魚のぶろぐ

2006/5/28~。現在復旧作業中です。ご容赦願います。 ぶろぐの写真はオリジナルです。無断転載はお断りします。

ギバチ

2024年04月17日 09時27分23秒 | 魚介類飼育(淡水)

さてこの間の遠征のあと、持ち帰ってきた、ギギ科のギバチたち。我が家はギバチの飼育経験はないものの、アリアケギバチの飼育経験があるからおなじようにすればいいだろう、と思っていたが、実はギバチの飼育はアリアケギバチの飼育とは全くの別物であることを知った。

まずアリアケギバチの幼魚は複数飼育ができたが、ギバチは幼魚同士でも激しく争い、結果的に水槽が増殖してしまうことになった。さらに餌もなかなか食べてくれない。このままでは餓死したり、そこまでいかなくても痩せてしまうことも考えられるため、近いうちにまた水生昆虫をとりに近所の河川へ向かう必要があるかもしれない。また、いくつかの情報元によると、高水温も良くないらしい。しかし水槽用クーラーを水槽につけるほど我が家は裕福ではないので、部屋ごとクーラーで冷却することに。

ギバチはよく観賞魚店でも販売されているが、基本的には野生個体の販売であり、さらにトリコと呼ばれる人たちの乱獲により店頭に並んでいる可能性も否定できない。この仲間はかわいいため観賞魚として人気が高いが、そのせいで個体数の減少に拍車がかかるようではいけない。ギバチの繁殖にもチャレンジしてみたいと思っている。難しいかもしれないが、ネコギギの成功例もある。いつかはやってみたいものである。夏から秋に岩や水生植物に卵を産み付けるというが、流木はだめなのだろうか。

なおアリアケギバチに対し本種のことを「ノーマルギバチ」と呼ぶこともある。ただし記載順でいえばアリアケギバチのほうがはやい。アリアケギバチはテンミンクとシュレーゲルが1846年に新種記載したものだが、ギバチは1887年にデーデルラインにより記載された。その後はギバチとアリアケギバチは亜種関係にされたりしたがようやく1995年に再記載が行われた。その再記載の中では若魚の体斑パタンについての記述もあり、アリアケギバチの若魚のパタンは明瞭であるというが、確かにギバチの若魚は全体的に暗くて模様が薄い気がする。

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ムギツク

2024年04月13日 23時41分08秒 | 魚介類飼育(淡水)

昨年の9月に福岡県の河川でムギツクを採集して飼育している。ムギツクはコイ科ムギツク属で、日本産のムギツク属唯一の種である。分布域は日本と朝鮮半島で、タイプ産地は北朝鮮のピョクトン郡とのことである。朝鮮半島といえばほかにもクロムギツクや「シュリ」ことヤガタムギツクなどがおり、特に後者は観賞魚として日本にも入ってきていた。このようにムギツクに近いとされる魚は朝鮮半島には何種かいるのだが、日本に生息するのはこのムギツクだけである。

ムギツクの仲間は朝鮮半島におおいせいか、異国の魚らしいルックスをしている。朝鮮半島の近縁種に近いが、日本の熱帯魚愛好家ならば「サイアミーズフライングフォックス」を思い浮かべる方も多いだろう。しかしサイアミーズフライングフォックスとムギツクとは分類学的にはやや離れているということである。ムギツクも従来はヒガイ亜科とされていたが、現在はカマツカ亜科と関係があるとされる。

飼育開始当初はアリアケギバチと飼育したため、アリアケギバチに尾鰭を少し咬まれてしまっていた。現在は治っているが、ギバチの類はほかの魚をかむ習性があるようで混泳は慎重にする必要がある。

こちらはムギツクの幼魚。6月ごろに浅い水草がある場所を掬うと多数獲れた。丈夫で飼育はしやすい。ヒガイ属(ほかの魚をつつくくせあり)と比べるとおとなしく、混泳もさせられる。分布域は西日本の各地の河川で、絶滅の危険にあるとはされていないが、九州北部では水草のある場所が少なくなっており、個体数は減少している。一方関東でも本種の姿を見るようになったが、アユの種苗に混ざって分布を広げたと考えられる。これもアユの放流の負の側面のひとつである。

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アリアケギバチ

2024年01月06日 11時19分11秒 | 魚介類飼育(淡水)

我が家のアリアケギバチ。基本的には流木の下などでじっとしている。寒いからでしょう。ですが餌はしっかり食べてくれる。お腹もだいぶふっくらしてきている。お腹がだいぶふっくらといえば、島田晴香さん、第一子ご懐妊おめでとうございます。

昼間はこうやって流木の下に隠れていますが、夜間はアグレッシブに泳いで餌を捕食する。餌は河川産のエビやらヌマチチブを与えているのだが、ただこの時期どこの河川や湖へ行ってもエビを採集するのは容易ではない。九州だったらこの時期でもヌマエビがいたるところにいるのだが。今年採集したい魚の一つにギバチというのがおり、資金と時間に余裕ができたら県北の河川も訪れてみたいと思っている。

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アリアケギバチ

2023年09月27日 10時06分03秒 | 魚介類飼育(淡水)

先月末~今月頭の九州遠征で出会えた淡水魚。何種かお持ち帰りしたのだが、その中でも久々に採集した子。ナマズ目・ギギ科・ギバチ属のアリアケギバチ。アリアケギバチは九州にのみ生息する希少種で、なかなかお目に罹れない。採集・飼育するのは今回がはじめてではないが、今回採集した個体は昔採集して飼育していたのとは別水系の個体になる。いずれにせよ、格好いい体つきとかわいい顔が特徴的である。

飼育の際のポイントはいくつかあるが、(繁殖を狙うとき以外)同種同士の混泳は避けるべきということ。また小型水槽での飼育ではほかの魚との混泳も避けるべきである。ヤマトシマドジョウやアブラボテを一緒に入れたら捕食されてしまった。ムギツクは捕食されずに済んだが、鰭をかじられたりしていたため、別水槽に移しての飼育となった。今度ムギツクも紹介したいと思うのだが、鰭を完治させるまで登場はなし。また流木など魚が落ち着けるような隠れ家を入れておくようにしたい。

なお、日本にはギギ科の魚は5種類知られているが、私はアリアケギバチ以外ギギ科魚類を一切採集したことはない。コウライギギは特定外来生物、ネコギギも国の天然記念物であるので飼育するには困難な道を渡る必要がある。しかしあとの2種、関東地方と東北など東日本にしかいないギバチは見たことがないのは当然であるが、西日本に多く生息するギギもまだ一切網の中にはおさめていない。シャープな顔つきで格好いいギギは大型になるが、巨大な水槽で飼育してみたい憧れの魚の一種である。

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イトモロコ

2022年09月30日 00時36分12秒 | 魚介類飼育(淡水)

久しぶりに我が家で飼育している淡水魚の紹介。コイ科のイトモロコ。2018年の5月に九州で採集したものなので、我が家にやってきてもう4年以上になる。細くてすぐやせるようなイメージがあるが、あまりきれいな水でなく、デトリタスなどがたまったような水槽では長生きしてくれるようだ。キラキラと輝く鱗がとても美しい魚である。中部地方から山陽地方、四国、九州北部の河川に生息する。

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