ベラ科の中でも、タキベラ亜科の水中写真を紹介するのはおそらくこのぶろぐでははじめてだろう。写真のタキベラ属の種であるスミツキベラは10年以上前からこの近辺をうろうろしている(同一個体かは不明)が、なぜかなかなか釣れてくれない魚である。一度だけ釣れた個体を見せてもらい入手したことがあるが、それっきりである。好奇心が強く、水中カメラには近寄って来るのだが、おそらくこのカメラにうつった自分の姿を同種だと勘違いしているのかもしれない。餌には興味を見せるのだが、警戒心は極めて強く、なかなかハリにかからない。その様は警戒心が強いがときに貪欲になるという、防波堤からの落とし込みでつれるクロダイをほうふつとさせるものだ。
この近辺ではこのスミツキベラのほか、モンツキベラやキツネベラが見られる。このスミツキベラはこの2種と違い、体の前半分と後半分が別の色で塗分けられていること、背鰭と臀鰭に黒色斑があること、背中に白い斑点がないこと、体側後方に大きな黒色斑を有さないことなどで見分けられる。この属のフタホシキツネベラやモンツキベラなどは飼育したことがあるのだが、このスミツキベラは釣れたことがない。いつか元気な個体を採集して飼育したいものである。もっとも、タキベラ亜科の魚は動物食性が強く、また性格はややきつめ、混泳する魚はよく吟味する必要があるのだが。
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