今週は二日続けて、面白い魚に出会うことが出来ました。それらの記事第1回目は、フエダイ科・ヒメダイ属のやや深い海を好む種類であるシマチビキPristipomoides zonatus (Valenciennes, 1830)です。
シマチビキの色彩で凄いのは、赤色の体で、背部に黄色い斜帯が入ること。他にも赤い地色に黄色い帯が入るスナッパーは居ますが、このシマチビキはその中でもものすごくきれいなものでしょう。
シマチビキはヒメダイ属の仲間ですが、体長と体高の比率から、特にハナフエダイに近いようです。ハナフエダイの色彩はピンク、黄色、青、赤、白ととてもカラフルな種類。水深200mの深海に生息するものとは思えないほど派手な魚です。この種類については、以前記事に書いていたはず。上がシマチビキ、下がハナフエダイPristipomoides argyrogrammicus (Valenciennes, 1832)。
シマチビキは2008年に奄美大島で出会ってから (この時に帰りに使用していた船がこの間韓国で沈没してしまった・・・残念) 、いつか手にしたかった魚の一つでした。はじめて出会ってから5年以上の歳月を経てようやく「再開」を果たした種です。今回の個体は小笠原諸島産。お友達の料理研究家・宮内さんから頂きました。ありがとうございます。
本種は日本では小笠原と琉球列島から報告されています。ハワイではやや深い海底からよく釣りで漁獲されているようです。東はインド洋の南東アフリカにあるデラゴア湾まで。タイプ標本はモーリシャスから得られているそうで、分布はかなり広いよう。
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