カンモンハタは喜界島のどこで釣りをしてもほとんど必ず見ることができたハタであった。スズキ目・ハタ科・アカハタ属。従来はマハタ属とされていたが、マハタが別属のものとされ、マハタ属は本種の含まれるEpinephelus属の標準和名として使うのに適当でなくなったことから、長らく属標準和名名無しさんの状態であった。最近になりようやく標準和名がつき、本種はアカハタ属のメンバーとなった。
基本的にサンゴ礁の浅瀬にすむ。喜界島では過去本種のほか、アオノメハタ、バラハタ、アカハタ、アザハタ、ニジハタに遭遇しているが、サンゴ礁の浅瀬ではおそらく本種が最も多いように思われる。本種とアオノメハタは大きなタイドプールの中でさえもその姿を拝むことができたのである。アカハタ属の中には全長1mを超えるような大型種も見られるが、このカンモンハタは成魚でも30cmほどと小型種である。ミドリイシなどの枝状サンゴが多い浅いサンゴ礁域で生きるのであれば、小型でいることが生存に有利なのだろう。マダラハタなどはサンゴ礁のやや深場にいるし、チャイロマルハタやヤイトハタなどはサンゴ礁のリーフの中よりも、むしろ河口域や内湾の砂泥底などに多いイメージがある。
たくさん釣れたが、結局写真を撮影したのはこの1匹だけ。貪欲で様々な魚を貪り、すぐ釣れるため写真を撮るのを後回しにしがちなのだ。そして結局私の写真フォルダには、鮮明な白バックのカンモンハタの写真がいまだにない。
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