本日は深海の一角獣(?)とも呼ばれるトンガリヒゲCaelorinchus longissimus Matsubaraを紹介いたします。
トンガリヒゲはタラ目ソコダラ科トウジン属に属しています。このトウジン属は本邦近海から22種が知られているのですが、似た姿かたちの種類も多く、同定が難儀します。
本種は鱗に弱い棘が密集すること、頭部下部は先端にしか鱗がないこと、体側に目立つ模様がないことから日本産トウジン属の他種と区別できます。この個体は水深270mから揚がってきました。トロール船では水深300m前後の場所でよく獲れるようです。
南日本ではタラ目の魚は少ないのですが、これら深海性のソコダラ科魚類は暖かい海にいるものも多く、本種は沖縄舟状海盆にも分布するようです。中には北海道から九州までの広範囲に分布するようなものも知られています。これも浮遊性で多くの卵を産む魚の特徴でしょうか。
この手の魚は鱗が大きく、なかなか鱗落としが出来ません。小さいものは骨もちょっと気になります。鍋かフライ、もしくは練り製品の原料としてよいでしょう。
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