イズカサゴScorpaena neglecta Temminck and Schlegelは、おそらく2回目の登場です。前回同様沖合底曳網船で獲れたものですが、前回よりもひと回りほど大きく、体長20cmほどあります。
カサゴの仲間は長寿な魚としても知られ、数十年生きるといわれており、また深海性のメバル属の大型種、俗に「メヌケ」と呼ばれるものの中には100年も生きるといわれております。イズカサゴも、数十年生きるといわれますが、残念ながらその生態はいまだによくわかっていないようです。メバル属の魚は仔魚を産むのですが、このイズカサゴは卵生とされます。
イズカサゴという名前はあまりなじみがないかもしれませんが、それもそのはず、一般に釣り人の間や、市場関係者、レストランの間では「オニカサゴ」と呼ばれています。しかし、実際にはオニカサゴという標準和名をもつフサカサゴ科の魚がありますので注意が必要です。近縁のフサカサゴも同様にオニカサゴと呼ばれており、いわゆる「混称」なのでしょう。
さて、味のほうですが肉は白身で、刺身、塩焼き、唐揚げ、煮つけ、ブイヤベース、鍋、まで様々な料理に使うことができます。美味しい魚です。さばくときの注意としては、背鰭の棘があげられます。この背鰭棘は大変に強く刺されるといたいのです。あらかじめこの棘をよく切れるはさみやニッパーでとってしまうのもよいでしょう。