カレイの仲間はすべての種が食用となるが、北方の大型種は切り身で売られることも多く、なかなか全身の姿を見ることができないものがいる。カラスガレイというカレイは北方の大型種で全長1mくらいになるが、大体が切り身で販売されている。そして2011年にはじめてカラスガレイとお会いすることができたのであった。
そして今回ご紹介するアブラガレイ。アブラガレイも切り身で売られていることが多いし、たまに市場でも見られる。しかしながら尾の部分や内臓などが抜かれていることが多い。今回は尾鰭も内臓もしっかりついていた状態(ただし内臓はどろどろでしたが)でみることができた。アブラガレイも2012年ごろに見たことがあったのだが、このたび久しぶりに見ることができたのであった。坂口太一さんに感謝です。
アブラガレイとカラスガレイは眼の様子がやや異なっている。アブラガレイの上眼は頭部背縁にはなく、両方の眼間隔はあまり広くない。一方でカラスガレイの眼は頭部背縁にあり、両眼間隔は広い。いずれも口が大きく鋭い歯をもち、扱いには若干注意が必要だ。
分布は富山湾・茨城県以北の沿岸で、北海道ではすべての沿岸に生息している。今回の個体も北海道の羅臼近海で漁獲されたものだ。海外ではロシアからアリューシャン列島、アラスカのブリストル湾までのオホーツク海、ベーリング海、日本海。この属は2種のみからなり、もう1種はロシアからアメリカのカリフォルニアにまで分布するが、日本には生息していないようである。一方カラスガレイは北太平洋だけではなく、北米の東海岸やヨーロッパ北部の大西洋沿岸にまで分布している。
肉は脂が多く、今回はムニエルにして食したが、かなり美味しかった。煮ると肉がなくなってしまうということで、これが正解だったかもしれない。今回も美味しいものを食すことができてうれしい。いつもありがとうございます。
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