最近我が家にシンジュタマガシラがやってきた。標本に基づく日本初記録から30年ほどしかたっていない魚で、沖縄県の海に生息している。さらに沖縄でも個体数はあまり多くないようであり、沖縄県知念と八重山諸島からのみ記録されているようである。ただ水中写真ではそれ以前から知られており、益田一・G.R.アレン博士による「世界の海水魚」でも日本での分布についての記述がみられる。海外ではオーストラリア西岸からバヌアツのサンゴ礁域に分布。フィリピンやインドネシア、南シナ海などでも本種を見ることができるよう。
一見地味~な魚なのだが、黄色い斑点(写真ではオレンジ~赤っぽい)が入るなどよく見ると美しい魚である。幼魚は体側に2本の縦線が入り、腹部が黄色になっている。これは毒牙を有するヒゲニジギンポ属の魚に擬態しているのではないかともいわれている。写真の個体は突き漁でとれているので体側部分が大きく開いているのだが、珍しい魚でありこのくらいの傷は仕方がないだろう。
シンジュタマガシラは、科としてはイトヨリダイ科なので美味しいだろう。ヨコシマタマガシラ属というのに含まれているのだが、ヨコシマタマガシラ属の魚は以前高知県で漁獲されたヒトスジタマガシラというのを食べたことがある。あれは刺身でいただいたが、今回は刺身ではなく、焼き物でいただいた。
この写真は以前も同じものをアップしたので見覚えがあるかもしれない。上がヨコシマタマガシラ、下がセグロチョウチョウウオである。身も白身で美味しかった。荒武成寿さんからのいただきものでした。ありがとうございました。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます