本日の深海魚はイバラトラギスChrionema furunoi Okamura and Yamachiです。水深180~300mの海域に生息しています。
イバラトラギスは「トラギス」という名がついてはいるものの、トラギス科ではなく同じスズキ目ワニギス亜目のホカケトラギス科に属します。ホカケトラギス科の魚は日本に6属13種(うち1種は未記載)が報告されています。世界では11属47種が知られます。
本種をふくむイバラトラギス属は世界から6種、うち日本から3種が知られています。本属魚種は上顎後端に皮弁がない、吻端に棘がない、ことなどで区別されます。
本種は日本産のほかの2種とは胸鰭に帯があることで区別されますが、この写真からはよく見て取れません。
ホカケトラギス科の魚は本種やアイトラギスなどがトロールにより、時として大量に漁獲されるのですが、日本では練り製品の原料くらいにしかならないようです。しかし南米のブラジル~アルゼンチンにいたる南西大西洋海域には同科としては大型(50cm)のペスパロPercophis brasiliensis Quoy and Gaimardという種がおり、それは食用として利用されています。
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