トンキンオリンピックが始まりまして、自国開催となる我らが日本代表の活躍もすごいと思うのですが、大会自体についてはいろいろ思うことあり、喜ぶことが難しい。今日世界遺産登録が確実となった「奄美・徳之島・沖縄島北部・西表島」についても言いたいことはたくさんあるが、これはまた別の機会に。
ということで、今回は最近長崎からやってきた魚をご紹介。コバンザメ科・ナガコバン属のヒナコバン。
ヒナコバンが含まれるナガコバン属はコバンザメの含まれるコバンザメ属と比べるとやや太く短い体をしているように思う。本種は全身がクリーム色なのが特徴だが、同じような特徴をもつものにシロコバンというのがいる。シロコバンは吸盤の板状体が14以下と少ないが本種だと15~17あるので見分けることができる。またシロコバンのほうはヒナコバンよりも腹鰭の大きさが小さい。なお、シロコバンについては残念ながら写真がない。ちなみにヒナコバンは体色を除くと、同じナガコバン属のクロコバンという種によく似ていて、同じ種類ではないかという意見もある。そうなればクロコバンが有効となり、ヒナコバンという標準和名は消えることになる。
最近何度かコバンザメは食べているが、ヒナコバンを食うのは初めて(というか見るのも初めて)で、この属も10年ぶりに食う。前回はナガコバンでやや大きい体のため刺身にできたが、この個体は小さいため唐揚げに。この仲間は内臓がかなり臭うものの、そこさえ除けば美味しい魚であるが、小さいとうまく除ききれないからか、若干においがのこっていた。それ以外、例えば背中のほうなどは美味しくいただけた。
今回の個体も長崎県 印束商店の石田拓治さんより。ありがとうございます。