散歩日記X

札幌を中心に活動しています。食べ歩き・飲み歩き・ギャラリー巡り・読書の記録など

3度目の静岡(10)

2019年02月09日 22時00分06秒 | 食べ歩き
さて、普通ならばこれでホテルに帰るところなのだが、もう一軒行きたいところがある。それは静岡ローカルのレストラン「S」である。新静岡駅の入っているビルに店があるので、過去2回昼間に行ったことがあるのだが、信じられないくらいの待ち行列で断念していた店なのである。

夜の方が空いているという情報もあり、21時頃行ってみた(公式には23時まで店はやっている)。おお、なんという事でしょうか。この時間でも整理券が発券されており、約30分待ちらしいではないか。

あまり飲食店の待ち行列に並ぶのが好きではない私だが、今日はこのまま諦めて並ぼう。割と早めに前の番号の人が呼ばれているので、そんなにストレスは感じなかったが、私の後に来た「東京酔っ払い仲間内でおだち野郎」にはちょっと苛々させられた(「おだち」は”興奮する”という意味合いの北海道弁である)。

約20分強待って、店内に案内される。やれやれと思いながら、まだそれほど腹が減っていないので、おにぎりハンバーグ(一番大きいのはげんこつハンバーグという)と赤ワインを注文。先にやって来た赤ワインを飲みながら、時間がかかるんだろうと思いながら、待つ。



注文から20分でおにぎりハンバーグが到着。店の方がハンバーグを半分にカットし、切った面を熱々の鉄板にギューっと押し付ける。さらにそこにオニオンソースを投入し、私のハンバーグが仕上がった。


→ソースが跳ねるので、紙ナプキンを使う。

ハンバーグの一部を切って食べて見ると、ふーむなるほど。かなり肉肉しい感じだ。中に赤みの部分も少し残っていたから、牛肉100%なのだろう。柔らかさよりも、肉料理としてのハンバーグを追求した感じだ。



付け合わせの野菜、これがそれぞれ素材の味が感じられる。なかなか良いのではないだろうか。ということで、深夜のファミレス感を味わい、静岡ならではの味を堪能することができた。



ホテルに戻り、早めに就寝。

3度目の静岡(9)

2019年02月09日 21時00分10秒 | 飲み歩き・道外(東京以外)
ここで、一旦ホテルに帰り、ウエルカムドリンクのコーヒーを飲み少し落ち着く。ちょっと休んで、ホテルの裏庭を散歩したところで、第2弾に行きますかね。





今日も2軒目はおなじみのバー「g」だ。少々時間が遅かったせいか、今日は先客が6名もいる。一番奥の席に座らせてもらい、一杯目はモスコミュールでスタートだ。昨日は変化球だらけだったが、今日は少しオーソドックスに行こう。



2杯目もスタンダードにロブロイをお願いする。と言ってもウイスキーにはティーチャーズ(普通のウイスキーだが、このカクテルにはそんなに使われない)、ドリオッティベルモット18/70ロッソを使ったものになった。

 

ほう、ティーチャーズはなかなかいいね。ウイスキー味のしっかりするロブロイだ。この流れから、最後に何かいいウイスキーを選んでもらう。

あえて普通のウイスキーをお願いしたので、ハイランドパーク12年を頂くことになった。ボトルにちょうど最後の一杯ということで、これは嬉しい。「少し、澱が入ってしまったので、新しいボトルから出します」と言われたが、慌てて断った。おそらく封を切った時とは違う味になっているであろう今のやつの方が良いではないか。

飲んで見ると、優しい味と思っていたハイランドパークの良さは生かしながら、なかなか複雑な味がする。これはハイランドパークの真価発揮だろう。やはり古いボトルから頂いた方が間違いなく良かったと思う。



これを楽しんで、まあちょうど良い所だろう。このバー、早い時間から開いていることと、全席禁煙、また入りやすい路面店と、実にありがたいことである。私の理想のバーにかなり近いと言ってもいい。しかしながら、入りやすさから、幼稚な子供も来るのは、やむを得ないところでもあるのだろうなあ。

「これでまたしばらく来れません」と言い、勘定をしてもらう。いやー、ここは本当にいい所なのだよね。


3度目の静岡(8)

2019年02月09日 17時00分06秒 | 飲み歩き・道外(東京以外)
夕方になった。少し腹もこなれてきたので、静岡駅の南口にある居酒屋に行くとするか。

ということで、居酒屋「U本店」へ。非常に混雑する店らしいが(少し後から来た予約のない人は待たされていたかも)、まだ時間が早いので、カウンター席に無事座ることができた。



静岡割りを頼んで、後は注文用端末を眺める。少々色気がないが、注文用の端末があるシステムは気が楽といえば気が楽だ。通しにかつお酒盗をいただき(この店では通しは複数の品から選ぶことができ、断ることもできる)、静岡おでんの黒はんぺん・牛すじ・半熟卵を注文。

 

静岡おでんは、ふりかけた魚粉が喉の奥に飛び込んで咳が出そうになったが、黒はんぺん、牛すじ共にやはりうまい。半熟卵は最後に割っておでんの汁と共に食べる。これも間違いのない味だ。



続いて岡部の酒、初亀を冷やで頼み、バチ鮪のすき身を注文。恐らくは冷凍ものを解凍してのすき身だと思うが、味はまあまあ。





最後に目の前の焼き場で実にうまそうだった牛すじ焼き(タレ)を注文する。これはおでん用に煮てある牛すじを焼き上げてタレとからませるものなのだ。



牛すじ焼きはかなり良い線行っているのだが、焼き上げた後に常温のタレをからませるので、少々温度が下がっているところが惜しい。最後のタレを保温しておいてくれると文句ないんだけどなあ。

ということで、活気のある静岡の味を楽しめる店だったが、単品の値段の微妙な高さもあって、もう少しだったかなあ…。



そうそう、店の割りばし袋は富士山の箸置きを作れるようになっていた。


3度目の静岡(7)

2019年02月09日 15時30分03秒 | ART
静岡駅南口に戻り、今度はバスで登呂遺跡方面へと向かう。バスに乗ること10分強、登呂遺跡入口というバス停で降り、ややしばらく歩くと、登呂遺跡が見えて来た。突然の平らな土地に、再現されたのであろう昔の住居や高床倉庫が見える。






→稲を育てているのだろう。

その辺を通り抜けて、静岡市登呂博物館へ。1階エリアは無料だが、有料ゾーンの2階にも入るべく、芹沢銈介美術館との共通券を購入した。



◾️静岡市登呂博物館「企画展 登呂をとめ安倍をとこ」。展覧会名が最後までピンとこなかったが、どうやら登呂遺跡の発掘調査に男女を問わず参加している様子を見て、歌われた歌から来たものらしい。



登呂遺跡再現コーナーは明るさが変化して、1日の雰囲気を出している。



登呂遺跡から発掘されたものは、ほとんどが重要文化財になっている(775点あるそうだ)。

 

北海道からここに来るひとも結構いるようだ。私もシールを一つ貼っておいた。



世界各国からも観光客が来ており、その他の国カテゴリーでは、モンゴル、スイス、ブルガリア、スウェーデンなどの書き込みがあった。



なお、屋上の展望台から見た登呂遺跡は昔の日本を思わせるものがあった。


→地名が「登呂」なので当たり前なのだが、周りのものに「登呂」とつくと、少し面白く感じられる。

◾️静岡市立芹沢銈介美術館「芹沢銈介の収集ー世界の仮面と衣装ー」。まずは芹沢の自作作品から。



「不二文のれん」:富士の両サイドに昇るような雲のデザイン。
「幾何文」:1968年の作品だが、三角の幾何文様がTVゲームの中のものの様にも見える。
「寿の字のれん」:雲の様なパーツを組み合わせて寿の文字を構成。芹沢作品には「不思議さ」があると解説に書いてあった。
「年賀状」:さすがのセンスで、芹沢から年賀状をもらったらそれは嬉しいだろうな。

続いて、180点以上ある各国の仮面と衣装のコレクションを見る。

「捺染貫頭衣」:スーダンのもの。芹沢のセンスでは確かにこの文様を好みそうだと思う。
「ヨルバ族の仮面(ゲレデ)」:ナイジェリアのもの。カラフルな衣装を着た人形にすっとぼけた仮面が付けられている。これぞ不思議な気持ちになってくる作品だ。
「ビーズ刺繍上着」:台湾パイワン族のもの。カラフルで手間がかかっていることがよく分かる。

「かまど面」:これは主に日本の東北地方のものが多かった。かまどやいろりの上にかかっていたもので、煤で黒くなっている。
「厚司(アットゥシ)」:日本のものも多くあり、これは北海道アイヌの衣服である。



いや、とにかく物量があり疲れた。この美術館、約40年前にできた建物らしいが、そのデザインもまた素晴らしいんだよね。



また、この3連休、静岡茶のサービスがあった。中庭の梅が見える応接間らしきところで、お茶を頂く。最初はぬるめで少量、その後、少し温度を上げてお代わりを出すという、理想的な出し方であった。しかも中庭には白梅と紅梅が見えるんだものなあ。北海道にいると、こういう感覚はないよな。

 

少々疲れつつ、割と近くにあるらしい駿府博物館へ。



◾️駿府博物館「静岡の版画ーそれぞれの「今」」。
三村博司「蒼々ーIV」:稲だろうか、モノトーンのメゾチントで精密な世界が表現されている。
三村博司「蒼々ーXX」:今度は草むらをクロースアップした作品。メゾチントの柔らかい色彩のため、リアルでありながら幻想的でもある。



静岡の版画家の1980〜2000年代の作品と、ごく最近の新作を展示した展覧会で、なかなか興味深い作品があった。しかし、値段の割には展示作品数が少ないかもなあ。

ここでバスに再び乗り、静岡駅南口に戻る。他の展覧会でチラシを入手して、気になっていたところに行こう。

◾️静岡ホビースクエア「グラフィックデザイン展2019」。

瀬島裕太の作品。静岡人の富士山好きが高じたポスターだ。



グラフィックデザインを見て、ホビースクエアの常設展示も見る。模型の展示がいろいろされているのだが、正直なところ、そんなに興味がないんだよな。私はガンダムも見たことがないし、スターウォーズもほぼ見たことがない。戦車や飛行機を愛するミリオタでもないしなあ。



強いていうと「宇宙戦艦ヤマト」がまあまあ好きなのだが、初放送の時は他の多くの人と同じく見ていないしなあ。しかもヤマト単艦による連戦連勝はどう考えても嘘くさいしなあ。

最初のヤマトで興奮したのは事実だが(ワープの時の森雪のヌードで…じゃなくて、興奮したのは冥王星決戦での反射衛星砲や、真田さんがサイボーグっぽかったところや、ガミラスとイスカンダルが二重惑星だったところとか…、である)、それは置いておいて。

次のシリーズでは、地球防衛軍の旗艦アンドロメダに興奮したんだよね。やっぱり、軍たるもの単艦で勝利は見出せないのである。勝利のためには物量が必要なのだ。そして、アンドロメダの拡散波動砲! 敵の戦艦には効果絶大だったではないか。その後の白色彗星が常識はずれの規模だっただけに、拡散波動砲といえばなんの役にも立たない花火扱いされているが、普通に考えるととても効果的な戦術なのである。



それでもミリタリーものより、こういう方が好きかも。


3度目の静岡(6)

2019年02月09日 12時10分37秒 | 食べ歩き
少し雨の降る中、新静岡駅に戻り、さらにJR静岡駅の南口へ。ここで昼前となったが、昼食を食べるかな。



静岡駅の南口はかなり昔ながらの街並みも残っており、その辺をぶらぶら歩いて見たところ、以前来た時にも気になっていた店、食堂「S」の店構えが目に飛び込んで来た。なかなかこんな食堂、今時ないよねということで入店する。



店内は4人用テーブルだけだが、先客は2名。どうやら昼から飲んでいるようにも見える。私は一番手前のテーブル席に座り、ドライカレーを注文。

 



地方新聞を読みながら待つ。



しばらく店の奥でドライカレーを炒めているらしき音がしたが、やがて注文の品が届いた。少し少なめにも見えるドライカレーにスープがついている。



食べて見ると、実に家庭的な味だ。私にも作れそうな気がする。具材は焼肉っぽいところと、チャーシューのみじん切り、ナルトなど炒飯の具と思われるものも入っている。まあ、これはこれでいいかな。

先客が勘定すると、店のオヤジは「通貨はなんで払うの。ルピア? じゃあ、5億2千万ルピアね」と恒例と思われるオヤジギャグを始めた。私も金を払う時にちょっと不安になったが、オヤジも初めての客には「650円です。ありがとうございました」といたって普通の対応なのであった。

3度目の静岡(5)

2019年02月09日 11時06分08秒 | ART
飲んで寝てしまったため、一度2時頃に目が覚めたが、改めて5時起床。しばらくぼんやりした後、腹が減って来てペヤングで朝食。



今回は旅用にiPhoneにつなげることができるキーボードを買ったので、こんな具合でブログ用に記事を書く。



天気予報を見ていると東京は雪。その流れで、静岡の県東部にも雪が降っているらしい。これで電車が乱れると嫌だなと思い、今日の日程を明日と入れ替えることにした。よって、今日は9時半頃にゆっくり出発すれば良いことになる。





ということで、新静岡駅から電車に乗り、静岡県立美術館をめざす。空いている電車に10分強乗り、県立美術館前駅に到着。こういう名前の駅なので、ホームにはロダンの彫刻があったり、展覧会ポスターも掲示してあったりするのだが、とんでもないことに気がついた。見るつもりだった企画展が明日からの開催なのだ。



そうだったか、私。自分で決めていた日程には意味があったのだね。良く考えないで明日の日程と入れ替えたのは失敗だったか。

しばらく呆然としたものの、とりあえず常設展だけでも見ておくか。気を取り直して美術館へ向かう。途中の彫刻などを見ながら、人の少ない美術館へ。そうだろう、明日から企画展なのに、わざわざ今日来る人は少ないよね(なにやら県の美術展の表彰式のようなイベントがあるようだったが)。

◾️静岡県立美術館「収蔵品展 日本の自然ー富士山、日本の山、川、海ー」。
小林清親「従箱根山中冨嶽眺望」:彼の得意な光線画の雰囲気ではなく、外光の中の風景に、電柱と電線が描かれているのが現代的である。
ジョルジュ・ビゴー「富士(沼津江浦)」:日本の風景を上手く捉えている。
吉田博「上高地の春」:この人、こんな画も描いているのか。山の高いところにある雪がいい雰囲気だ。

須田国太郎「筆石村」:村全体を上から見下ろす雄大な風景画。
金山平三「千曲川(信濃路の春)」:シンプルな筆さばきで、ある種抽象画の趣さえある。

絵画の題材として富士山は良くあるものだが、ある種のパターンだけに難しいところがあるのではないだろうか。静岡の美術館だけに、富士山の画を連続して見ることができたのは、面白かった。

ついでに「ロダン館」も見る。



一旦、静岡の中心部に戻ろうとすると、雨が降って来た。