10日の日曜日に新しいハゼがやってきました。
共生ハゼの仲間でホタテツノハゼ属の1種Flabelligobius sp.です。
ホタテツノハゼの仲間はインド・太平洋に広く分布し、8種類程がいるようですが、分類学的に混乱しており、オニハゼ属の中に入れる場合もあります。オニハゼの仲間ほど、頬の筋肉はあまり目立たず、ややほっそりとした印象を受けます。
この写真の個体はフィリピン産で、インド洋や紅海に生息する種類Tomiyamichthys latruncularius (Klausewitz, 1974)にそっくりですが、いくつかの点で違いが見られます。 T. latruncularius は沖縄からよく似ているものが見つかっていますが、本当に同一種かどうかということについては標本に基く精査が必要とされています。
この写真の個体と、同一種ではないかと思われるものは、「魚類写真資料データベース」で見つけられました。「ホタテツノハゼ属未同定種」というもので、写真の撮影地はフィリピンのミンドロ島・プエルトガレラという場所でした。その個体も頭部の黄色斑はあまり目立たなく、暗色の斜帯がありました。
第1背鰭は烏帽子のような形状で、薄い暗色斑が散り、背鰭の上方には目立つ黒色斑があります。第2背鰭は基部に黒色斑があり、見えにくいですが茶色い模様があります。
眼は赤く怪しく輝きます。眼から下、やや前方に伸びる暗色帯があり、写真ではわかりにくいですが橙色の小斑点もあります。口は大きめで、体長3cmちょいですが、メガバイトのMサイズくらいならば難なく捕食することができます。ちなみに我が家では到着してさっそくメガバイトを捕食するなど大変コンディションがよい個体でした。
行動について。首をやや上に持ち上げてたりすることもあり、可愛い魚です。基本的にテッポウエビ (コトブキテッポウエビ?) と共生する種類で、あまり泳がずじっとしていることが多いのです。ただし、我が家では危険を察知すると俊敏に泳ぎ、勢い余って飛び出しそうになりました。ふたは必須でしょう。今回はテッポウエビの仲間を入手できていないので、また今度共生についてご紹介したいと思います。
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