝義「コールビン雪景」:夕張の明るい雪景色を描いた作品。天気が良くなると、突き抜けたような明るさになるのだ。
木下勘二「抗夫」:坑内に降りようとする男たちを描いた作品であろう。手を合わせて祈っているらしき人もあって、どこか修道女のようにも見える。
小林政雄「炭鉱風景」:黒く太いエッジで炭鉱住宅を描いた作品。キュビスム的でもあり、ビュッフェのようでもある。

大崎盛「富岡より高松423区」:炭鉱住宅を写した写真。4階建ての団地なのだから、相当な近代的施設という感じだっただろう。
大崎盛「本町から望む」:1978年の写真だが、まだ街には賑わいの気配がある。
佐藤時啓「Yubari(Photo Respiration)」:シャッターを開放したカメラに向かい、鏡で光を反射させたものを撮影したもの。廃墟の周りに蛍が飛んでいるかの映像が非常に美しく、非現実感と往時の賑わいを感じさせる。

秋山祐徳太子「ザ・夕張バロン」:ブリキ製の男爵像。控えめな造形でなかなかのカッコよさ。

テーマが炭鉱なだけに、小樽というより夕張ではないかという気もするが、石炭を運ぶ鉄路が小樽までつながっていたというのが開催の理由なのだろう。鉄道路線に関する資料もあったが、面白かったのが駅名の変遷である。現在の小樽は、小樽中央→高島→中央小樽(!)→小樽となっているらしい。また現在の南小樽が、開運町→住吉→小樽(!)→南小樽と変わっているとのこと。これは混乱はなかったのだろうか…



■市立小樽文学館「太陽の兄弟-石原慎太郎と裕次郎展」。まあ、世代的にはあまりスターという気もしない、石原兄弟である。慎太郎は晩節を汚すだけのガッカリな老人(「太陽の季節」も読んだことがない)、裕次郎は「太陽にほえろ」のボス(警察の役職としては偉くないのに、異常な迫力)というところだろうか。

石原慎太郎がサラリーマン時代だったころの写真。まあ、すかしてますわな。



「狂った果実」の撮影打ち合わせと思われるシーン。石原裕次郎、慎太郎に長門裕之、津川雅彦という豪華な顔ぶれ。



一見の価値はあるだろう。本当は石原裕次郎記念館にもちょっと行っておきたい気持ちはあったが、時間の関係で諦めた。結局、私は一度も行ったことがないまま、閉館になるのだろう。



■市立小樽美術館「一原有徳の世界11 二つの技法 モノタイプと腐食版」。
「F20」:なぜか手宮洞窟の文様を思い浮かべる。
「SON(V)」:とてつもなく巨大な円盤状物体の縁をクローズアップしたような感じ。
「UIR」:斜めに羽根のような形が走り、これまた古代遺跡を思い起こさせる。
「底」:一原の日本語タイトル作品が今回は多かったが、あまり見たことが無いような気がする。これは火星表面を思わせるザラザラした中に、水の流れのような形が浮かんでいる。非常に面白い。

中村善策記念ホールでは、「風景」という作品は見た記憶が無い。それ以外はおおむね見たことがあり、時間の関係でさらりと見る。

よし、ここで一旦、昼食だ。