魚のぶろぐ

2006/5/28~。現在復旧作業中です。ご容赦願います。 ぶろぐの写真はオリジナルです。無断転載はお断りします。

どろどろのハダカイワシ

2011年11月16日 17時29分07秒 | 魚紹介

某調査船で漁獲されたハダカイワシ類の未同定種。これはマグロ漁船によって漁獲されたものの胃内容物です。鰭も含めて溶けかかっています。しかし日本の近海で見られるハダカイワシや、サガミハダカなど普通種と比べ体高が高いです。雰囲気も独特ですね。

このほか、デメエソ類(大抵は、半消化)と、クロボウズギス科の魚(こちらは鰭条数など数えられ、同定も可能なようですが、資料が少ない・・・形質のメモをとり、のちに同定したい)などがありました。

最近はこんなのとトビウオの仲間ばかり。トビウオの仲間、ツクシトビウオはよく見ますが、ホソトビウオなど見ませんね。

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シマセトダイ

2011年11月15日 19時41分13秒 | 魚紹介

最近の世間の話題といえば、野球の「日本シリーズ」、日本で行われている「バレーワールドカップ」、ザッケローニ監督率いる「サッカー日本代表」とスポーツのイベントがメイン。

ザック日本は本日は最強のアウェイであります「北朝鮮」との戦いで0-1という苦い敗北。さすがのザック日本といえど、過去の屈辱を晴らすことはできず。また次回にきたいしましょう。

我が家の話題といえば「食卓にあがる魚」。毎日魚を多数食べていますので、その名前も話題になるものです。今回の魚はシマセトダイHapalogenys kishinouyei Smith and Popeというイサキ科の魚です。

イサキ科の魚ですが、この仲間はみな食用魚です。イサキ、コショウダイ、コロダイなど釣り人には人気の魚たち。特にコロダイはパワーも、肉質もよく最高の釣り魚の一つでしょう。
このシマセトダイはほかのイサキとはちょっとはなれた分類的位置の魚。ヒゲダイ属の魚で、イサキやコショウダイなどとは別亜科に含められています。また海外ではこの仲間をイサキ科から離れた位置に置く考えもあり、なかなか意見はまとまりません。

でも肉質や味はほかのイサキ科魚類同様美味です。やや小ぶりなのですが、刺身でおいしくいただくことができます。沖合底曳網でたまに漁獲され市場でも売られることがありますので、その時はぜひどうぞ。

この仲間のうち、ヒゲソリダイとシマセトダイは賞味し、セトダイも見たことがあります。しかし属の名前にもなっているヒゲダイはいまだ見ていない魚です。もちろん味も確かめていません。水族館などで飼育されている個体はよく見るのですが・・・。

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イトヨリダイ科の魚たち2

2011年11月13日 19時39分17秒 | 魚紹介

前回の続きになります。

今回紹介する2属の魚たちはおもに沿岸の浅海域に生息するものが多いので、底曳網ではあまり漁獲されていません。今回の魚は琉球列島を中心に分布する魚たちです。

●3 ヨコシマタマガシラ属Scolopsis

前鰓蓋骨下縁や第4眼下骨の縁辺に鋸歯があり、このほか眼下骨に大きな棘があります。タマガシラ属は本種ににていますが、眼下骨の大きな棘を欠き、ヨコシマタマガシラ属の魚と区別できます。

いずれも浅海のサンゴ礁や、その周辺の砂底に生息します。日本産は8種ですが、鹿児島県から日本に生息しないと考えられていた種の水中写真が報告されており、今後日本産種が増えそうです。

写真の種類はヨコシマタマガシラScolopsis lineata Quoy and Gaimard。サンゴ礁域や砂底で見られるおなじみの魚です。この仲間では幼魚と成魚で模様や色彩が異なるほか、産地によっても色彩が変わるものがいたりします。

●4 キツネウオ属Pentapodus

キツネウオの仲間もサンゴ礁に生息する普通種です。体高がやや低く、第4眼下骨や、前鰓蓋骨の下縁に鋸歯がない、頭頂部の鱗域の先端は直線状である、頬部に4列以上の鱗があるなどが特徴です。

キツネウオの仲間は日本にはイトタマガシラ、キツネウオ、ヤクシマキツネウオの3種が知られています。ヤクシマキツネウオはその名の通り屋久島から日本初記録として報告されました。

写真のはホワイトショルダードホイップテールPentapodus bifasciatus (Bleeker)という、西部太平洋産のキツネウオ属魚類で残念ながら日本には産しません。この種はあまり伸びませんが、この仲間の中には尾鰭の先端が著しく長く伸長するものもいたりします。

この仲間の幼魚は青と黄色の縦帯があり美しいので観賞魚として輸入されることもあります。観賞魚業界ではバナナフィッシュとかいう名前でも呼ばれているようです。

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イトヨリダイ科の魚たち1

2011年11月12日 20時07分26秒 | 魚紹介

沖合底曳網漁業では主要対象となる魚がいくつかあります。まずは俗に「丸魚」と呼ばれるもので、単価が高い刺身や焼き物用の魚。マダイやクエ、カサゴ、ヒラメ、マアナゴ、マトウダイなどです。そして原料用の魚。これは八幡浜の第二次産業 (かまぼこなどを作る製造業) を支える魚で、エソ類や、ヒメジ、クラカケトラギスなどがあります。

イトヨリダイNemipterus virgatus  (Houttuyn)は、丸魚としても、原材料としても使える優等生。桃色の体に黄色横帯が数本入り、尾鰭上方の軟条が長く伸びる大変優雅で美しい魚です。

そんなイトヨリダイの仲間も種類は多く、日本からは4属と22種が知られています。ただし本州から、九州の沖合底曳網で漁獲されるものはちょっと種類は限られてしまうのですが・・・。

●1 イトヨリダイ属Nemipterus

イトヨリダイ属の魚は、前鰓蓋骨下縁や第4眼下骨の縁辺に鋸歯がないこと。頭頂部の鱗域先端部は楔形で眼の中央付近まで達すること、頬部に2列の鱗があるなどが特徴で、日本からは8種が知られています。しかし多くが奄美以南に分布し、九州以北の沿岸にみられるのは2種に限定されます。

同じ箱の中に入っておりましたソコイトヨリNemipterus bathybius  Snyder。ソコイトヨリは腹部の蛍光黄色の線がよく目立ちます。イトヨリダイにも大きいものは入ってたりします。イトヨリダイは側線の始部に赤色斑がありますが、ソコイトヨリにはありません。ソコイトヨリは琉球列島にも分布しますが、イトヨリダイは琉球列島を避けるような分布をしています(沖縄舟状海盆にはいるようです)。

●2 タマガシラ属Parascolopsis

前鰓蓋骨下縁や第4眼下骨の縁辺に鋸歯があります。ヨコシマタマガシラ属の魚は本属に似ているのですが、眼下骨に大きな棘がありタマガシラ属と区別できます。日本産は3種、本州から九州沿岸にかけてはいずれの種も漁獲されています。

以前ご紹介しましたアカタマガシラParascolopsis eriomma  (Jordan and Richardson)もこのタマガシラ属になります。よく似ているタマガシラは生鮮時に、体側に太い赤色帯があり容易に見分けられます。もう1種のキスジタマガシラは小型種であまり漁獲されないようです。

タマガシラ、アカタマガシラともに底曳網でよく入ります。アカタマガシラのほうが、やや南方性でしょうか。この写真の個体も種子島沖で漁獲されました。肉は白身で軟らかいですが美味、刺身にしてもおいしいものです。

次回は残りのメンバーをご紹介しましょう。

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キントキダイ

2011年11月11日 15時15分49秒 | 魚紹介

今回は、今月1日に沖合底曳網漁業が解禁(※)となりました高知沖の漁場の魚です。まずは、赤いからだに大きな黄色斑が特徴の魚、キントキダイ科キントキダイPriacanthus macracanthus Cuvierです。

(※)沖合底曳網漁業は国の許可漁業で、漁期や漁場などが決められています。八幡浜拠点の底曳網漁業の場合、9月1日から4月30日までで、5月1日以降、半月程は試験操業という、また別の許可のもと、漁業が行われています。

高知沖の漁場は、1匹丸の魚(タイ、ホウボウ、マトウダイなど)や、加工用の魚(エソ、ニギスなど)、甲殻類(ウチワエビ、タカアシガニなど)、イカ類(コウイカ、ヤリイカ)など、魚種が多い場所です。以前、試験操業の時に船に乗せていただいたのですが、その時も時期の関係で高知沖の漁場でした。浅いところは120m前後、深い場所では300mまで網を曳いてました。

キントキダイは比較的浅いポイントで漁獲される魚です。沖合底曳網のほか、季節(10月ごろ?)によっては小型底曳網でも漁獲されています。ただし小型のものが多いようで、大型のものは沖合底曳網でよく漁獲されます。

特徴は、細かい鱗、背鰭・臀鰭・腹鰭に散在する黄色斑です。漁師さんの間ではこの魚は「アカメ」と呼ばれるもののようで、確かに眼が赤いです。でもフラッシュをたくと・・・

眼の中心が金色に。長崎などでは「キンメ」と呼びますが、これはこのような特徴に由来するものなのでしょうか。この魚は今日、塩焼きでおいしくいただきます。

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