鮮やかな色彩のネズッポ科の美種、ベニテグリFoetorepus altivelis (Temminck and Schlegel)です。
ネズッポ科の魚といえば投げ釣りで釣れるネズミゴチやヤリヌメリなど浅海性の種が代表的ですが、深い海にもネズッポの仲間は多くみられます。このベニテグリはその深海性ネズッポ科魚類の代表的な種といえるのではないでしょうか。
ネズッポの仲間は鰓蓋棘を持っています。このベニテグリもちゃんと有しています。この棘には毒はないようですが、うっかり触ると痛みます。また網などに引っかかることもあります。
鰭を広げてみました。ベニテグリもネズッポ類で性的二型が知られています。雄は第一背鰭に黒色紋がなく、雌ではそれが見られます。この写真の個体は雄です。
東京ではめごちの天ぷらと称して親しまれるグループですが本種はやや大型になり、天ぷらの原料としては普通の浅瀬にいるネズミゴチなどに比べると劣るようです。
ということでフライにしてみました。ポン酢でたべるという食べ方で、とても美味しかったです。ベニテグリはトロールではよく漁獲される種で、練り製品の原料にされます。