今日の深海魚は、ホウボウの仲間のイゴダカホデリLepidotrigla alata (Houttuyn)です。
カナガシラ属魚種は日本から11種(うち1種は未記載)が報告されています。その中でもこのイゴダカホデリは最も古く、18世紀中に、長崎で得られた個体を元に記載されています。分布域は南日本から台湾にかけてとシナ海に限られます。
カナガシラの仲間の同定のポイントは色々あります。本種の場合胸鰭が短く、吻先端に発達した1棘があることで、カナドやトゲカナガシラなどと見分けられます。
ホウボウ科のうち、ホウボウは大形で味もよく高級食用魚となりますが、本種を含むカナガシラ類は小型のものが多く(本種では全長20cmになる)、練製品の原料にされることが多いです。ただし味は決してまずいわけではなく、産直市などでも稀に売っています。