今日の魚 2006・9・1
キリンミノ Dendrochirus zebra (Cuvier)
翼を広げる?
薔薇(ばら)の花はとてもきれいですが、その薔薇の茎には小さな棘があり、刺されると結構痛みます。しかし、毒はありません。でも、海の中にはきれいな色の魚で、強い毒をもつ魚が沢山いますので、注意。
今回はそんな美しく危険な海の薔薇、キリンミノを紹介しましょう。
鰭の棘には強い毒がある。要注意。
●分類
本種はカサゴ目、フサカサゴ科、ミノカサゴ亜科、ヒメヤマノカミ属に分類されます。ミノカサゴやハナミノカサゴとは、別の属です。この仲間の背鰭や胸鰭などにある棘には、強い毒があるので絶対に素手で触らないようにします。
食用魚となるカサゴやメバル等とはまた別の亜科に分類されます(メバル・カサゴともにメバル亜科)。ミノカサゴは食用にしますが、あまり一般的ではありません。
(でもいつだったか福岡のスーパーに「オコゼ」として売られていたな)
キリンミノはやや小型種で、食用にすることはありません。ただし、他のミノカサゴと同じく、観賞魚界ではかなりポピュラーな魚です。
美しい姿。観賞魚にむく。
●採集―見つけたら捕獲は容易
キリンミノは暖かい海に多く生息する魚です。日本海側ではいまだ見たことはありません。紀伊半島や四国、琉球列島では多く見られるそうです。高知でも、水深1mにも満たない場所で数匹が見られました。動きはゆったりしているので、捕獲は容易です。
●飼育―まずは生き餌から
飼育は難しくはありません。丈夫で水質悪化にも比較的強い。熱帯域に住む魚なので、冬季には保温する必要があります。餌はまずいきなり配合飼料をあげても食いつくことはありません。最初のうちはイソスジエビという小さなエビや、川エビなどを採集してくる必要があります(これらのエビは観賞魚店で打っていることもあります)。
●混泳―小魚とはNG
混泳は可能です。ただし肉食魚で小さな魚は食べてしまうことがあるので、同じくらいの大きさの魚で飼うのが望ましいでしょう。キリンミノ同士の混泳は可能です。
キリンミノと同居中のハナキンチャクフグ。
キリンミノ同士の混泳も可能。
●もしも刺された場合は
もしも刺された場合には、
1傷口を洗い
2痛みがひくまで患部をぬるま湯に浸し
3医師の手当てを受ける。
このやり方はミノカサゴやオコゼなどに刺された場合にも応用可能とされています。
●参考資料・文献
「WEB魚図鑑」キリンミノ/オニダルマオコゼ http://www.fishing-forum.org/zukan/
Fishbase