珍しいカエルウオの仲間を採集することができました。アオモンギンポEntomacrodus caudofasciatus (Regan, 1909)という種類です。
日本の本州中部以南太平洋岸や、日本海側西部ではいろいろなイソギンポ科・カエルウオ族魚類を見ることができます。アオモンギンポは八丈島、和歌山県、高知県、屋久島、琉球列島、小笠原と広い範囲に生息していますが、私は初めて見ました。
本種は分類上はスジギンポ属に含まれます。スジギンポ属、と言ってもピンとこないかもしれませんが、同属の中では分布が北によっているホシギンポは、新潟県・神奈川県三浦以南の日本海・太平洋沿岸および瀬戸内海や天草に生息するもので磯採集をされる方にはおなじみの存在です。スジギンポ属は日本に7種が分布しているとされます。
アオモンギンポの特徴は胸鰭の上方にある青緑色斑。よくにた名前の魚にアオテンギンポというのがいますが間違えないように。アオテンギンポは、ハナカエルウオ属の種類で日本では琉球列島に分布します。
我が家の水槽にはイソギンポ科の魚が5匹もいるのですが、その中では一番臆病な感じです。水槽の岩組の上のほうにいて、カエルウオなどと対峙しています。カエルウオは水槽の表層から中層を泳ぎ回り、最古参のヤエヤマギンポは底から中層にいることが多く、クモギンポはあちこち移動しまくります。
アオモンギンポもほかのカエルウオの仲間の多くの種類と同様植物食と思われます。この水槽では海藻がしげっていますが、この個体はサボテングサに付着する藻類を食っているようです。実際にコケのはえた水槽での飼育をすすめられる場合があるほどです。明るい富栄養の環境がよいのでしょうか。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます